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永遠を誓えない愛を見送ろう


「愛はパワーだよ」
いつしか、深キョンが剛くんにドラマの中で言った言葉だ。最近なぜかふと、その言葉を思い出した。


そんなことあるのかなと当時は納得もいかなかったけど、今は理解できる。
わたしが彼と毎週会っていたとき、多分そうだった。彼も、会う約束を楽しみに今週も仕事を頑張るねとLINEで言っていた。
わたしは好きだと認識してしまうことが怖くて直接、彼に言葉で好きだよと伝えたことはほとんどなかった。口に出すともっと後戻りできなくなる自分の気持ちが怖かった。今までも人のことを好きになったことはあるけれど、そもそも好きになることに時間がとてもかかる人だし、彼との時間みたいに短くても濃い時間を過ごした人がはじめてだったからだと思う。


大島優子が結婚した。
とてもおめでたいこと。わたしと同い年の女優やアイドルがこの年齢で結婚していくことも、なんだかとても感慨深い。知らないけれど、きっと想像を絶するような紆余曲折があって、このタイミングで結婚にたどりついたんだろうな、と思う。
おめでたいことではあるけれど、なんだか「全然勉強してないよ」といいながらテストで高得点をとるように、「彼氏いないよ」と言いながらいきなり「結婚します」と言われたような、そんな気分になった。

吉高由里子が大島優子に宛てて、「一人でタラレバ言っているよ」とメッセージを書いたものに対して、「次は吉高さんですかね」「吉高さんからの報告待ってますよ」というコメントがあって、悪気はなにもないんだと思うし、わたしの考えすぎなんだろうと思うけれど、わたしだったら自分の状況によっては傷つくなあと感じた。もしかしたら、彼氏と別れたところかもしれないし、結婚したくてもできないなにかがある途中かもしれない。


人には人の地獄があって、人には人の背景があって、それを全部理解したり把握することは絶対的にできないけれど寄り添って考えて言葉を選んでかけてあげることは可能だと思う。わたしは、ずっとその感覚を忘れずにいたいなと心に誓った。


「もう結婚するも妊娠したも聞きたくない」がわたしの本音だ。わたしは婚活につまづいている。うまくいく兆しがない。まだ半年でしょう、と言われるかもしれない。それでもわたしは自分自身の時間を削りながら精神を削りながらこなしてきた。今はもともとゼロである自信がマイナスに転じてしまっていて、あらゆる人がすごく見える。どうして、普通のことがこなせないんだろうと自分を責めてしまう。自分自身くらい、自分の味方でいたいのに。


愛がパワーなのだとしたらそれはきっと誰かのことを心の底から好きになって、毎日でも会いたくて、でも現実的に会えないからこそ会える約束の日を楽しみに仕事や自分磨きを頑張れることを指すのだろう。わたしは、婚活でそんな人を見つけられるのだろうか。もう完全に恋愛は彼とで終わらせたし、今後わたしの人生の中で恋愛をすることは望んでいないんだと思う。



みんなズルくて、さみしくて、他人を羨んで自分を好きになりたくて必死で。隣の芝生は青すぎることも、もう十分すぎるほど理解していて。自分なりの正解や答えを毎日毎日探している。それはもしかしたら複雑に絡み合った迷路で一筋の光も見つけられないこともあるんだろう。


悩むときはいつでも過去や未来だ。今にフォーカスすることを忘れてしまうから、タラレバを言いたくなるし、どうしても明るい未来や「絶対、大丈夫」といったポジティブな言葉を信じることが難しい。


消えてしまいたいと思う夜がある。もっと過激に言うと死んでしまいたいと夜空を見上げながら眠れず涙が出る夜がある。でも、きっと、美しいものは在るよ。今はまだ視えなくても、信じていたい。そしてそれをいつかちゃんと感じられるように、どうか心を殺し切ってしまわないように。


変わっていくことと、変わらないこと、変わらないと決めたこと、変われないこと、たくさんあるけれど全部ひっくるめて愛なんだと思う。わたしとあなたが生きていること。もしかしたら死ぬまで他人であること。何一つ大丈夫なことなんてないから大丈夫なのかもしれない。そうやって足掻きながら進めていこう。でもね、永遠を夢見れない、永遠を誓えない愛はきっとパワー外だから見送っていくしかない。


「愛はパワーだよ」その言葉をちゃんと感じられる日がいつか来ますように。




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