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“ノリ”で作ったTシャツを売った軌跡とその結果を振り返ってみた。 〜ノリの連鎖が生んだ奇跡〜


事の発端は、僕が投稿した一つのポストだった。






“NFDR” 〜Tシャツ販売の軌跡〜

スパーリングで落ちるんじゃないよ / Never Faint During Roll Tシャツ





---9月6日午後0時00分、北日本柔術選手権から帰宅した僕は、試合を振り返りこう思った。



「俺にはチョークが足りないッ」



その理由は、試合でバックを取っても毎回極めきれないからである。(紫ライトフェザーで全日本選手権に出る人は見なかったことにしてください。)


チョークを極めたいッ

チョークを極めたいッ

チョークを極めたいッ

足はもういいッ


強烈なチョークへの執着が僕に宿った。

そして思い出したのは、“平城京のスピンマスター”松本さんに極められた『楢山チョーク』。


楢山チョークとは、楢山が得意なチョークではなく、楢山を極めたチョークの略称である。

2023年9月2日の松本さんのXポストより



あんな風にバックを取って、華麗にチョークを極めたいッ



その思いが強くなり、ふとこんなポストをするに至った。




楢山失神動画が一部界隈で話題に



何気なく上げたこのポストであったが、一部界隈の人たちの間でたちまち話題となっていく。


柔術界のインフルエンサー


被害者B


松本さん信者


そしてその中に、あるポストがあった。



動画の中で松本さんが発した、



“スパーリングで落ちるんじゃないよ”



この言葉を拾ったポスト。

最近話題になるnote.記事を連発しており、界隈で知らない人はいないであろう柔術界の御意見番、國本さんのポストだった。



そしてこのポストを見た僕は、“ノリ”でふとこう言った。




止まらない“ノリ”の連鎖


ここから話は急展開を迎えることになる。

僕の前述のポストに反応し、スピンマスター松本さんが早速デザインを完成させてくれたのだ。



さすが自身がデザインを手がけるアパレルブランド(PINEBOOK)を持つ松本さん。

柔術が鬼強いだけでなく仕事が瞬速である。

そしてこのポストもまた一部の人から関心を集めることになるのであった。


柔術界のインフルエンサー(再)


柔術界のインフルエンサーその2


元TFの元同門Okaさん


JBJJFプロスタッフsavoさん


柔術界に彗星の如く現れた凄腕Webマーケターノブトウさん



さらにノリは加速し、こんな会話に発展する。




お気づきの方もいるかもしれないが、

この会話をしていた時点でもう楢山チョークはどこへやらである。()


そしてその夜、僕はある大きな決断をした。



よし、売ろう。(ノリ)



こうなったら売るしかねぇ。



そう思ったのだ。

このノリの連鎖を絶やすことほど罪深いことはあるだろうか。

いや、ない。(反語)


ということで、翌日夕方、僕は意を決してこうポストした。


決意の一ポスト


やっちまった。

だがもう引き返せない。

全然売れなかったらどうしよう。


…いや待て、落ち着け、そもそもこの決断に踏み切ったのは受注生産だからじゃないか。

売れたら売れたでそれでいい、売れたとしてもどうせ昨日反応してくれた数名だけだろうから、その対応なんて別に手間でもないだろうし。

そして例え売れなかったとしても金銭的マイナスはない、そして何より「いや(買うって言ってくれた人おったけど)誰も買わへんやないかーい!」というツッコミできれいにオチをつけられる。


つまり、例え売れようが売れなかろうが、どちらに転んでもそれは僕にとって



そう、だから、なんの問題もない。

そうだ、その通り。無問題モーマンタイ

ふふふ、ははははは、はっはっはっはっは!!


ということで、気楽に連絡を待つことにした。




予想に反し相次ぐ“購入希望”の連絡


まずは前日のやり取りに反応してくれていた方からDMで一件の購入希望連絡。


予想通り。


続いて二件目、とりあえずこれもノリノリで受注する僕。


荻野さんからの二件目の連絡


そして立て続けに三件目。

これもノリノリで受注。




さらに4件目、受注。

5件目、受注。

6件目、7件目、

8け………、




ん?




