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スマイルたこ焼きパーティー

15年ぶりにあった同級生と
見知らぬ3人とたこ焼きを焼いている。

「なんだこの集まりは。」

あまりのおかしな光景に心の声が
漏れてしまっていた。

「君は社会に不満があるようだね。辛いだろう?」

座っていてもわかるほどの身長の高い
男性が言う。

「辛いなら言ってごらんよ。全部吐き出そう。」
示し合わしたかのように中背小太りの男性が
煽ってくる。

「仕事が辛いのかな?」

さらに被せてくるのは
小柄で髪が薄くなりはじめた男性だ。

思わぬ三段攻撃にたじろぐ
わたしに同級生が横に座って言った。

「大丈夫、見ているよ。ほら。」
そういうと
わたし以外の4名は天に手を仰ぎ
目をつぶっていた。

あぁ宗教の勧誘か。
おかしいと思ったのだ。
そんなに親しかった覚えのない同級生から
突然の連絡。

熱心に家へと呼びたがる彼に押されに
押され急なたこ焼きパーティー。

到着するやいなや
見に覚えのない大中小の中年おじさんたちが
笑顔で待っているのだ。

騙された自分に腹が立ったが
とりあえずいいたいことは言ってやろうと
思いを喋り散らかしてみた。

「仕事?楽しいですよ。今まで働いてきた中でも
すごく充実した時間を過ごせています。時間は大事ですよね。有意義に使わないともったいないなーと思いますよ。遊ぶにしても無駄な時間は使いたくないんですよね。言いたいことわかります?回りくどい宗教勧誘してんじゃねぇわってことですわ。人の弱味につけこんでなにしようとしてる知りませんけど、お断りですわ。どういう作戦やったかわかりませんけどだれの発案?おまえか同級生。ぬるいわ。どうせ片っ端から声かけたんやろうけどもうちょいやり方あるやろ。
四人でマウントとったらいけるやろ~みたいに
思ってたんやったら大ハズレやったな。
他の同級生にはSNSで回しとくからとりあえず写真とっとくわ。カシャッ。」

四人はあっけにとられているのか
こちらを見たまま動きをみせない。

やりすぎてしまったか?
本気をだせば大人四人に囲まれれば
打つ手はないのだ。

冷静になったわたしは足早に
その場を立ち去った。
追いかけてくるそぶりはなかった。

その後、連絡がくることもなかった。
そもそも勧誘だったのか
今もわからない。

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