《短歌》秋のしらなみ

両の手を塞いでしまえば愛のこと考えざるを得ない大きさ


のぞきこむその人が二卵性になる夜なら月が浮かぶだけの歌


ゆるくたつ逆さまにゆめのとりがくるしらなみ僕らがゼリーと呼んで


砂の上書いたものからさらわれて残照とあつい信頼を見る


したいだけの燃えているだけの蝋燭もその静寂の白い粘りけ


いくつかの種を真綿に並べ置きひと粒がミルク紅茶に沈む


みずうみの映しを期待とふれ回りその二度ともを澄み渡る青


この広場かいそくれっしゃを止まらせるぶどうが香る星軍の籠り


もういいかい もういいんだよ許されてしまおう嫉妬はガムシロップ分


やがて行くその小麦色のもの達の揺らいだ背中と毛並みのらいおん


雨降りの行かない場所に安息と虫たちの甘い水溜まってゆく


晴れ上がりその牢屋までにひろがった朝のこと呼べば一人取り逃がす


カルダモンやがてクローブとなり合う異性ぬくもる胸ポケットのなか


故郷のオレンジを布で拭く昼の空気は木の皮とともに乾く


この古いかなしみに寄せて海老色の皮めくれてあるスパイスが手に



(後記)

こちらは秋の短歌ですが、ちびちびと作っていました。

今後はちょっとばかり短歌を作るのをお休みして、来年あたりからまた作り始めようかなと思っています。去年は短歌を何も知らずに初めたんですが、何かあの、公園の遊具で「りんご」っていうものがあったと思うけど、短歌に成るためにあの「りんご」に乗ってぐるぐる回っている感じがしていました。多分今もしています。

あと、短歌って欲しいと思っている歌集が手に入れづらいですよね。どなたか手に入れやすい場所を知ってたら教えてください。

ポエム、詩、短歌などを作ります。 最近歴史に興味があります。