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秘密警察を宣伝してみる【毎週ショートショートnote】

ある賑やかな酒場のカウンター席。
若い男が興奮した様子で店主に話しかけている。
「また今回も秘密警察が活躍したらしいっすね!盗賊団のアジトを突きとめたって!かっこいいな~」
酔いが回っているのかテンションも高い。
「お前は本当にその話題が好きだな」
聞き慣れた言葉に店主も呆れ混じりに応じる。

この国には「秘密警察」と呼ばれる組織があると言われている。
秘密裏に事件の解決に動く集団らしい。
その組織を見た者はいないのだが、事件が解決されるたびに彼らが関与していたと話題になる。

「今までも、どこぞの領主の汚職、貴族の暗殺計画から舞台俳優のスキャンダルまで、あらゆる秘密を暴いてるのにその正体は不明!すごいっすよね!マジ、憧れる。メンバー募集してないっすかね」
「存在自体も都市伝説だろ。どっちにしろお前みたいなお喋りは無理だな」
秘密警察に憧れる若い男がその功績を喧伝する。いつもの光景。
男と店主が秘密警察の幹部であることを知る者はいない。

(410文字)



こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「秘密警察を宣伝してみる」です。

裏お題は「響く礼節をペンペンしてみる」だったかな?

秘密警察は何が秘密なのか。
何をする人たちなのか。
どういう人たちで組織されているのか。
そもそも秘密の組織を宣伝して良いのか。
なんで宣伝するのか。

そんなことを考えました。
きっと優秀で秘密裏に全ておこなってしまうから、宣伝しないと存在が知られないんですね。はい。
羽根宮は秘密の組織って好きです。
なんか、良いですよね。浪漫がある。
隠密みたいな、王家の影みたいな存在、好きです。
表に出て目立つタイプより、裏方というか裏で操るタイプが好きです。
主人公タイプより参謀タイプが好き。


今までに【毎週ショートショートnote】に参加したものはこちらにまとめてあります。

よろしければご覧下さいませ。

読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。

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