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【Woman PR Community 女性経営者インタビュー vol.1】 株式会社プラチナム 代表取締役 吉柳 さおり 様


Woman PR Community では、女性経営者やリーダーのインタビューを掲載していきます。記念すべき第1回目は、プラチナム代表取締役、ベクトル取締役の吉柳さおりさんです!


写真データ②

【Profile】

株式会社プラチナム 代表取締役
株式会社ベクトル 取締役
吉柳 さおり 様

大学在学中にPR会社ベクトルにアルバイトとして入社し創業に参画。2002年にベクトル取締役に就任。2004年にPR事業会社プラチナムを設立し代表取締役に就任。ベクトルグループはPR事業、デジタルマーケティング事業、ダイレクトマーケティング事業、メディア事業など、グループ45社、中国、インドネシアをはじめアジアに10か国14拠点をもち、様々なコミュニケーション事業を展開するグループ。2012年に東証マザーズ上場、2014年に東証一部上場。



▼大学在学中にベクトルにアルバイトとして入社し、創業に参画された吉柳さん。そこからプラチナムの代表に就任されるなど、ご自身のやりたいことを次々に実現されている印象があります。
吉柳さんがキャリア等で「こうなりたい」というイメージを現実にするために、されていることがありましたら教えてください。


1年に1度、自分がやりたいことやビジョンを書き出しています。ポイントは「いつまでに、何をすべきか」と、具体的なアクションまで落とし込んで書き出すこと。かつ「1年・3年・5年・10年」の単位でやりたいことやビジョンをリストアップし、自分の潜在意識に埋め込んでいくイメージです。こうすることで、10年先の大きなゴールを意識しながら、日々の短期的なPDCAを回し続けられて、結果的に成長スピードが飛躍的に上がります。

そして、大切なのは、ビジョンを一度立てた後は敢えて見直さず手放すこと。結果に執着すると焦ってしまいがちになります。手放しつつ、日々の仕事は集中して行います。どんな大きな目標も達成するまでの日々はコツコツとしたものの積み上げなので。そうすると30才になりたいと書いていた姿が、実際には26才くらいで叶っているなど「気がついたら叶っていた」ということが多く起こるんです。これは20才でベクトルに入社後、ずっと続けている習慣ですね。

このプロセスは、PRも同じだと思っています。企業がどんなブランドになりたいかをともに議論し、そのゴールイメージに近づくために必要な要素を分解してアクションを行っていく。PRも人生も考え方は共通する部分が多いです。

私は子どもの頃から割とこういう考え方をしていたので、そういう意味ではPRは天職かもしれません(笑)。



▼吉柳さんの過去のインタビュー記事で「どんな企業に属していても突き詰めることが重要」と仰っていたのが印象的でした。もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?



PRにおいて、深く情報を追い、突き詰めるというスキルは欠かせません。これはPRに限らず、どんな企業、またどんな話題でも言えることだと思います。

私はプライベートの趣味なども、一度始めたらやり尽くしてしまうオタクな性格なのですが、仕事でも同じです。例えばPRを始めたばかりの頃は「あの番組を決めるまで関係者の方100人と会う。決めるまで諦めない」ということもよくしていました(笑)。

天才ではなく努力家が最後には勝つ、と常日頃から思っています。Uberやテスラのような革新的な技術や事業で成長する企業は実は少なくて、そのカテゴリーを信じ切ってやり切った企業が成功していると感じます。

例えばビズリーチ。似たようなアイディアが世の中に溢れ、業界もレッドオーシャンと言われる中、ビジョンを持ってやり遂げ、そして飛躍しました。普通の人なら早々に諦めるところをやり切ったんですよね。やり尽くすには忍耐力や人間力が必要になりますが、やはり信念を持って突き詰め、やり尽くすということは、どんな時でも非常に大事なマインドだと思います。



▼「Woman PR Community」の女性経営者インタビューでは、皆様に広報・PRについても伺っていきます。
広報・PR界で知らない方がいない吉柳さんですが、吉柳さんが広報・PRに携わる上で、特に大事にされているポイントを教えてください。


