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メガネ朝帰り【毎週ショートショートnote】

「……ハイボール、もう1杯」
「今日はペースが速いんですね」

バーのカウンター席。
オーバル型メガネのマスターの穏やかな声。
この店の落ち着いた雰囲気を好んで、最近は週に何度か立ち寄っている。

「今日は少し飲みたくてね」
自分で良ければ聴きますよと目だけで問いかけながら、マスターは完璧な濃さのハイボールを俺の前に置く。
「予想をしていたことが実際に起きて、少し寂しくなっただけだよ」
毎朝、コンタクトをして出かけるようになった彼女の顔が思い浮かぶ。
こうなることは、わかっていたのに。

小学生の頃、メガネに恋した彼女はわざと視力を悪くして、メガネを手に入れた。
女の子はマスターのようなオーバル型を選ぶかと思ったが、彼女が選んだのはキリッとしたスクエアの俺だった。

「高校生はお年頃ですからね。でも、またメガネに戻ってきますよ」
マスターがなぐさめてくれる。
「いや、流行のラウンド型が気になるらしいんだ」
「……閉店して、朝までおつき合いします」

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「メガネ朝帰り」です。

1ヵ月前のテーマが「メガネ初恋」で、そのときに書いたものと関係しています。
後日談というか……スピンオフというか?
良かったらそちらも読んでみていただけると、羽根宮が喜びます。

ちなみに羽根宮は高校生になってコンタクトをするようになりました。
その後もほとんど、外出時はコンタクト、家ではメガネという生活になっています。
最近は目が疲れることが多いので、近場に買い物に行くとか、すぐに帰宅する場合はメガネで出かけたりしますが。

小学生の頃に買ったメガネはスクエアタイプではありませんでした。
メタルフレームの黒の、ボストンでした。
その後、オーバル型のハーフリム、赤いメタルのスクエア、紺のメタルフレームでリムのデザインに遊びのあるものというのが、羽根宮の歴代のメガネです。
度が変わる度に買い換えた結果です。

「メガネ初恋」で書いた、最近購入した近くを見る作業用のメガネは、丸めでリムが曲線のものを買いました。

こんな感じのリムです。
フレームはもっと丸いですが。
(ブランドは同じですが、同じ形のものが見つかりませんでした)

物作りをするときの姿勢で焦点距離を合わせているので、パソコンをするには少し遠いです。
なので、この文章はスクエア型のメガネで打っています。
コロナの影響もありますが、生活スタイルが変わったので、今はほとんどメガネなのです。
オーバル型のマスターが言ったように。

メガネ男子、メガネ女子が好きなので、メガネを語り出すと長くなりますね。
危険。
「メガネ初恋」で書いたことを繰り返し書くところでした。
危険。
ハイボールは好きです。

読んで下さって、ありがとうございました。
羽根宮でした。

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