落とし穴《エッセイ》
一日の中で必ず、何処かの時間に落とし穴がある。
私をストンと真っ暗闇に突き落とす、それ。
いつでも私を待ち構えていて、私を孤独の淵に追い込む。
逃げ込む世界は、小説か絵本の中。
それでも駄目な時は頓服に頼って、意識を落とす。
この波が正直とても辛い。
「仕方ない、躁鬱病なんだもん」と開き直る事も出来ない。
多分、今は鬱気味だ。
気分が塞ぎがち。
一人の世界に留まりがちかもしれない。
一歩踏み出せば、景色は変わるのだろう…。
分かっているのに、恐くてそれが出来ない。
毛むくじゃら達の温もりと匂いが、唯一私を現実に留まらせる。
「消えたい」「楽になりたい」
そのワードが消える日はない。
私は自分の存在が、透明人間の様だと思っている。
確実に此処に居るけれど、その存在をハッキリ私自身が証明出来ない。
自信のなさも原因かもしれない。
明日もまた、同じ様に落とし穴に落ちる事は分かっている。
苦しい時間帯は必ずやってくる。
どうやっても回避出来ない。
その深さは日によって違うだけ。
寛解と言う言葉を最近noteでよく見かける。
完治とは違うが、寛解になれたらどれだけ楽だろう。
明日への不安を抱えながら眠りに就く時、私の脳裏を過ぎる二文字を必死に打ち消す。
まだ生きなきゃいけない。
そう言い聞かせながら。
秘密の抜け穴があったら潜りたい。
まるで不思議の国のアリスみたいに…。
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