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席を譲ること

こんにちは。あすぺるがーるです。


私が、あなたが、今日揺られて帰ってきた電車の中には、色んな人がいる可能性があります。


「この電車には、優先席がございます。お年寄りやお身体の不自由な方を見かけたら、席をお譲りください」


毎度お馴染みのこのアナウンス、半分合ってて、半分間違ってて、半分足りないと私は思うのです…


ということで、今回は座る席を求める人に席を譲ることについてお話しようと思います。


「老人に譲る」はもう時代遅れ

先ほど私がガタゴト揺られて帰ってきた電車の優先席マークには、こんな表示がありました。

しかし、私はこれに異を唱えたいと思います。

もちろん、明らかに腰が直角だったり、シルバーカーや杖に縋るように歩いてたり、そうでなくても明らかに歩き方がおぼつかないご老人の方は別です。

でも、他の人とそう変わりないスピードで歩き、電車が揺れてもフラフラしていないご老人の方、たくさんいますよね?


それに考えてもみてください。

素性も年齢も知らない、ただ電車で会っただけの人を、どうやって老人だと判断するのでしょう?


白髪が生えているかどうか?

いや、20~30代の人でも白髪生えてる人はいます。

ファッションじゃなくて、そういう体質で…

何だったら、高校の同期でも白髪混じりの人いましたよ。受験勉強のストレスなのかな。


顔を見て?

まぁ髪よりはアテになるかもしれないけど、過信は禁物です。

見た目と実年齢は、思ったより一致しません。

私の知り合いには、それなりに仲のいい人からも「大学生だと思ってた!」とよく言われる人がいます。本当は30近いのに。

また、すでに成人してるのに遊園地のアトラクションで「おいくつですか?」と訊かれたことがある人もいます。


逆だって、あっておかしくないはずです。


だから、老人だからって席を譲るな、とまでは言わないにしても、老人だからって席を譲らなくてもいいのではないでしょうか?

今日から「老人だから席を譲れ!」とふんぞり返る老人の皆さまは、無視してOKです(笑)


目に見えない病気の人もいる

杖やギプスなど外見で分かる手がかりのない、目に見えない病気で苦しんでいる人もたくさんいます。

そのような病気の人がつけているのが、この「ヘルプマーク」です。

私の周りだと、精神疾患や発達障害でパニック発作を持つ人がつけていることが多いです。


精神疾患は、ただ精神を病むだけの病気ではありません。

「精神」の発する脳についてしまった傷は、しばし身体まで蝕んでしまうことがあります。

発達障害も同じです。

精神疾患と違って先天性とはいえ、他の精神疾患と共通する症状もあり、精神疾患と併発している人も多いです。


精神疾患や発達障害の人にとって、電車の中は本当にストレスフルな環境です。

電車の音、電車の揺れ、絶えず鳴り響く足音、鼻につく汗の匂い、甘ったるい香水の匂い、人体の発する湿り気、暑すぎる暖房、寒すぎるクーラー、人、人、人…


感覚過敏のため、これらの刺激にパニック発作を起こして頭が真っ白になってしまったり、意識を無くしてしまったりすることがあるのです。


また、パニック発作とは別に、怠さ・息切れ・動悸・頭痛・腹痛などの症状を抱えている人もいます。


そのため、いざというときに助けてもらえるようにヘルプマークを携帯しています。

ヘルプマークの裏には、出先で症状を起こしたときに必要な配慮や緊急連絡先が書かれています。

もしヘルプマークをつけている人が倒れていたら、躊躇無くヘルプマークを裏返して、書いてあることを確認して必要な対応を取ってください。


と言っても、そんなシチュエーションはそうそうない(少なくとも私は見たことがない)ので、普段ヘルプマークをつけている人を見かけたら席を譲っていただけると大変嬉しく思います。


必要な人が座れるために

わざわざ「譲られるための席」として用意されてる優先席ですが、肝心の譲ってほしい人にとっては少し不便なこともあります。


優先席は、だいたい車両の端っこにしかありません。

そのため、もし席を必要とする人が混雑に歩みを阻まれて車両の端っこにたどり着けなかったら、その人は優先席に座れないことになります。


それって、ものすごく不条理じゃないですか?


優先席で楽になるために、電車に乗るまで、乗ってからも優先席に座るまで、苦しい思いをして優先席を求めて歩き続けなくてはいけないなんて…


生憎元記事は見つかりませんでしたが、そんなことをブログで嘆いてた人が実際にいました。


だから、もし席を必要としている人を見つけたら、老若男女関係なく、優先席でもそうでなくても譲っていただきたいのです。

そのとき、あなたが立つのもままならないほどに疲れていなかったら、でいいのです。

代わりに、疲れていてどうしても座りたいとき、空いているのが優先席しかなかったら、あなたも優先席に座っていい。

そうしませんか?


最後に一つ。

席に座ったとき、スマホから目を離して、一瞬だけでも辺りを見回すようにしてください。

そこでもし席が譲れたら、あなたは一生分の感謝を手に入れられるかもしれません。


「杖を持っている方、妊婦の方、ヘルプマークの方、その他席を必要としている方を見かけたら、席をお譲りください。ご協力ありがとうございます」


おわり

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