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修学旅行と恋のライバル①

ゲイの私は人生で一度だけ、女性と付き合ったことがある。中学生の時だ。    

彼女とは部活が一緒で、二ヶ月間だけ付き合った。僕から告白したのだが、 
外練の終わりにトンボをかけている際、「やっぱりだいすけは友達としかみれない」という理由で、あっさり振られてしまった。  

今振り返ってみると、あれはただの「恋愛ごっこ」だったなと思う。
(今その彼女は、僕の親友である。) 



さて、話は高校時代に向かう。
私は高校に入ってすぐ、本当の意味での「初恋」をする。
そして高校三年間、ずっとその人のことを思い続けることになる。 

彼はサッカー部、身長180cmの長身イケメン。いわゆる超モテ筋だ。 
頭も良く、いつも彼の横を通ると良い匂いのする、まさに「非の打ち所がない」人だった。 

 そんなと彼と比べると、僕は「芋」そのものだった。だが彼は、僕のことをとても好きだった。もちろん、恋愛的な好意ではなく、愛でられていると言う意味でだか。

そんな彼から可愛がられて、好きにならない方がおかしい。    

僕は、心底彼に惚れていた。 
廊下の奥から彼が歩いてくるのが見えると緊張し、登る必要の無い階段を登って彼を避けるくらいには。

そして高校2年生の修学旅行の最終日。 
そんな彼と夢のような時間を過ごすことになるとは、この時思いもしなかった。

最終日の午後は自由行動で、僕らの集団は遊園地に行った。

最初は、彼を含めた友人5人と回っていたのだが、途中で彼以外の3人とはぐれてしまった。 
  
僕は他の3人を探そうと提案したのだが、彼から帰ってきた答えは違った。 

「みんなとはぐれちゃったし、2人で回るかあ」 
まさかの提案だった。

遊園地で、大好きな彼と2人きり。こんな幸せがあっていいのだろうか。 

僕は彼に「ええよ!(オーマイゴットファーザ〜、神様ありがとう)」と答える。


乗り物を見てみたが、長蛇の列で全くもって乗れなかった。 
そのため、お土産屋を散策することにした。  


既に時刻は夕刻だった。店の窓から差し込む日差しが、ドラマのワンシーンのように彼を照らす。

僕は彼の後を追いながら、そして時々横に並びながら、彼と過ごす時間を楽しんだ。 

そんな幸せな時間というのはあっという間に過ぎるもので、すぐに集合時間になった。  

帰りの飛行機の中では、彼と楽しんだ幸福感よりも、こんなに好きなのに思いを伝えられない切なさに心が打ちひしがれていた。  




ここまでは、甘くてほろ苦い修学旅行のストーリー。 
しかし、修学旅行から帰ってきてから、「事件」は起こったのだった、、、


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