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【連続小説】生焼けと炭化の間で

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焼魚が紡ぐ至高の恋愛小説 筆者すら想像がつかない展開、想像する気すらない未来。 二人の運命は…(1人出てきて終わるかも)
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記事一覧

【連続小説】#21 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#21 生焼けと炭化の間で

あいと出会ったのはお互いの気まぐれだった。
自分も当時は酒を飲まなかったのだが、2人で酒を飲まずに居酒屋に行こうという話になった。
帰りに雪が降っていて凄く盛り上がったのを覚えている。

なぜかお互いにフリーになるときがなく、どちらかが別れるとどちらかが付き合ってというちぐはぐな状態で結局付き合うことにはならなかった。

少し寒くなってきて、雪の気配を感じてくると毎年あいの事を思い出す。

【連続小説】#20 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#20 生焼けと炭化の間で

僕は学生時代に女子と話すことはほぼ無かった。
たぶん英語の授業ぐらいだろう。
だから学生時代に女子と話す僕の公用語は英語だった。

そんな話はどうでもいい。
どうでも良くないけどどうでも良いことにしておこう。

そうでもなければ僕はどうにかなってしまうだろう。

だが、結果このありさまだ。

【連続小説】#19 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#19 生焼けと炭化の間で

勘違いこそ男の本質座席は確かに満席だが、立っている人は少ない。
そんな電車内で「えんむすび」の御守をつけた女性が僕の前に立った。
いくらでも空いている車内でわざわざ僕の前にだ。
男なら気にしないやつはいないだろう。
妙に意識してしまう。
その女性は隣の席が空いたので座った。すぐさま男性が私の前に立った。

どうやら僕の貫禄不足ですぐ降りる学生だと思われていただけのようだ。

人生は儚い。

つづく

【連続小説】#17 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#17 生焼けと炭化の間で

SNSでの出会いその昔mixiやモバゲーで出会った子と会ったことがある。
全員単純に友人として成り立った。
昔はそういうものだった気がする。

いつからか気の合う仲間から男女としての出会いがSNSの目的に変わり、そこからは非常に難しさを感じている。

今幸せそうに結婚してるあなたの奥さん、私に結婚申し込んできたことありますよ。
そして奥さん、あなたの旦那さんは昔別れた女性の面影をあなたに見出したの

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【連続小説】#16 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#16 生焼けと炭化の間で

自分はモテるのかモテるのかモテないのかは実は気の持ちようなのではないだろうか。
要するに相手を選ばなければ実はモテているのかもしれない。
相手の本質を理解しようとせず、相手に好かれるだけなら結構モテているのではないだろうか。
そう考えた。
でも、よくよく考えるとこちらは相手になんの本質も提示していないのだから相手が思い違いだったと悟る時がくるかもしれない。
そう考えるとやはり、お互いを知るという事

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【連続小説】#15 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#15 生焼けと炭化の間で

ショッピングの難しさ

なほちゃんと付き合う手前の時、ショッピングに行ったのを思い出した。
何回かデートを重ね、関係は毎度良くなっている手応えはあった。
当該のショッピングデートの際の事件が起きなければ付き合っていただろう。
というのもショッピング中に意見を求められ、自分は真面目に答えたつもりだった。
しかし、「連れてくる人を間違った」ような事を言われたのだ。
冗談ではなく真面目だったので、謝り立

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【連続小説】#14 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#14 生焼けと炭化の間で

何がお望みか女性にプレゼントを贈るうえで気を付けていることがある。

自分が贈りたいものではなく、相手が贈られて嬉しいものを選ぶ
ことである。

若い頃の恋愛で一番間違ったな、と思った事がここである。

はなしは変わるが、ビックマックの箱はオーダー時に言うと紙包装に変えてもらえるらしい。
ビックマックの箱こそまさに僕が求めていないものであり、ありがた迷惑なのかもしれない。
今ならあの子の気持ちがち

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【連続小説】#13 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#13 生焼けと炭化の間で

何を求められていたのかなにかと元カレと比較される時、男は良い気はしない、いや自分はとりあえずそうだ。
でもその子は元カレと比べて本当に良いと思ってくれたのだろう。
自分の器量があれば「元カレに勝ったぜ」と思うべき部分だったのだろう。
ただ、僕の目的は元カレに勝つことではないのだ。

比較されて勝っても気持ちが良くならないことだってあるんだ。

つづく

【連続小説】#12 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#12 生焼けと炭化の間で

一瞬を長く解釈する僕は昔、歌を歌ってことがある。
作詞もしていた。
その時の曲の題材が「好きな子がおつりを渡してくれた時一瞬手が触れたこと」である。
これを5分の曲にするわけである。
人は想いを馳せれば馳せるほど一瞬を引き伸ばすことが出来るのだ。
それは即ち1日を2日にも3日にも出来るのだ。

それが仕事に活かせたら今頃3倍は稼げているはずなのだ。

なのだ…。

つづく

【連続小説】#11 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#11 生焼けと炭化の間で

後悔とはなんなのか僕にとって後悔とは、有り過ぎて当たり前のものである。
言い換えれば後悔していないのだろう。
というのも後悔とは一時のもので、今思えば教訓や戒めでしかないからだ。

相手にとっては最低なことだと思う。

つづく

【連続小説】#10 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#10 生焼けと炭化の間で

あの頃に戻りたいですか?よくある話だと思う。
ただ、これには2種類のあの頃があると思う。
実際にはあの頃とあの時なのかもしれない。
1つは楽しかったあの日に戻りたい。
もう1つはあの時にもどってやり直したい。
である。
確かに楽しかった時は過去にあるが、この後も有るだろう。
あえてあの時に戻ってもまた繰り返すだけである。
確かに失敗を正しに戻りたいこともあるが、その後にも数え切れない程の失敗や嫌な

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【連続小説】#9 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#9 生焼けと炭化の間で

なぜ人はSNSに答えを求めるのかきっと多くの人はダチョウ倶楽部だ。
押すなよと言いつつ背中を押してほしいのだ。
僕特有の決まった返答方法がある。
世の中で一番面倒臭い「どう思う?」に対してだ。
僕は必ずこう言うように決めている。
「心のなかでは決まってるんでしょ?」

これに対して相手の答えは大体決まってる。
「やっぱりそう思うか」
「なんだ分かってたのか」
「なんで分かるの?ありがとう」
などで

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【連続小説】#8 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#8 生焼けと炭化の間で

投資とはなんなのか若い頃は服や小物にお金をかけたものだが、何一つ意味はなかった。
結局藻屑と消えた。
残ったのは高かった時計だけだ。
これはむしろ価値が上がったのだ。
時計の価値は上がったけど、着飾った僕の価値はむしろ老いと共に下がったような気がする。
メイドカフェもそうだ、別にメイドさんと付き合えたわけでもない。
ただお金が減ったのだ。
でも、女性と話すことが苦手だった僕は少し勇気をもらった気が

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【連続小説】#7 生焼けと炭化の間で

【連続小説】#7 生焼けと炭化の間で

失禁ジャー僕は漫画やTVで観るような失禁もいう物を信じていなかった。
小学生時代のある日、初恋のやすこちゃんに好きな人がいることが分かった。
相手は転校生だった。
それを友達から聞かされた時ほんのチョビっと漏れた。
あとにも先にもあれが最初で最後の失禁である。
卒業式にやすこちゃんが僕の写真を撮りたいとカメラを持ってきた。
僕は嬉しかった。
喜んで写真を撮られた。
あとで知った話だがその写真はやす

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