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評価すべき人を評価する組織に

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

評価すべき人を評価しないと、組織は崩壊していきます。

組織に形成するのは個人であり、個人には感情がありす。

「なんであの人が評価されるんだ?」「なんであの人がリーダーをやってるんだ?」という声が充満していくと、リーダーがリーダーシップを発揮しても、メンバーがフォロワーシップを発揮できない組織になってしまいます。

リーダーが強烈なリーダーシップを発揮できたとしても、メンバーがついてこなかったら意味がありません。

リーダーたる者は、常にメンバーから「ああなりたい」と思われたり、「頼り甲斐があるな」「信頼も尊敬もできるな」という存在でないといけません。

評価する人を間違ってしまうと、その過ちを取り返すのにかなりの時間を要します。

リーダーになってはいけない人がリーダーになり、チームを引っ張り、メンバーをマネジメントし始めるわけですが、そのチームに所属するメンバーの心にはモヤモヤが蓄積されていきます。

そうすると、そのリーダーに対する不満だけでなく、そのリーダーをリーダーにした会社に対する不満も出てきたりします。

役職が上の立場の人というのは、より大きな権限と責任を持ちますから、意思決定においては重要な役割を担います。

そういう人が周囲から信頼も尊敬もされていない組織というのは、ちょっとまずいですよね。

でも、そういう組織ってすごく多い気がします。←自戒の念を込めて。

だからこそ、経営権を持つ立場の人が、「こういう組織にする」「そのためにこういう人を評価する」という方向性を明確にして、その方向性に沿った人を評価する組織を実現しなければなりません。

それは、ただの管理職ではなかなか実行が難しく、経営権を持っているからこそ大きく舵を取れることだと思います。

この舵取りにより、辞める人も出てくるでしょう。

ただ、一度間違った方向に進んだ組織を変えるには、大きな舵取りが必要であり、その舵取りにより辞める人が出たとしても、それは伴うべき痛みだと思います。

僕の経験上、誤った人事評価によりリーダーにすべきでない人をリーダーにしてしまったら、それをリセットして正しい方向に動き出すのには、少なくとも3年は要します。

だから、組織づくりにおける評価制度というのはとても大切で、「うちの組織はどんな人を評価するのか?」という議論を重ねていくことの価値は非常に大きいです。

以下に、トヨタの春交渉の逐語録を記します。

この部分だけでなく、このページに記された全ての内容が学びある内容になっています。

組織づくりの勘所がまとまっていると思ったので、ぜひ読んでみてください。

こういう議論ができる組織こそ、経営から一枚岩の姿勢を示せるんだろうなと思いました。

皆さん、ボスとリーダーの違いをご存知でしょうか。イギリスの高級百貨店チェーンの創業者の方の言葉です。その内のいくつかをご紹介したいと思います。
ボスは私と言う。リーダーはわれわれと言う。
ボスは失敗の責任をおわせる。リーダーは黙って失敗を処理する。
ボスはやり方を胸に秘める。リーダーはやり方を教える。
ボスは仕事を苦役に変える。リーダーは仕事をゲームに変える。
ボスはやれと言う。リーダーはやろうと言う。
今回、「ボスとリーダーの話」をしたのには理由があります。先日、トヨタ工業学園の卒業式がありました。今年も明るく、礼儀正しい、鍛え抜かれた若者の姿がありました。本当にトヨタの心構えを体現したような新しいリーダーたちを仲間に迎えることを大変頼もしく思いました。一方、彼ら彼女らを迎える会社側はどうなっているのだろうか。そんなことを考えました。
基幹職以上の皆さんのほとんどは、リーダーとして、苦労しながらも、しっかりとやってくれていると思っております。しかしながら、当たり前のことを当たり前にできない基幹職以上の人たちがいるのも現実です。本日、皆さんから、多くの仲間が辞めていること、辞めたあと生き生きとしているという話を聞き、私は経営トップとして大反省しなければいけないと思いました。
前回の労使協議でも、寺師副社長が「挨拶さえ、きちんとできていないのが今の事技系職場の現状だ」言われていました。こういった基本的な部分が変わらなければ、何も始まらないと思います。基幹職以上の皆さんに対して、私が言いたいことは、「当たり前のことを当たり前にやれる職場をつくってほしい」ということです。
朝はきちんと挨拶をする。
何かをしてもらった時には「ありがとう」と言える。
自分が開催した会議には、自分が一番先に行く。
いつも自分の会社や部署に呼びつけるのではなく、相手の会社や部署に行ってみる。
あるべき姿を追いかける前に、今、自分たちがライバルに負けている現実があるならば、素直に負けを認める。
設計図をかく。
発信するメッセージをつくる。
そういうことを全て、外部の会社にお任せしてないか。
自分たちは手配とスケジュール管理だけの手配師になっていないかを振り返ってみる。
部下や後輩に、「自分を超えてみろ」と言える技能が自分自身にあるかどうかを考えてみる。
まずは、こうした基本的なことから始めるのだと思います。
これまで、私は、組織改正や人事制度変更のたびに、階層を少なくしてまいりました。これは、階層を少なくすることにより、各ポストの役割や重要性を大きくし、各機能の目線ではなく、より経営に近い目線で会社を動かしていける人を登用するということが狙いでした。それ以上に、会社の中に根付いてしまっている「もっと偉くなりたい」という意識を、「もっと成長したい」という意識に変えていきたいというのが私の思うところでありました。
しかし、当たり前のことができない、組合員の見本にならない基幹職の人たちがいる。また、そんな人たちが評価をされ、上位に上がってしまった。これは、私自身の責任だと思っております。私自身がこの事実にしっかりと向き合い、見本となるべきリーダーを発掘、育てていく、それに向かって努力をしている人をしっかりと評価していく会社にしてまいります。
ですので、多くの心あるリーダーたちが、率先して、新しく迎える仲間たちの見本となるような言動を堂々と、自信をもってやってください。それがトヨタから機能のボスをなくしていくことにつながると思っておりますので、ぜひとも協力いただきたいと思います。

引用:ボスになるなリーダーになれ
トヨタ春交渉2020 第2回

自分が所属する組織のリーダーは、リーダーになってますか?

上記で言うボスになってませんか?

その組織にあなたがいる理由はなんですか?

「ここで働き続けなければ」という義務感に襲われていませんか?

理由が明確にないのに働き続けるのは、自分の人生の貴重な時間を無駄にしているかもしれません。

慕うべきリーダーがいる組織はきっと見つかります。

頑張っても頑張らなくても評価も何も変わらない組織にいる必要はありません。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。


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