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歩く道は、コンクリート。たまに夢の中。


久しぶりの東京、ただいま。

しばらくすればなくなってしまう、いつの日かの居場所を見ておこうと足をのばして、あたたかい春の日、駅から見慣れた道を歩く。
数年前まで住んでいたこの場所が、なくなってしまう事実はとても悲しいなと思いながら、なくならないでほしかったと、ただ思う。

学校へ行く道、帰る道、往復して、
この場所に私がいたことは、もう記憶の中にしかない。
寂しくも、そんなことを思う。

道沿いのお店は数年で変わってしまった。
よく行っていたあのコンビニの店員さん達も、すっかり見知らぬ顔ぶれに。

私が変わったように、みんなどこかで変わっている。


誰も知ってる人はいない。
一緒に過ごした友人と、私の記憶だけが、ここに私がいた事実を知っている。

学生の頃は、
「ねぇ、先生」と心の中で問いかけて、
今はそれが、
「ねぇ、神様」に変わった。

私はどうも問いかけが好きみたい。
誰に問いかけるのか分からないけど、
「ねぇ、この選択で合ってた?」
「ねぇ、この先に光はある?」
そんな問いかけをしてしまう。


自分では不確かなものたち。

不安で、心配で、でもそれはどこへ向けてのものかも分からなくて。
誰も知らない。誰も知る由もない。そんな一人ぼっちの人生は、何を道標に歩けば良いのか。
目の前に広がる世界。周りを行き交う人々。どこの中に、誰の中に、答えはあるのだろうか。

変わらない、同じ道なのに、時たま寂しさに涙する心は、まだ幼いからなのか。

わからない。
先はどこへ続くのか、いつか何か光が見つかって、腑に落ちる時が来るのか。 心がいっぱいに満たされる時は来るのか。
わからない。全然。


みんな、何を道標に歩いているの。
誰を見つめて、何を見つめているの。
いくつの夜を越えれば、光は射すの。



幸せになるために、この道を選んだ。
その意思があって、その想いが強くあったはずなのに、ときたま襲う。
この選択が正解だったのか。
そんな疑問を、悪魔の囁きのように感じてしまうわたしがいる。


笑顔で居続ける仕事は尊い、そして幸せだ。
ただ、ふと無心で笑っている時、その隙間を狙っていたかのように、不安はわたしの頭の中を支配する。
怖くて、寂しくて。
自己肯定の強いわたしも、飲み込まれそうになる。

どうすればいいの。
そう帰り道にひとり、空気に放つ。


神様に問いかけても、答えはたぶん見つからないけれど、そうやって問いを何度も投げかけて、噛み砕いて、少しずつ自分にとって良い方に理解できればいいと思う。
結局、答えを出すのは私自身で、私しかいないのだから。


優しい過去だけが、私の背中を押してくれる。

いつでもここにいるよと、心の中の場所は言う。
寂しいけれど。

いつでも思い出そうとする限り、
愛おしい思い出として記憶に留める限り、
何度だってあの時に帰れるという事実を、どうか覚えていられますように。


今日は、何を言ってるか自分でもわからないね。けど、思ったことを綴ってみたこと、それもまた私の記録として、残しておきます。

#エッセイ #ポエム #日記 #コラム
#過去 #思い出 #居場所

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