「こういうことを言うから,◯◯な人間だと思わちゃうんですよね?」 が口癖の大学院生が研究室にいる.その発言自体は,特に誰かに対して,嫌味な感じを与えていることはなさそうである. 例えば,研究室の流しに洗っていないガラス器具が放置された時に,彼女がやったものでもないのに,洗って乾燥機に戻たりする. これに「えらいね」と褒めると. 「ついでだったので,やっただけで,余裕がなければやらないし,やりたくないなと思ってたら,やらないので,ただそれだけです.」 と返された. すると,
舌触りがよく,口溶けのよいチョコレートは,どのようにしてできているのか? 著者は,食品物理学者であるが,本書に数式はなく,科学になじみのない人にもわかりやすく,チョコのおいしさの秘密を解きほぐすように書かれている.文系の人にもチョコレートを通じて,科学の素養を身につけるのに丁度いい内容となっている.もちろん,理系の人にとっても,チョコの味と日頃学ぶ抽象的な事柄が,どのように結びつくのかという意味で別の味わいがある. 「チョコレートは食べる結晶である」 このシンプルな命題