待て、売れすぎてないか? すでに。



気楽に構えて待つつもりが、購入希望の連絡が止まないじゃないかッ



ここでやっと、危機感を覚える。




なぜならここまで連絡が来るとは思わず、本当にマジでまったく準備していなかったからだ。(しとけ)


これはヤバいと急いで松本さんに連絡する。



「これからどんな流れで発注すれば良いのでしょうかッッ(今更)」



急な連絡にも関わらず、親切に教えてくださる松本さん。(マジ神)


そして急いでスプレッドシートを立ち上げ、購入希望者をまとめあげる僕。(ポンコツ)


その後一人一人にDMを送り、サイズや送付先住所などの確認を済ませ、とりあえず受付初日を終えた。



初日ですでに15人。



いや、もう予想を遥かに超えているんだが。

多くて4,5人だと思ってたよマジで。

明日から三日間限定じゃなくて今日からにすればよかった。(働け)


そんなことを思いながら、きたる二日目を待つことにした。


ノリ良すぎだってばよ



止まらない、注文の嵐


二日目。

結果から言うとこの日も15件売れてしまった。ありがとうございます。とてもさんきゅう。



しかし初日とは違いリスト化の準備はできていたし、DMを送る際の型みたいなのももうなんとなくできていて、何より前日のように数時間でではなく一日で15件だったのである程度余裕を持って対応することができた。



いける、いけるぞ…!


これだったらいくらでも受け付けられるッッ!!



スプレッドシートを用意しただけで急に勢いづいた僕。

そうして残り2日の注文を待つこととした。




注文数、計41件に。


その後、

三日目、8件

四日目、3件が売れ、

注文数は実に41件に達した。




パねぇ…。




そんな感想しか出てこない僕。

前述の通り、正直ここまで売れると思っていなかったからだ。

(みんな、ノリが良すぎるぞ。)



ということで購入希望者のリストができたので、松本さんが自身のアパレルでいつも利用されているというお知り合いの業者さんに発注。

後日発送され、あとは無事届くのを祈るのみとなった。




続々と流れてくる到着の報告!!


それから数日後。


Twitter(X)上に、
続々とTシャツが届いたという報告が!





無事に届いてよかった。



まずはそう思った。


そして現物を見て、商品として良いものを作ることができて本当によかったなと思った。


(と言っても自分は何もしてないが。松本さんありがとうございます。)


そしてそんなTシャツを実際着られている方々の写真を見て、作ってよかった、販売してよかったなと思えた。



今までこうやって“物を作って売る”という経験はしたことがなかったが、実際自分が作ったものがこうやって多くの人の手元に届いて喜んでもらえるとすごく嬉しい。


(何度も言うけど言い出しっぺなだけで制作には関わっていないのだが。)


それが知れてよかったし、そんな経験ができてよかった。


全部ノリだったけど。


でもやっぱり、やってよかった。



僕が始めたTシャツ物語



こうして、ある一つのポストから始まった僕のTシャツ物語は終わった。


思えばこの3週間、練習してブログ書いて仕事して感染症にかかって、その中でTシャツ売ってとずっとバタバタしていたが、思い返せば、




一回も楢山チョークの練習してねぇ。




そもそもそういう話だったじゃん。

忘れてたよ完全に。



まぁでも、おかげで楽しい日々だった。

また明日からの練習もなんかがんばれる気がする。

あのTシャツを着ていれば。



“スパーリングで落ちるんじゃないよ”



そうそれは、



“(練習中は)気持ちの面でも、落ちていたらいけないぞ。”



という、そんな松本さんからのメッセージなのかもしれない。(知らんけど。)



