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大学に行く意味ってある?ない?お金の観点から考えてみた。

おはようございます、ひらっちです。9月もいよいよ後半が見えてきましたね。朝晩はだいぶ涼しくなってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

僕は相変わらずバタバタ……。周りの農家さんのために取引先と単価アップの交渉に出かけたり、大量の取材&原稿に忙殺されたり…。「忙しいのもほどほどにしないと!」とは分かっているんですが、仕事が好きなので辞められない。健康も大事なんだけどなぁ~。もう少しペースを落とすのが目下の目標でしょうか?(^^♪

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。最近なこんな記事を書いています。農業に興味をお持ちの方はぜひご覧下さい(^^♪

■あなたは大学に行く意味ってあると思いますか?

あらためまして、ひらっちです。今日は「教育」「大学」あたりをテーマに書いてみたいと思います。

先日、YouTubeでABEMAPrimeのこんな番組を見ました。

テーマは「少子化にも関わらず大学が増えているってどうよ?」だったんですけど、大学増加の是非を考える前提として「そもそも大学進学ってそんなに意味ある?」という議論が展開されていました。

結構いろんなところで挙がる話題だと思いますが、皆さんは、大学にいく意味ってあると思いますか?

この手の議論って「大学の価値は学業だけじゃない。友人ができたり、貴重な経験ができたりするから、それなりに意味があるよね?」といった着地点で終わることが多いけど、本当に多額の補助金(=税金)を投入してまで、大学進学を後押しする意味ってあるんでしょうか?

というわけで、お金の亡者を自負する「守銭奴ジャパン」代表・ひらっちの出番です(笑) 大学進学にどれくらいの価値があるのか、お金の観点から色々と掘り下げて考えてみることにしました。

■大卒・高卒の生涯賃金比較から考えてみる

よく使われるのが「大卒の人の方が生涯賃金が高い」というデータをもとに「ほら、やっぱり大学のメリットあるじゃん!」と大学の価値を評価する論法です。

冒頭で紹介したアベマの番組内では、大卒・高卒の生涯収入をこのように紹介していました。

出典:【大学】当たり前になりすぎ?進学率が55%に?奨学金背負うよりも稼ぐべき?定員割れ私立大学は潰した方がいい?|アベプラ

これを見て「あれ?」と思ったあなたは、そこそこ年齢が高い方かもしれません。

「大卒の生涯賃金ってこんなに低かったっけ?」と思いませんでしたか。僕らが若い時は、大学を卒業して正社員として働けば「3億円稼げる」なんて言われていたのに…。

調べてみると、やはり生涯賃金は徐々に低下しているようです。ちょっと古いですが、下記の記事から一部引用させていただくと…。

「会社員は一生のうちに3億円は稼ぐ」という“噂”が正しかったのは、2000年頃までのこと。前述した同一企業型の大学卒男性を例に見ると、生涯賃金の平均は1993年の3.24億円をピークに、2017年ではなんと3~4千万円も減少しているのだ。

残念……。これが事実だとするならば、正社員として一生働くメリットは、過去に比べて徐々に薄れてきているといえるかもしれませんね。最近、大卒のトップ層が大手企業ではなくベンチャーを目指す傾向にあるようですが、そのあたりにも、この辺の給与事情が密接に絡んでいそうです。

さて、生涯賃金が低下していることは分かりました。ただ、それを持ってして「大学進学投資」の効率を論じるのはナンセンスですね。だって、全体が下がっているだけかもしれませんから。

というわけで本題に戻りますが、そもそも大学投資は効率がいいのか。これについては、少し古い資料ですが、内閣府の情報に答えが載っていました。下記のサイトから引用してみますね。

