北八ツ@彷徨人

北八ヶ岳の麓に住んでいます。信州登山案内人、八ヶ岳地域。北八ツの記事が多目です。よろし…

北八ツ@彷徨人

北八ヶ岳の麓に住んでいます。信州登山案内人、八ヶ岳地域。北八ツの記事が多目です。よろしくお願いいたします。

最近の記事

とろろ昆布と肉厚。

登って滑れる軽快な道具、ステップソール 踵の上がるブーツとの組み合わせで自由自在に森を遊ぶ。 とろろ昆布 面白そうな斜面、気になる場所に行ってみる。登り返しているとカラマツの木に美味しそう垂れ下がる通称「とろろ昆布」を発見、近寄ってみる。木の枝にたくさんのとろろ昆布。 山で見かける気になる存在。風になびく姿も美しい森の主役級。 ゆっくり観察し写真を撮る。 正式名称は「サルオガセ」。 肉厚 さらに彷徨していると白樺の木に肉厚の物体が見えてきた。滑って近寄ってみる。 分

    • ステップソールの滑り。

      無名ピークから滑り出す。 軽快な道具 樹林を縫って滑っていく、ステップソールは良く考えられた道具。登りはしっかりとウロコが効き滑りではソールの凹凸によるブレーキもさほどなく通常の板と遜色ない滑りができる。 軽快に下り雪原に出る。 本領発揮 ここからがステップソールの本領発揮である。滑り降りた斜面から別の方向のおもしろそうな場所への登りがすぐにできる。 シールを使った場合はそうはいかずシールの貼り直し作業が必要で必然的に休憩となるがウロコの場合はスピーディーに動ける、道

      • ステップソールの登り。

        3月中旬気温が上がり雨が降り雪質が変わっていく。暖かい日が続き上質のザラメ雪になる。 ステップソール 3月下旬、この時期に使う楽しい道具「ステップソール」で山に入る。 ステップソール、通称「ウロコ板」。スキーのソールがウロコ状に彫ってあり前には進むが後ろには滑らないスキー板。 雪質にもよるが新雪からザラメまで登っていける道具。 ウロコの効く雪 この日の雪は快適ザラメではないがウロコの良く効く雪質、軽快に斜面を登っていく。 ここは蓼科山西山麓の秘密にしている森。登りだし

        • 4月のおしどり隠し。

          奥蓼科へ 車道沿いには間もなく消えるであろう残雪が少しだけ残り、フロントガラス越しには豊富な雪を纏っている北八ヶ岳の峰々が望まれる。 4月初旬、奥蓼科へ。 おしどり隠しの滝 雪解けが進み水量の増しているであろうおしどり隠しの滝へ。明治温泉への道を歩いていく、流れの音は大きく期待できそうである。 到着したおしどり隠しの滝、4月の陽射しを受けた美しい流れ。何段にも分かれ流れ落ちる清らかな水流。緑鮮やかなチャツボミゴケ。 いつ来ても良い場所。 4月の奥蓼科を楽しむ。 完

        とろろ昆布と肉厚。

          冬の河原の小さな冒険。

          信玄尾根を滑降し棒道経由で登り返す準備をする。登りの前に小さな川を超える。 静かな水流 3月に入りずいぶんと積雪が増えたものだ。目の前の小さな流れが深くなり枝分かれした水流はあみだくじのようで面白い。流れを眺めているうちに前後の水流、雪の付き方が見たくなり河原の小さな冒険をスタートする。 下流へ 少しだけ下流に下ってみる。少しいくと小さな淵になった場所を発見、清流である。水の中が見たくなりカメラ(スマホ)を入れてみる。透き通った水、地上からは見れない水中の世界は美しい

          冬の河原の小さな冒険。

          信玄尾根(3月の雪)

          降雪のあった翌朝、いつもの稜線を目指して歩き出す。 稜線ヘ 南岸低気圧がもたらした3月の雪、白くなった森の中を登って行く。昨夜からの降雪は約25cm。 真っ白なカラマツが出迎えてくれる稜線に到着、周辺の景色も素晴らしい。 平坦な稜線を進みドロップポイントでもある休憩適地へと歩いていく。 西と東 休憩適地でシールを外し温かい飲み物を口にする。 この場所からは西にも東にも滑って楽しい場所がありスタンダードと位置づける西側には今年も数回遊びに来ている。 東ルートの信玄尾根

          信玄尾根(3月の雪)

          隠れた名展望台。

          (短編、写真集) 少し開けた場所、休憩に適した場所。 その展望台は蓼科山、将軍平から大河原峠方面に少し歩いた場所にある。 開けた平を少し先にいき大展望を楽しむ。 手前の枯れ木、樹林帯も素敵な展望。 蓼科山の山肌から始まりその奥に北横岳、 さらに奥には南八ヶ岳。 最奥にあるのは南アルプス。 美しき山々の連なり。 大展望を楽しむ。 最後までお読みいただきありがとうございます。

          隠れた名展望台。

          無名沢の滑降。

          蓼科山北面滑降後、ハイマツが埋まりきっておらず予定変更、将軍平へ。 スキーシール 蓼科山荘を過ぎた平で滑ってきたスキーを外しシールを装着する。この平が鞍部の底となり前掛山方面(大河原峠側)へはなだらかな登りとなる。 スキーシールとはスキーの滑走面に貼り付ける登高用の道具である。前には進むが後ろには滑らず登れるBCスキーには必需品である。(クライミングスキンとも呼ぶ) 無名沢の入口 前掛山方面に歩き出す、振り返ると今降りてきた蓼科山が大きい。なだらかな登りを快適にシール