だから今日も、前向きに練習しよう。



さぁて、楢山チョーク練習するか。





 “NFDR” 〜Tシャツ販売の軌跡〜






あとがき 〜ノリが生んだ奇跡〜


ということで、前半なんかよくわからん文章いっぱい書いてありましたけども、ここからはノリでTシャツを販売してみた感想などを振り返りながら書いていきたいと思います。



Tシャツを作ろうと決めた理由


まず、前半書いていたように、あのTシャツはこのポストが発端で生まれました。



簡単にまとめると、


上のポストの動画が一部で話題に

→動画内で松本さんが発した「スパーリングで落ちるんじゃないよ」という言葉について國本さんが言及

→それを見た僕が何の考えもなしに“ノリ”で「スパーリングで落ちるんじゃないよTシャツほしい」と発言

→松本さんが即Tシャツのデザインを考案



こんな流れです。


で、その後松本さんがほんまに作るんやったら相談してねーと言ってくれたので、また相談させてください!!とそのとき答えはしたのですが、



正直このときまったく作る気ありませんでした。

(松本さんに謝れ)



というのも、


まぁ言うてそういうノリでこの話なっただけやし、

言ったらまぁ冗談の産物みたいなもんやし、

そもそも売っても売れへんやろし、

そもそもやったことないし。


みたいな考えがあったからです。


で、そのまま次の日を迎えようとしていたのですが、そういえば何人かが買いたそうな反応してくれていたなと思い返します。


ならば、もし売るとするのなら、この“ノリ”によって生まれた熱のほとぼりが冷めないうちに売らないと、買ってくれたはずの人も買ってくれない。


売れるものも売れずに終わっちゃうな。


と、思ったわけです。


もちろんこの時点でたくさん売りたい!という気概みたいなものがあったわけではありません。


(冗談でノってくれただけかもしれないけど、)ほしい人がいるならその分売ってみてもいいじゃないか。


それくらいの気持ちでした。


なによりTシャツを作って販売するなんて経験を今までにしたことがなかったので、この機会、つまりノれるときにノっておかないと、次いつそんな機会が巡ってくるかわからないぞ。


そう思ったのです。


そんな諸々の考えに至り松本さんに「売ることにしました!」とだけ連絡。


OK!とGOサインが出た後に、売り出したあとどうするかの詳細も確認せず「売ることにしました!」とポストしました。


熱が冷めないうちにという考えがあったので翌日即ポスト。
そういう意味では本当は丸一日経つ前=昼頃にポストしたかったのですが。


まぁ何せ、一時的なノリによって生まれた熱なんてすぐ冷めてしまうだろうし、数日もすればみんなもう忘れてしまうだろうと思ったからですね。


なので、熱がまだ残っているうちになるべく早くに売り始めよう。


そう思い、Tシャツの話が出た翌日に販売開始を知らせる上のポストをしました。


まさかと驚く人、すぐノってくれる人など反応はいろいろ。



ちなみに値段は僕の独断で決めたのですが、今までTシャツどころか物を売った経験もないので相場が当然わかりません。


なのでコンバッチ猫さんのTシャツを参考に送料込み3,000円と決めました。


コンバッチ猫さんのTシャツが2,500円+送料500円だったからですね。



そもそも利益を出すことはまったく考えておらず、何人かだけいるほしい人の手元に届けることができたらもうそれでOKかな、とだけ思っていました。


だから利益にならなくても、マイナスにならない範囲で、それなりに買いやすいお値段で。


買う人はどうせいても数人、であればこちらとしても対応にそこまで追われず作業もすぐ終わるでしょうから、利益が出なくても別にいいや。


ということで、そんな“ノリ”のままに販売を開始しました。



思いのほかちゃんと売れてしまった


その結果としては前半にも書いた通り、計41点が売れました。


これは本当に予想外。


買う人がいるとしてもTwitter(X)でのやりとりを見ていた方、反応してくれた方のうちほんの何人かが買ってくれるかな?くらいに思っていたからです。


①もし買ってくれる人がいてもどうせ数人、その数人にTシャツを届けて、自分でもネタ用に買って終わり。

②別に買ってくれる人がないかったら、いや誰も買わへんやないかーい!とツッコんでオチをつけて終わり。


そんなストーリーを頭の中では思い描いていました。


しかし、蓋を開けてみると初日から大売れ。(相場はわからないけど自分的に)