まず、「自分を客観視し、物事を俯瞰的に見る」ことです。『私を見て!』という一人称的なアプローチの広告と違い、PRは第三者評価です。自分で発言するのではなく、第三者に『あの人いいらしい』とウィスパーしてもらう。どう発信したらそのように良いと感じてもらえるのか、振り向いてもらえるとのか、ということを考える時には、客観視と、社会情勢やトレンドとマッチするのかという俯瞰的な視点が欠かせません。

もうひとつは、「自分のエゴを捨てる」こと。エゴが強いと、メッセージが主観的になります。メディアは1社のサービスだけではなく他社のサービスも並んで取り上げることが多いように、客観的な視点を大事にします。そのため、社会全体から見た時の自社やサービスの意義を見つけることが重要になります。



▼企業が広報・PRを展開する際に、特に大事にすべきポイントを教えてください。


日本では従来、PR = パブリシティだと強調されすぎた一面があると思いますが、ここ数年でようやく本来の「パブリックリレーションズ(Public Relations)」になってきたと変化を感じます。パブリックリレーションズとは、メディアだけではなく、関わるステークホルダー全員と良好な関係を築くこと。ステークホルダーとは、メディア、お客様、従業員、そして社会も含みます。

広報・PRパーソンは、この情報をあの番組で取り上げてほしい、と出口論としての”点”を追いがちですが、私はもっと、企業として本質的なことを考えるべきだと思っています。

例えば、メルカリはパブリックリレーションズがとても上手な企業の1つです。従業員を大切にする社内制度を意図的に発信することによって、メディアにも取り上げられています。それ自体がパブリックリレーションにもなっていて、コーポレートブランディングに繋がり、優秀な人材の採用に至っています。決してメディアだけを見ているわけでなはい、柔軟性があるパブリックリレーションをされていると感じます。


また、ソーシャルネットワークが発達したことで、企業がいくら綺麗なことを発信していたとしても、本質的な活動を展開していなければオープンになる時代になりましたよね。ソーシャルで議論がしやすくなったからこそ、企業にはステークホルダーと本質的なコミュニケーションをすることがより求められるようになったと思います。



▼ありがとうございます。もっとお話を伺いたくて、時間が足りないですが、、最後に、広報・PRウーマンへのメッセージをお願いします。


広報・PRという仕事は、間違いなく女性が活躍できる仕事です。仕事のきめ細やかさや、ストーリー作りといった感性の部分はしかり、女性ターゲットへのインサイトがある、ということ自体大きな強みです。購入決定権が女性であるという商品は、世に溢れています。

いまの消費財のブランディングは「ライフスタイル」がキーになっているカテゴリーが多いです。様々なモノがコモディティ化し差別化するのが難しくなっているので、モノ単体ではなく、そのモノをとりまく共感できるライフスタイルを生活者に提案することで、その商品を手に取ってもらうという手法が増えてきています。

広報・PRは、そのライフスタイルすなわちPRトレンドを作る仕事です。ライフスタイルを設計していく上では、より女性の感性が必要になってくるので、ますます女性のPRパーソンの必要性は高まっていくのではないでしょうか。

また、企業内でのPRの立ち位置も、益々重視され始めました。特に、ファンが多かったり売上が伸びていたり、いわゆる”イケてる” 企業はPRドリブン。社長含めて社内がPRの重要性を理解しています。先ほど挙げたメルカリやビズリーチもしかり。また、PR上級選手のサントリーや日清、マクドナルドなど挙げればキリがありませんが、PRに秀でている企業は、どこも広報・PRの社内における役割は、非常に重視されています。


最後に、新型コロナウイルスの影響での働き方の変化もあり、フリーランスのPRの方も増えてきています。これは、変化の多い女性のライフスタイル的にも、非常に良い傾向だと感じます。PRは手に職とも言える、スペシャリストな職業です。フリーランスの方の活躍の場を広げる・生み出すため、SCALEというPR人材に特化した学校事業を始めており、仕事紹介のマッチングもできるような仕組みを作っています。

企業内、エージェンシー、フリーランス問わず、広報・PRが活躍できる時代になってきたことは、本当に喜ばしいことです。ぜひキャリアを諦めず、スペシャリストとして活躍される広報・PRウーマンが増えていくことを、心から期待しています。



(聞き手:千田絵美、ライティング:大谷祥子)


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