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WataL
2021年4月10日 21:50
儀式の会場に火を灯す銀色の燭台を手入れしている時、ふと自分の手を見下ろしてそれがいつもとちがうと感じられることにシイは気がついた。あたりは騒がしく、年配のシイたちがところどころにコロニーを作るようにして固まり、時折高い声をあげて笑いあっている。音楽ともつかないような音の破片、それから料理をしているのか、火の付く音、硬いものがぶつかり弾けような音、それはたぶん赤ん坊の頃から、かたわらにある温度のよう