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NOPE/ノープ

多分、終盤30分間くらい全く体勢変えずに観てたと思う。衝撃作。一つ前の記事にも書いた、マリグナントがどストライクでもうこの先これ以上の気持ちにさせてくれる作品はないんではないかという心配は、呆気なく消え去りました。久々にパンフも購入しちゃった。

チラシを見た時からコレは観たいと楽しみにしていたジョーダン・ピール監督作品。絶対IMAXで観たいと思ってたのに、公開1週間で1番近い劇場のIMAX上映が終わってしまって愕然とした。(ブレットトレインのせいな気がする)でも、通常の上映でもかなり満足出来る仕上がりになっていたと思う。スクリーンがそこそこ大きかったからかな?でも、やっぱりIMAXで観たいから時間見つけて行きたいな。

観終わった時は、ヤバいものを見てしまったと呆気に取られ呆然としてしまった。帰り道、家に着いてから寝るまでの間、起きた瞬間すぐ、この作品のことがずっと頭から離れなかった。正直言うと、単純に楽しめた部分と消化しきれていない部分とがあって、後者について考えていると結論が出なくて頭の中でずーっとぐるぐるぐるぐる…。パンフを読んでなるほどなと分かった部分もあったけど、1番大事なところがまだよく分からずモヤモヤ…そこで待ち侘びていたPodcast、映画の話したすぎるラジオを聴き、やっと初めてこの作品の真髄を捉えることが出来た。やっぱりあの方々の読解力凄すぎる。
『搾取される側、撮られる側の逆襲劇』
ほんとコレだと思った。

こうやって考えを巡らすこと含めて映画って楽しい。よく分からない作品を観て分からないままでいいやってなる作品と、そうでなくちゃんと理解したいと思う作品がある。このNOPEという映画を理解したい、メッセージを受け取りたいと思う気持ちはなんだかエヴァを観た時の庵野さんを知りたい!って気持ちと似てるなぁと感じて。ジョーダン・ピールの事もっと知りたくて仕方ない。調べていると驚く事が分かった。


予告編にも登場するエメラルドのバイクシーンは、大友克洋監督の人気作品『AKIRA』(1988)をオマージュしたものだと認めたピール監督。それだけではなく、庵野秀明監督の代表作「新世紀エヴァンゲリオン」からも刺激を受けたそうで、「『エヴァンゲリオン』は私が選ぶオールタイム・ベスト作品の1本。使徒に見られるハイパー・ミニマリズムは、本作に登場する飛行物体に大きな影響を与えました。ファンとして『NOPE/ノープ』と『エヴァンゲリオン』を結びつけることができて、とても嬉しいです」と説明する。
シネマトゥデイより引用

ジョーダン監督もエヴァが好きで、しかも本作に影響与えてるではないか!あるシーンでエヴァのアレみたいだなとは思っていたけど、まさか本当にそうだったなんて。ちなみに推しはアスカだそうな。やっぱりこの2人には共通の何かが備わっていて、だから私もこんなに惹かれているんだなぁ。
元々コメディアンや俳優をやっていたり、トイストーリー4のバニーの声を担当していたりと本当に多彩な方だ。目が離せないなぁ。

それからもう1人。撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマ。映画歴浅い私でも名前を聞いた事がある撮影監督。観終わってから彼が撮影監督だと知った時、だからかー!これが彼の能力かー!とめちゃくちゃ納得した。見せ付けられた。あの没入感たらなかったからな…絶対に絶対に劇場スクリーンで観ないといけない作品だと思う。あの映像体験は本当にヤバかった。こういう時、語彙力のなさに落胆してしまう…。でも、本当に画面から伝わってくる迫力や臨場感がヤバかった。IMAXだったらどうなっちゃうんだろう。絶対観たい。

キャストも一人一人とてもハマっていたと思う。特にOJ役のダニエル・カルーヤの演技がとても良かった。めっちゃ明るくて活発な妹のエメラルドとは対照的で、言葉数少なくて感情を表に出さない大人しいキャラクター。表情の変化があまりない中での、無表情の演技がとても良くて印象に残っている。

好き嫌い分かれそうな作品だとも思うけど、私の中では確実にオールタイムベストに入る作品。こういう作品に出逢いたい、こういう映画体験がしたいから映画館に通ってるんだなぁと改めて思った。

あ、楽しみにしていたユーフォリアのキャット役、バービー・フェレイラの出番が少なかった事だけは少し不満。笑


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