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聖杯戦争候補作

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つのが某所に投下した亜種聖杯戦争の候補作。落選多数。 鯖や鱒はご自由にお使い下さい。
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#エピロワ

【聖杯戦争候補作】Cross Road Blues

週末の午後。冬木市新都にある外人墓地の一角。目の前には石畳と、立ち並ぶ墓石。天気は曇りで、人けは少ない。なぜここへ来たのだったか、もう覚えていない。そも、この町に住んでいたという記憶はないのだ。旅行だか、撮影だか――――いや、墓地で撮影をするような仕事は、確か予定にはなかったはず……。ホテルの場所は……。 その少女はベンチに座り、ただただ唖然呆然としていた。何が何だかわからない。完全に自分の理解の範疇を超えている。 『ユーア・ソーベリベリ・アルティミット・ラッキーガール!

【聖杯戦争候補作】Stairway to Heaven

☆○ 夜。とあるホテルの屋上。二人の男女が並んでベンチに座り、語らっている。 男が見下ろすのは、夜景。 女が見上げるのは、満月。 男は、おそらく二十代前半。黒いドレッドヘアーを真ん中分けにし、神経質そうな険しい表情。腕と胸を剥き出し、首と顎を覆う、妙な服に身を包んでいる。顔立ちから、東洋人ではなさそうだ。 女は、男よりやや年上。セミロングのウェービーな髪に、褐色の肌の艶めかしい美女。ヒスパニック系の顔立ちだ。タレ目に泣きぼくろ、少々濃い化粧。豊満な胸に露出度の高い服

【聖杯戦争候補作】海底聖杯アンチョビー

「ううっ、なんでこんなことに……」 夜。冬木市の人けのない海岸で、制服を着た金髪の少年が膝を抱えて黄昏れていた。目の前には、昏い海。彼にとっては、故郷のようなものだ。 「はー、せっかくいろんなゴタゴタに片がついて、よーやく普通の生活が戻ってきたとゆーのに…すぺぺぺぺぺっ、なーにが聖杯戦争じゃっ。オレは暴力はキライなんじゃい、戦争は米軍とかに任せとけいっ」 目の幅の涙を流しながら、少年は無責任に愚痴をこぼしまくる。整った顔立ち、と言えなくもないが、美形というほど美形でもな

つのの制作物についてのガイドライン(仮)

ドーモ、三宅つのです。第一回逆噴射小説大賞が終わってから1週間近く、早速候補作の続編を書いておられるパルパー(パルプする人の意か)も結構おられ、つのもやや焦りを感じます。構想はありますしぼちぼちやってますが、なにしろ21作品も考えなしに投下したため、それぞれを完結させるとなると来年ぐらいまでかかりそうな気がします。自分で偉そうなことを言っておいてやらないというのもつのの尊厳に関わるので、どれかはやります。期待せずにお待ち下さい。逆プラ作品の新規まとめは、つのはもう充分書きまし

旧き文明の地であるロワ海と聖杯海の諸相について

おれだ。ゾンビじゃない。なんか死んだがロックの力で復活した。もはやおれはジーザスも同然だ。 さて……ようやく銃撃戦も終わり、時間に余裕が出来た。そろそろおれの古巣のひとつである「ロワ海」と「聖杯海」について語るときが来たようだ。 これを読んでるやつの多くはとっくに知っているだろうが、知らないやつもいるだろうし、おれの状況整理のための備忘録でもある。だらだらやる。 おまえは『バトル・ロワイアル』を知っているか? 20世紀末に出現したヤバイ級パルプ小説で、社会問題にもなり、数