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「ください」「下さい」はどっちを使う? 漢字をひらく理由、ひらいた方がいい漢字を解説!:書籍学習

「ください」「下さい」はよく使われる言葉ですが、普段はどっちを使っていますか? Webライターの方であれば、なんとなく「ください」が正しいように思えるのではないでしょうか。

というのも、Webライターの仕事をしていると、マニュアルで特定の漢字をひらく(ひらがなで表記する)ように指示されることがあるからです。

なぜ、ひらがなにするのか、疑問に思ったことはないでしょうか。意味が変わらないのであれば、どっちでもよいのでは?と思う方もいるかもしれません。

漢字をひらがなで表記するというルールには重要な意味があります

今回は「正確でわかりやすい文章を書く手引」という本を根拠に、「ください」「下さい」の違いや使い分け、漢字をひらく理由を学んでみましょう! 関連して一般的にひらがなにした方がよい漢字にも触れてみます。

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「ください」「下さい」はどっちが正解? 使い分けも必要??

今回学習する「正確でわかりやすい文章を書く手引」は、読売新聞社が校閲部編として出版した書籍です。

誰もが知る信憑性が高い大手新聞社の本なので、「ください」と「下さい」はどっちを使うべきか、正確に判断できるのではないかと思います。

早速、同書から「ください」と「下さい」はどっちが正解なのかを示す根拠を引用してみます。

PTA新聞や自治会の広報には一つの傾向が見られます。
清潔に保つ様
支障が起きた為
励行する事を
などなど、文章の中で補助的な役割しか持たない部分に漢字を使う傾向です。漢字で書けるものはすべて漢字で書く方がかっこいいと考えるのでしょうが、これは間違いです。

引用:正確でわかりやすい文章を書く手引 p16(読売新聞社)

前提として漢字で書けるものはすべて漢字で書くという方針は誤りだと断じています。補助的な役割しか持たない部分には漢字を使う必要がないことが読み取れます。

①清潔に保つ様御協力下さい。
②清潔に保つようご協力ください。
二つの文を比べてみると、平がなの多い②の方が読みやすい。「清潔」「保つ」「協力」と、文のポイントになる漢字が浮き出して視覚的につかみやすく、漢字かなまじり文の長所を生かしていると言えるでしょう。

引用:正確でわかりやすい文章を書く手引 p16(読売新聞社)

補助的な役割を持つ部分をひらがなにすると、文のポイントとなる漢字が浮き出して視覚的に見やすいとのことです。確かにその通りですよね。漢字を開く理由は単純に文が見やすくなるからなのですね。

②の「ください」は直前の語に補助的な意味を添えるように使われています。最終的に②の方が読みやすいという判断がなされており、補助的な役割を持つ「ください」については、ひらがなを使用した方がよいとわかります。「ご注意ください」「ご検討ください」などは、ひらがなを使いましょう。

なお、「くれ」の尊敬・丁寧語として、物・物事を求めるような意味で使うときは、「~を下さい」のように漢字を使用します。「飲み物を下さい」「連絡を下さい」「時間を下さい」などのように漢字を使いましょう。使い分けの基準まで覚えておくとより自信を持って文章を書けるはずです。

ひらがなにした方がいい漢字10選

漢字で書ける場合であっても、ひらがなにした方がよい場合があるとわかりました。

「ください」以外にも、ひらがなにした方がいい漢字について知りたくなった方もいるでしょう。

参考に、Webライターをしているときのマニュアルでよく見かけるひらがなにした方がいいとされやすい漢字を10個に絞ってまとめてみます。

あえてひらがなで書く漢字の例は下記の通りです。

・~する様→よう
・~する事→こと
・~する為→ため
・出来る→できる
・殆ど→ほとんど
・従って→したがって
・又は→または
・更に→さらに
・是非→ぜひ
・何故→なぜ

やみくもに漢字を使うと、編集者やWebディレクターの方からWebライター初心者であることを見抜かれる恐れがあります。

「迷ったらひらがなにするようにしてください」というマニュアルも見かけたことがあるので、Webライター初心者の方はひらくか迷った漢字についてひらがなにするとよいでしょう。

まとめ

今回は「ください」「下さい」のどっちを使うべきかを解説しました。

補助的な役割で使う場合はひらがな、「くれ」の尊敬・丁寧語として物・物事を求めるような意味で使う場合は漢字にすることがわかりました。

漢字をひらくことで重要な単語が浮かび上がり、文の意味がわかりやすくなります!

文章を書いたあとは、漢字が混雑している部分をチェックして、必要に応じてひらがなに変えてみましょう。


書籍学習コーナーの記事は上記のマガジンにまとめています。Webライティングに役立つ書き方を学びたい方はぜひお読みください!

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