ある年の7月、私は、娘の結婚式に出席するために飛行機で移動した。

式場となるホテルに泊まった。
当時、大学３年生の息子も、そこに泊まる事になっていた。

娘は２月にお付き合いを始め、7月に結婚式というスピード婚

両家顔合わせも結婚式前日だった。

前年、離婚した元夫、元姑も、その席に。

緊張やら焦りやらで、何を食べたのか、よく覚えていない。

無事に終わり、部屋に行くと、息子が来た。予定では、違う部屋に泊まるはずだったが
私の部屋に泊まる事にしたらしい。

普段、離れた場所に暮らしてる息子
私は、心の中で「ラッキー」と叫んだ。

彼は
ツインベッドの片方に座り
今からTVで放映される映画について
話し始めた。　

友達と見に行ったら、面白かった事
ロボットの登場する映画だから、私にオススメだと。

ちなみに私は、戦うロボットが好きなのだ。
ロボットだから、好きとも言える。
壊れても直せるって思えるから
少し安心する。

その事を覚えていたらしい。

私は、お風呂に入ってから見る事にした。
広めのバスタブは、心地よく、そのまま眠ってしまいそうになった。

いやいや
眠ってはいけない！

久しぶりに、一緒に
彼のオススメの映画の鑑賞なのだから〜
（親バカ過ぎ🙏）

お風呂時間終了

寝る準備万端

いいえ、鑑賞準備完了😊

ベッドに座ったら息子が言った。

「お母さん、〇〇と同じ匂いがする」

その日、私がつけていたのは
母の日に、息子からプレゼントされた物。

かなり親バカな私にとって、大切なそれを
忘れないで荷物に入れて来たのだ。

息子の彼女の〇〇ちゃん
そのボディローションを出している化粧品メーカーに勤務している。

母の日のプレゼントが
彼女の売り上げアップになったのは予想がつく。

息子の彼女と私
同じ香りなのは、私のせい？

ではない。

ただ
考えてみたら、
ホテルの素敵な雰囲気の部屋で
隣のベッドから
「大好きな彼女の香り」がするのは

彼にとって
何とも微妙な気持ちだったと想像出来る。

彼女繋がりだとしても
シングルになった母親に、気を利かせて贈ってくれたボディローション。

大人になったな〜

送ってくれた時に、そう思った。

「これ、桃（息子の名前）が母の日にくれたんだよね〜」と

する必要はないとは思っても
言い訳のように
私は、笑顔で言った。

親子で、戦うロボットの画面を見ながら

何だか申し訳ないような
おかしいような、そんな気分だった。

そして、
あんなに楽しみにしていたのに
途中で眠ってしまう母であった。

#子どもの成長記録