          無名沢の滑降。

          北面滑降。

          ドロップポイントへ 山頂ヒュッテ付近でスキーを装着し滑り出し(ドロップポイント)へと移動する。先日40cmほど雪が降ったとはいえ今年の雪は少ない。 上部はパックされた硬い雪、少し下ると柔らかい雪になり滑降が楽しい。 埋まっていないハイマツ 樹林帯まで滑り込み少し北側の秘密のルート方面に進んでいく。周りを見ると埋まっているはずのハイマツが埋まっていない。 秘密ルートの入口までのトラバースが厳しいと判断し今回は予定変更。樹林帯を滑り将軍平へと下っていく。 蓼科パウダー

          別世界の山頂。

          山頂へ 最後の急斜面を登りだす、急坂の上にある青空を見上げながらの登り。 一歩一歩確実に高度を上げて行く。北側を見れば雪の斜面奥には青空の下北アルプスが連なる。 急斜面を登りきり山頂ヒュッテを通過する、最後のなだらかな登りで山頂となる。 別世界 山頂平は野球場ほどの広い平。噴火口跡といわれる真ん中のくぼみにあるのが蓼科神社奥宮。 山頂から見る岩と雪の平原と奥宮。異世界の風景でありなんとも神聖な場所である。 山頂の北西側にある方位盤に移動し大展望を楽しむ。 大展望

          別世界の山頂。

          タテモン。

          標高2400の森 北八ヶ岳、蓼科山。森林限界間際の森、無風の東面に出現するというスノーモンスター「タテモン」。 例年の約半分の積雪の今年、はたして出現しているであろうか。 スキー歩行 蓼科東面の深い森をスキーで歩く、登る。登山道から少し森に入った場所に小さなスノーモンスターを発見、期待できそうである。 深い森を登山道から離れて斜め上方に登っていく、雪は深く樹林間は狭い急斜面の森、場所によっては木を掴みながら。方向転換できる場所を見つけてキックターン。 少し先に白い雪の

          限界ぎりぎりの森。

          急斜面 将軍平を後にして山頂へと登って行く。 少し行くと急斜面のスタートとなる。この山頂直下の急斜面、山荘手前のザンゲ坂と比べてもはるかに急な斜面である。夏間に七合目から蓼科山を登った事のある人なら憶えているであろう岩を掴みながら登るあの斜面である。 無風の森 登っている面は東面、この蓼科東面は通常無風であり雪の溜まる場所。 急坂を登りながら両サイドを見る、雪の量は一気に増え針葉樹の森を際立たせる。 登山道をそれ森の中に入ってみる。 深雪の森、ツボ足では腰まで沈み歩く

          限界ぎりぎりの森。

          将軍平への道。

          2月の雪 ゴンドラを降り雪の森を歩いて行く。 ここは蓼科山麓の御泉水自然園、数日前に降り積もった雪は約40cm、2月の雪を踏みしめる、柔らかい感触を楽しみながらの登り。 七合目の鳥居を通過し登山道を進んでいく、森の上は強風が通過していく。 木々が激しく揺れ枝の雪が降り注ぐ、粉雪が舞い幻想的な光景を創り出す。 天狗の露地 先週末に数名の登山者とスキーヤーが登ったようでありそのトレースを使い登っていく。開けた斜面を過ぎ濃い樹林帯を登ると天狗の露地に到着。ここからの景色は

          将軍平への道。

          信玄尾根(八子峰彷徨)

          大展望を楽しみながら稜線を歩く。 下りで使う尾根へと向かう 真ん中の尾根 東に延びる3本の尾根、その真ん中の尾根を下る。 遠目に見ても綺麗な尾根である。急、緩、急と変化に富み北側の斜面にはオープンバーンも有する素敵な尾根を行く。 信玄尾根 出だしの急斜面を下る、まだ尾根地形ではなく笹の急斜面、特徴的な岩を過ぎたあたりから尾根地形となり立派な尾根が続く。 樹林間隔は狭くはなく明るい尾根を下って行く。 実はこの尾根を下るのは初めてではない、BCスキーに適したこの場所を数

          信玄尾根(八子峰彷徨)

          岩を巡る②(八子峰彷徨)

          八子峰彷徨とは八子ヶ峰を舞台にした彷徨と冒険の記録である。 岩は続く 岩の斜面をさらに進んでいく。 大きな岩を過ぎると少し傾斜は緩み目指す尾根がすぐ近くに見える場所へ。ここから尾根へはトラバース気味に登るのが安全そうである。よく見ると獣道がそのラインに走っている、動物達も安全なルートをよく知っている。迷わず獣道で尾根へと向かう 。 岩を想う 尾根の間近まで行くとまた岩地帯となる。ここで美しい岩を発見。台座のような岩の上に乗っかったUFO形の岩。「灯籠岩」と名付ける。な

          岩を巡る②(八子峰彷徨)

          岩巡り①(八子峰彷徨)。

          登山道から原野へ一歩踏み出してみる。 そこにあるのは手つかずで本物の大自然。 八子峰彷徨 北八ヶ岳と霧ヶ峰の間に位置し蓼科山とはすずらん峠をはさみ向かい合う山、東西に長く山というより規模は大きくないが山脈、標高1869m。東峰、西峰と2つのピークを持ち、展望に優れ素敵な稜線歩きが楽しめる。 そんな八子ヶ峰を舞台にした彷徨記にして冒険記。それが八子峰彷徨である。 彷徨の旅 稜線から東に延びる3本の尾根、前から気になっていた山域の調査へ。 山道を下って行く、歩いている道は

          岩巡り①(八子峰彷徨)。