大学進学及び大学教育にかかる費用は年々増加傾向にあることや大学に進学することが一般的になってきたこともあって、大学教育の投資収益率は低下傾向にあると言われている。同国民生活白書によれば、大学教育にかけた費用(大学に進学したことにより得ることができなかった4年間の所得も含む)が就職後、高卒者との賃金差として戻ってくると考えた場合の大学教育の投資収益率は近年低下傾向にあり、1960年生まれ、65年生まれ、70年生まれ、75年生まれの人の大学教育の投資収益率をみると、6.0%、6.1%、6.0%、5.7%と低下傾向にあるとされている

上記の報告によれば、投資効率は低下してきているとのこと。さらにネットを調べてみると、野村資本市場研究所の宮本佐知子さんがこの分野の研究をされていたので、そこからも紹介したいと思います。

直近2018年と同様のやり方で、バブル期の1990年についても分析を行った。1990年時点の大学教育投資の収益率は、男性は7%、女性は9%との結果が得られた(前章の通り2018年は、男性は6%、女性は8%だった)。2018年と1990年を比較すると、大学教育投資の収益率は、2018年の方がやや低くなっているが、両方とも高水準という点では大きく変わっていない。

結論は「ほぼ同じ」となっていますが、収益率が若干落ちる傾向にあるとは言えそうですね。

今後も大学が増え、大学進学者が増加していった先にどんな答えが待っているのか。

「大学進学=優秀層」という図式が崩れた先に「大卒と高卒の生涯収入がほぼ一緒」という結果が出たとしたら、その時こそ本当に「大学が無価値」という結論に達することになります。まあ、「大学産業」で生きている人たちは、全力で阻止に走りそうですけど(苦笑)

ちなみに今回ご紹介した野村さん、「産業別に見た大学教育の投資収益率」を調べていらっしゃって、その結果もなかなか面白いです。

やっぱり投資効率が悪いのは「サービス業」。逆に「金融業・保険業」などは10.2%という高い水準なので、この分野に進みたい人は何としても大学進学したいところです。

そのほかにも、大学のレベルに応じた大学教育の投資収益率を調べている方もいるようです。結論としては、当たり前ですが「レベルの高い大学に行く方が投資効率は高そう」。そりゃそうですよね、そうでなければ頑張るインセンティブがないわけですから(笑)

気になる方は「大学教育の投資収益率」でググって色々と調べてみてください!(^^♪

■まとめ

結論としては、なんとなく想像していた通りですが、「大学に進学するメリットはそれなりにあるけれど、過去の大学進学に比べると少しずつ投資効率が下がってきているかもね」といった感じでしょうか。

それでも高い水準にあるとは言えそうです。男性6%、女性8%。これをどうとらえるのかは個人の判断ですが、いわゆるFラン大学では「投資効率の観点からもそこまで大きなメリットはないんじゃない?」とは言えそうです。この手の大学にも税金が大量投入されていることを考えると、個人の投資行動としてはともかく、国として大学全入を後押しする投資妙味は相当低いと言えるかもしれません。

ちなみに僕は、過去にこんな記事を書いています。

どこまでのお金を「教育投資」の範疇に含めるかに寄りますけど、高校・大学進学にかけるお金と時間を、投資と労働に全振りすれば、それなりのリターンを得られます。

今回紹介した研究結果は「4年間の労働で得られたはずの対価」は考慮に入れているようですけど、「労働で得た対価を全て投資に回した時のリターン」までは着目していないようです。

そう考えると、経済合理性という観点だけでいえば、お金の面だけに着目すれば「中卒でずっとバイト代を投資に回した人」の方に軍配が上がる可能性もそれなりに高い気がします。

というわけで、今回のテーマに対する僕の結論は、そこそこの金融知識を持っている人であれば、大学に進学するかどうかは「ほぼ個人の好み」。行きたいのであれば「人生の娯楽」としていけばいい。経済合理性だけを考えれば、どちらを選んでもあんまり差はなさそうです。

人生には、万人に当てはまる正解なんてありません。だからこそ「生涯稼げるから」ではなく「本当に行きたいかどうか」を自分に問うことが一番大切です。大学進学を有意義なものにするか、無駄にするかは、本人次第なわけですから(^^♪

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