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【向日葵は枯れていない!】11.ギラヴァンツ北九州ミニレビュー~第11節 vs AC長野パルセイロ~

ここまで堅守ぶりが目立っていたギラヴァンツでしたが、今日は前半だけで3失点。得点力が目立つ長野が相手であったとはいえ、少々ショックが残る敗戦でした。しかし、サッカーは得点を奪わないと勝てないという基本原理を意識し直す上では決して無駄な戦いではなかったと思いますし、苦しい戦況からチームはよく抵抗してくれたと思います。

振り返ります。

J3第11節 長野-北九州 メンバー

北九州のスタメンにはCBが3人エントリー、筆者は3バックも予想しましたが、実際には(50)杉山耕二をRSBに入れる4バックでした。
サブには(22)山脇華織も入っており、後半途中から出場しました。
(22)山脇のコンディションの問題もあったのかもしれませんが、(50)杉山のRSBはやはり戦術的な起用の可能性が高かったのではないかと推測します。
このあたりは、各種記事で確認してみたいと思います。

Football LABさんのデータでは長野の得点パターンはクロスからが目立っており、(50)杉山の起用によりこの起点を潰したかったのかもしれません。あと様々なデータを見てみましたが、特段左サイドからの攻撃に偏っている訳でもありませんので、長野左サイドに特化した対策というよりは、セットプレーも含めて、最近の長野の勢いをしっかり受け止めるという意図があったのかもしれません。

長野のパスが流れたところを奪い、中央右寄りCF(10)永井龍を起点に斜めにパスを繋ぎ、長野ボックス左ポケットからLSH(21)牛之濱拓が決めた先制点は見事であったと思います。
右で作って左の得点力が高い選手がフィニッシュするという形は確実に北九州の武器になってきたと思います。

今シーズン先制して負けなしの北九州でしたから、これで今日はイケる!と多くのサポーター、そして選手もそう思ったのではないでしょうか。
筆者もそう思いました。

いい入りが出来た分、油断ではなかったと思いますが、長野右サイドからの崩しから長野CF(18)浮田健誠にCB(4)長谷川光基が裏を取られそうになりファール、このセットプレーを長野CH(47)加藤弘堅の見事なFKから長野RWB(23)黒石貴哉に決められてしまいます。
GK(27)田中悠也から微妙に逃げていくボールでしたが、(50)杉山には触ってほしかったところでした。

長野の2CHはこの(47)加藤と(6)西村恭史の元北九州コンビでした。このファールを与えた場面、(6)西村はビルドアップで起点を作っていましたし、後半は北九州のボックス内へのパスを遮断されたりと攻守に機能、しっかり恩返しをされてしまいました。
(6)西村の右に開きボールを受けるビルドアップの形は面白かったです。普段どおりの形なのか、長野の試合をそんなには視ていないので分からないのですが、北九州の前プレを回避するやり方としては機能していたと思います。

痛かったのは2失点目であったと思います。北九州のCKのチャンスからカウンターを受けてしまいました。
やはりチャンスをモノに出来なければピンチがやってくる、サッカーの原則どおりの失点といえます。RCH(34)高吉正真が長野左サイドからの進入についていったのですが、少々走らせ過ぎましたね。ゴールを決めた(18)浮田に対しては(50)杉山がついていましたが、全く対応出来ていませんでした。
やはり不慣れなSB起用でリズムをつくれなかったのか、今日の(50)杉山はおかしかったと思います。

ここまで守りには自信があった北九州であったと思いますので、この2失点目は選手にショックを与えたと思います。おそらくパニックに陥り、またもクロスから3失点目という流れでした。

ルヴァンカップ京都戦を勝利したばかりの長野の勢いを受け止めきれなかった前半といえます。

後半の立て直しが注目されましたが、最終ラインはそのまま。前半イエローを貰っていた(34)高吉に代えてMF(8)若谷拓海が入りOMFへ。(20)矢田旭が一列下がりCHに移ります。

この交代により(20)矢田から深さをとれる配球が可能となり、(8)若谷のスペースへの走り込みやボールサイドへのサポートが北九州の攻撃のアクセントになります。
(8)若谷はボックス内への進入の意識も高く、60分にゴール左下に正確なシュートを決めます。ルヴァン町田戦で決めた自信が滲み出るようなゴールでした。

前回のレビューでも彼らのシュート意識の高まりについて書きましたが、(8)若谷のような選手がもっと出てきてほしいと思います。
CH(14)井澤春輝や交代出場のMF(19)井野文太にもボックス内への進入やフィニッシュへの意識がみてとれました。あとワンタイミング早く撃つことが出来ればと思わせるシーンもありました。

2点目を奪ったのが60分ですから、正直なところ追いつけた展開であったと思います。その後は決定力不足に泣きましたね。

次節に向けて守備の修正はしてくれると思うのですが、それ以上に大事なのはチャンスでやり切る意識を高めることであったと思います。

次の長野との対戦はホーム最終戦なのですね。
この頃にはいい位置にいて、しっかりリベンジしたいですね。

以上、簡単ですが長野戦を振り返りました。
今回もお読みいただきありがとうございました!

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
岡山のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。

2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。
レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。

北九州大学(現:北九州市立大学)法学部出身
北九州は第二の故郷ということもあり、今シーズンからギラヴァンツ北九州もミニレビュー作成という形で追いかける。

鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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