半分くらい出来ています。

人は言い訳をしたい生き物だ。

ーー忙しかったから。

ーー疲れていたから。

などなど、多くの人が言い訳を口にする。

かく言う私もその一人。

ついつい、言い訳をしてしまいがちだ

そんな私でも、仕事では「言い訳をしない言い方」を心がけている。

というのも、今から5年ほど前に会社の先輩に言われた言葉に影響を受けている。

ある日の朝、先輩から資料を作るように言われた。

ただ、その日は取引先への訪問や社内での打ち合わせなど、資料作成に十分に時間を割けなかった。

定時前になると、先輩からその日の進捗状況を聞かれた。

先輩「今日作る予定だった資料出来たか?」
私「半分くらい出来ています。」

これがそのときの会話だ。

私がこの回答をしたことによって、このあと先輩に激怒される訳だが…

この会話、みなさんはどう感じるだろうか?

違和感無く受け入れられる人もいるのではないか。

ただ、違和感が無い人は、私と同じ「癖」の持ち主かもしれない。

というのも、私の回答の「半分くらい出来ています。」には、前段として完成はしてないけど、手をつけていますというカギカッコが付いている。

相手がその意味を分かってくれるだろう、という前提に立ったモノの言い方だ。

先輩に激怒されたときに言われた内容は次の通り。

先輩「おれは出来たか、出来てないかを聞いているんだ!!半分くらい出来ているって、結局出来てないってことじゃないか!!その言い訳みたいな言い方やめろ!!」

加えて、こうも言った。

先輩「途中まで出来ているのなら、まず出来ていません、と答えろ。そのうえで、途中までは作成しましたと言うべきだ。」

今思えば当たり前だが、当時は度肝を抜かれた。

資料作成にとりかかっているという事実は、出来ていないこととはイコールではないと思っていたから。

でも、「出来たか」「出来ていないか」の質問なので、回答すべきは確かに「出来たか」「出来ていないか」である。

この一件があり、私は過去を振り返ってみた。

私の報告は全体的に言い訳っぽくなっていた。

怒られないための予防線だと思って、そんな言い方をしていた。

それがあの先輩にとってはストレスになり、最終的にあのような激怒につながったのだと思う。

確かに、厳しい先輩だった。

でも、私はその先輩の言葉が無ければ、自分がそうやって言い訳がましい言い方をしていることに気づかなかっただろう。

そして、今でもそんな言い方を平気でしていただろう。

聞かれた質問にちゃんと答える。

イエスかノーかを聞かれたら、まずイエスかノーかを答える。

ビジネスマンとして当たり前のスキルだ。

今後30年以上働いていくうえで、これはずっと忘れないと思う。

あの言葉が無ければ…と考えると、本当に怖い。

私は、あの日の先輩の言葉に救われた。

#君のことばに救われた

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