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【コーヒー豆知識💡】知っておきたい!コーヒーの品種について解説します! Vol.2

こんにちは。いつもNoteをご覧いただきありがとうございます。
品質管理部の佐藤です。
今回は前回の品種編で書ききれなかった品種についてについて解説していきたいと思います。前回の記事はこちらになりますぜひあわせてご覧ください↓↓↓

それでは引き続きウッドベリーコーヒーで扱うことの多い品種を紹介していきます!

病害虫に強いハイブリッド種

今現在では多くの品種があるハイブリッド種ですが、その起源はティモール島にあります。ティモール島で病気に強いカネフォラ種と高品質のアラビカ種が自然交配した品種がポルトガルの研究機関に持ち込まれてティモールハイブリッドと名付けられたのがハイブリット品種の始まりです。

そこから、矮小品種のカトゥーラと交配させることで、より生産量の取れる品種に改良されました。その後、多くの生産国に広まり選抜品種等も出てくる中で、(長らく品質に難ありの評価であった)ハイブリッド種の中からも品質の良いものがたくさん生まれてくるようになりました。
近年ではCup Of Excellenceという品評会でも入賞するハイブリット種も出てきて、他のアラビカ種と比較しても遜色ないレベルにまで品質が向上したのが伺えます。

ハイブリット種は枝の節の間隔が狭く、チェリーがなる個数が多い点も特徴です。

ハイブリッド種のひとつであるカティモール種

SL品種

SL系の品種は主にケニアで見ることができます。
歴史は1930年ごろまで遡り、Scott Agricultural Laboratoriesという農業研究所にて、42のコーヒー品種が収量や品質、干ばつ、病害虫の耐性について研究されていました。この研究からモドゥリ地区で栽培されていたとある品種に、病気や害虫、干ばつに耐性が見出され、研究を重ねたところ乾燥への耐性が確認されました。その子孫がSL28と呼ばれています(SLはScott Agricultural Laboratoriesの頭文字から)。最近の遺伝子検査によりSL28はブルボン遺伝子グループに属していることがわかりました。

出典:World coffee research Arabica Coffee Varieties

SL34もSL28と同じように、研究されていた品種の一つです。
ケニアのカベテというところにあるLoresho 農園で育っていたコーヒーで、木には「フランスの使命」というラベルが付けられていたそうです。このことから、SL34はフレンチミッションと呼ばれるブルボンの選抜品種から選抜されたものと言えます。フレンチミッションとは、フランス人の宣教師が1893 年にケニアに伝導所を設立した際、レユニオン島に由来するブルボン種のコーヒーを植えました。この苗木が1899 年にナイロビの近くに運ばれ、そこからコーヒーを栽培したいと考えている人に種子が配布されました。これがフレンチミッションコーヒーの原点です。

フランスの宣教師を介してレユニオンから直接コーヒーの種が運ばれてきた歴史的な経緯から、フレンチミッションはブルボン種の別名であると広く理解されていますが、最近の遺伝子検査によりSL34はTypica 系の遺伝子グループに即していることが示されているようです。
どういうことなのでしょうか…?事実は謎に包まれています。

出典:World coffee research Arabica Coffee Varieties

ケニアのSL品種は、1930年ごろの品種選抜当時に植えられたコーヒーノキが多く、今では樹齢が60~80年になるものも多く育てられているようです。
エルサルバドルで樹齢の古いコーヒーノキはピーベリーを多く作る。という話を聞いた時、ケニアのピーベリーの多さは樹齢からくるものなのかな、と妙に納得しました。

Sidra品種

シドラ種はティピカ種とブルボン種の交配種とされていて、近年ではバリスタの世界大会でも度々見かける品種で注目度が上がってきている品種だと思います。
しかし、近年では遺伝子検査にてエチオピア原生種に分類されたり、ティピカ-ブルボン系統に分類されたりして、よくわからない状態になっています。

今まで私が飲んできたシドラを思い返してみると、コロンビアのラ パルマ エル トゥカン(La Palma Y El Tucan)という農園で栽培されているシドラ種はすっきりとしたリンゴのような酸味を持ちつつ、とても滑らかな舌触りがあり、フレーバーとしてはゲイシャ種に近い、エチオピア原生種チックなテイストを感じていました。

しかし、エクアドルのCup of Excellenceで並ぶようなシドラ種はミネストローネのような厚みのある印象を持っていて、ケニアのSL系品種に似たようなテイストを持っています。エクアドルのCup of Execcelenceで並んでいるティピカ メホラード種の方がゲイシャやエチオピア原生種のフレーバーに近い気がするほどです。

どちらもシドラ種と名乗っていますが、2つの品種をシドラ種と呼んでいるのではないかと遺伝子検査から(味わいからも)思います。
遺伝子検査のやり方で結果が変わるそうなので、一つの品種で2つの結果が出るパターンも考えられますが……

Pink Bourbon品種

ピンクブルボン種はレッドブルボンとイエローブルボンの交配種と見られています。
総じてクリーンカップが高く、ブライトな酸味を持っていたり、生豆の形も縦に細長く、ゲイシャ種のような見た目をしているので、レッドブルボンとイエローブルボンの交配種と信じられないです笑

しかも、病害虫に強く、収量も多いのだとか。
いいことづくめの品種ですが、まだコロンビアで栽培されたものしか飲んだことがなく、他の国でも栽培されないかと楽しみにしている品種です。

チェリーがピンクに色付くピンクブルボン種

まとめ

今回は前回話せなかったウッドベリーコーヒーで扱いの多い品種について解説してきました。こう見ると魅力的な品種が多くありますね。紹介できていない魅力的な品種はまだまだありますが。
引き続き品種編を楽しみにしていてください!


さいごに

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