あのやりとりに反応してくれていた方々以外の方々からも多くの注文があったのです。


ということで初日から予想外にちゃんと売れてしまい、松本さんに連絡して、購入者リスト作ってと、大慌てで対応することになりました。笑



改めてご購入ありがとうございました



そして、全購入希望者の方々とやり取りし、キャンセル・返品返送・料金未払いも今のところ一切なく、無事購入いただいた方々のお手元にお届けすることができました。


今回の販売の過程において、表立って発信・対応していたのは僕でしたが、実は松本さんも裏でいろいろと動いてくださり、おかげでスムーズに手続きを進めることができました。


(のわりにお金は一切いらないと言うので今度何か別の形でお返ししなければなりません。)


正直、現物がもし思っていたものと違う出来になったらどうしよう、買ってくださった方々に満足いただけなかったら…、なんて考えが頭をよぎることもありましたが、やはりそこは松本さんがデザインをしてくださったこともあり特に心配はいらなかったですね。


シンプルなデザインの中にも松本さんのこだわりが


ちなみに、お届けしたTシャツの包みに達筆で書かれた僕の名前は松本さんが書いてくださったものです。

まだお手元にある方は額縁にでも入れて飾ってください。笑


達筆すぎる松本さんの筆文字


ということで、この度ご購入いただいた方はもちろん、いろいろ助けてくださった松本さん、またSNS上でノリノリで盛り上げてくださった方々には感謝の念に堪えません。



ノリの産物ほどおもしろい物はない



今回オリジナルTシャツを販売して思ったことは、ノリの産物ほどおもしろい物はないなということ。


改めてお伝えしますが、今回のTシャツはそれこそ完全にノリの産物です。


別に元からTシャツを売りたかったわけでもないし、そもそも作りたかったわけでもない。

最初からNFDRのメッセージを啓蒙したかったわけでもないし、あの動画からここまでの話にまで発展するなんて思ってもいない。


本当に“ノリ”と勢いでできてしまったのが


「スパーリングで落ちるんじゃないよ(Never Faint During Roll)Tシャツ」でした。


しかし、だからこそあれほどおもしろいものができたのではないか。

そうも思います。


何か良い物、おもしろい物を作ろうとして作るより、会話の中で意図せずふと出てきた言葉やアイデア。

普段頭を悩ませても出てこないようなそれらは実は案外考え抜いたものよりおもしろかったり、価値があったりするのかもしれません。(知らんけど)


ノリによって発生する熱は火力となり、勢いを生んでくれました。


今後も何かおもしろいことをたくさんしていきたいと思うので、そういった日常で発生する“ノリ”と、“ノる”ことを大事にしていきたいと思います。



まとめ


ということで、簡潔に済ませるつもりだったものの前半の茶番パートが思いのほか長くなってしまいましたが、

「スパーリングで落ちるんじゃないよ(NFDR)」Tシャツ販売の経緯と結果を振り返ってみました。


もう書くことは全部書いたと思うので、最後に言えることは


みなさん我慢せずタップしましょう。

スパーリングで落ちるんじゃないよ。

(お前が言うな)


それだけです。


また、今回Tシャツ販売で得た利益については、今後僕が運営するブログメディア『柔術旅』の活動費用に全て充てたいと思っております。



おかげさまで一遠征ほどできそうです。(それか旅用キャリー買いたい。)

改めて、ありがとうございます!!!


では、また今後も何かおもしろいことができたらなぁと思っておりますので、応援してくださいとは言いませんが、今後とも寛容な目で見守っていただけましたら幸いです。


何卒よろしくお願いいたします!


それでは



P.S.

今回Tシャツをデザインしてくださった松本さんのオリジナルアパレルブランド『PINEBOOK』の公式サイトには下のリンクから移動できます。

松本さんのこだわりの詰まったおしゃれなアパレル商品が閲覧できますが、人気ですぐ売り切れてしまうようなので気になる方は随時要チェックです!


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