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「こどもがやるお店、まったりやさん」を企画手伝いした話

先日企画した、庭文庫さんでのイベント「まったりやさん」が無事に終了しました。

まったりやさんは、甥っ子のまーくんが企画したカフェイベント。
4年前にも同じようなネーミングで「ゆっくりやさん」を開催したのですが、小6になったまーくんがまたやりたいということで、小学校最後のイベントというような感じで、まったりやさんを開催してみました。

わたし側の思いは以下の通り。
「こどもたちの『やりたい』を全力で応援したい」
「こどものリアルな経験を増やしたい」
です。
親には悪いけど、わたし自身の子どもの頃、やりたいを応援されたことよりかは、やれと命令されたこと・やりたいことを制御された、やんわり邪魔された記憶が多いような…。(共感できるかた多いのでは)
絵を描いていると「絵ばかり描いて…」詩を書けば「また、けちな…」学びたいことも「あのひとその道で挫折したらしいよ」等…
芸術活動するくらいなら勉強してほしい、人と同じ道を歩んで欲しいという親の期待だったのでしょうが、もっと応援してほしかった、応援してもらえたら今頃…などとねちねちと考えてしまいます。

そんなわけで、わたしは子どもたちの熱量を応援したいという気持ちが強いです。
それと、最近は田舎暮らしといえど、子どもたちはゲーム、動画漬け…。
リアルな体験が減ってきているのは言うまでもありません。
お店をやる3人だけでなく、お客さんも子どもが多いでしょうから、リアルな質感を楽しめますし、身近な子がお店を自分でやっている!というのはかなりの影響力となるでしょう。

大盛況だったまったりやさん

4年前は年中さんだった、姪っ子のるりちゃんと、わが息子ちーくん。前回はお手伝いをしていましたが、小2になった今回はしっかり売り子をやりたいということで、こちらも準備をしていました。

前日から我が家に泊まり込み、仕込み・メニュー表づくりなど準備をしました。
わたしもスープを提供したので、準備はてんやわんや。

今回、まーくんも小6になったことだし、メニューや値段は本人たちに決めてもらいました。
が、子どもの考えることなので、やはりツッコミどころが多く、修正はちょこちょこ入る。修正しようとするとこだわりがあったりして、そこは妥協する。(例えば、まーくんはコーヒーゼリーをどうしてもガラスのカップで出したいといった。プラカップだと高級感がないからしょぼい、と言う。)

また、あらかじめ庭文庫のみきてぃと話して、「赤字を出さない・楽しんでやる」を最低限の目標にしようと決めました。たくさん儲けようとすると、投資が多くなるし、ぽしゃると赤字も出るため。まずは赤字を出さないで楽しめる範囲でやる、というのはまーくんもなんとか納得…。

さて、当日は、まーくんがチラシを学校で配ったかいがあり、同級生たちがたくさん来てくれました。親御さんも含めて、20人、30人くらいはいらしたでしょうか。すごいことです。しかも女子がたくさん…まーくん恐るべし。

まーくんはココアとコーヒーゼリーを売りました。
るりちゃんは紅茶マフィン、ちーくんは紅茶を売りました。

前回のときもそうでしたが、まーくんの集客力には驚かされます。ぽや~んとしたオーラを持つまーくんはちょっとぼんやりして見えますが、学校ではお友達がたくさんいるんだなあと安心しました。中には手土産を持ってきてくれた子もいて、感激しました。

ちーくんも、学校や適応教室のお友達が親御さんと来てくれて、家庭の外でお友達と良い関係が築けているのだなあと感心。地域のかたも、たくさん来てくれました。
なかには、子どもたちのなかで庭文庫さんで本を買っていってくれた子もいて、それもまた感激。良い本に出会えてよかったね~と!

ちーくん、るりちゃんも、正確にお釣りを渡し、伝票もきちんと書いて、いくつ売れたか記入していました。お客様へのお礼も、様になっていました。
るりちゃんはラストオーダーの確認のテーブル周りもなんなくこなし、接客サービスのうまさを魅せていたのが印象的でした。

計3時間、ちいさい身体ながら、3人ともよく頑張りました。
家に帰ってから、売上から原価などを引いて、利益を子どもたちに渡しました。子どもにとってはなかなかの大金がわたりました。

ちーくんはその後、利益の一部からサッカーボールを買いましたよ。

メンターとして在る

わたしが今回気を付けたのは「先生じゃなくて、お母さんじゃなくて、メンターになること」でした。

というのは、最近ちーくんが口にした「理想の学校」論。
ちーくんは探究学舎の授業や、野外活動に参加しているので、「先生」という(構造上しかたないけど)上から指示を出すタイプの教育者はあまり好きでは無く、「メンター」という伴走してくれるタイプが好き。
「子どもをさあ、上から命令してつぶすんじゃなくて、下から押し上げてほしいよ!」とちーくんは言います。

この言葉を聞いて、わたしはチクリと胸が痛みます。
「わたしは『先生的』になっていないだろうか?いや‥‥」と。

あるいは、「大人はサポーターとしてとなりで走ってほしいよ!」ともちーくんは言います。

なるほど、子どもが理想とするのは、マラソンの伴走者みたいなイメージなのね…。

これを聞いてから、「まったりやさんでは、伴走者・メンターになろう」とわたしは思ったのでした。わたしの中のゆるルールとしては

・基本的には子どもの決めたことをやる
・準備は子どもが中心でやる
・お金の管理も自分たちでやる
・お客さんへの呼びかけなども子どもがやる
・難しい部分は大人が手伝い、子どもができるように促す
・ただし子どもに期待しすぎない

というイメージです。

実際は、「子どもは仕込みにすぐ飽きる」「小麦粉など分量の計算がままならない」「カフェをやったことがないので準備の想像がつかない」といった問題が起こりました。
わたしの中ではだいたい想定内だったので、上から指示しすぎることなく、落ち着いて準備ができました。たまに焦りましたが…。

仕込みに飽きて近くの川で遊ぶ子どもたち


難しい部分は、その都度手助けをしました。
特に備品の準備は、想定外のことが起こると考えてわたしがかなり細かく準備をしてしまいました。(台ふきをいっぱい、とか)実際には必要なかったものもありましたが、私自身の精神的安全のために、余裕を持って備品を持っていって良かったなと思います。

開店10分前にまったりしちゃってるのだ

しかしながら‥‥一人の大人が、3人の子どものお店づくりのメンターをやるのは、時間がない中ではかなり大変。
(準備や当日は、次男は夫がみてくれましたし、お店のときは母がまーくんのサポートをしてくれました。)

よい景色のなか、まったり

子どもたちは、「3時間店をやるのって大変だね」「めっちゃ疲れた」「お客さんたちはまったりしてたけど、自分たちは忙しいんだね」などと話してくれました。「そうそう、お客さんも言っていたよ。自分たちはまったりできたけど、お店っててんやわんやだね~と。」

まーくんが「みんなにまったりしてほしい」と企画したまったりやさん、無事に終了しました。

2年生のときのカフェイベントゆっくりやさんがきっかけで、人に飲食を提供する喜びを見出したというまーくん。いまは、料理人になりたいと夢を語ります。これからどういう進路を選択するかはわからないけれど、みんなに喜んでもらえた経験は、一生の宝物になるのではないかな?と思います。

お疲れ様でした。
ご協力いただいた庭文庫さんはじめ、ご来店いただいた方、応援してくださった方、ありがとうございました。






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