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『朝焼け』 鳥飛んだ まだ青く眠る空の向こう側へと 一羽 夢を見るように弧を描いて 鳥飛ん…
『風鈴』 風鈴鳴った まどろむように流れる 夏の空気をくぐりぬけ 砂利道を走る自転車の中…
『花火』 夜空に咲いた大きな花火 一瞬にして闇の中へ 天高く花開くと たちまち火の花びらは…
『川の輝き』 橋を渡ると 車の窓から川が見えた 緩やかな曲線を描いて 美しく輝く川が はじ…
『立夏』 立夏の風にカーテンが揺れる 春の足跡を吹き消すかの如く 見上げた空は 目が覚める…
『春の宵』 桜は眠る 春のもやに包まれて 柔らかな絹を広げたような春の宵 空と桜が溶け合っ…
『風の中へ』 気持ちのよい青空の下 木々がさわさわ揺れている ひとつ 風が吹いた 葉っぱの先がそよいでいる ふたつ みっつ よっつ…… ちいさな薄紅が 土の上を舞っていく 誰かに別れを告げるかのように くるくると懸命に走りながら ひとつ 風が吹いた 花びらが散る 薄紅のちいさな姿は 緑色の風の中へと消えていく 2023.3.29 桜散る季節がやってきました。 萌木の緑が目に優しく、散りゆく桜との対比に和を感じます。 空に向かってのびのびと体を伸ばす木々。
『春時雨』 花びらの上の雨雫 ぽつりぽつり またぽつり 日が差し込めばきらりと光り 風が吹…
甘く明るく踊るように 鼻歌を口ずさんでは通り過ぎる風 長い眠りから覚めて 庭を絵画のように…
『千羽鶴』 端と端とをそろえて丁寧に 山折り 谷折り そして広げて…… 心を込めて折りつづ…
『聞きたくて』 聞こえぬ声が聞きたくて 静寂の中ひとり耳傾ける 音のない部屋の中で いつか…
いちごって春の味 あまくて ちょっぴりすっぱくて 初めて教室に入ったあの日みたいに 白桃っ…
鎧戸を半分閉めた窓の向こうで 洗濯物が風にはためいていた くるくると 風に誘われて踊るもの…
茅葺色に染まった庭の中に 白い小さな花が咲いていた 草のようでもあり 花のようでもある不思議な姿は すっかり茶色と化した秋の庭に 新鮮な印象を与えていた ふわふわとした 鳥の羽のような白い花びらを秋風に揺らし 花の真ん中の黄色が 寂しい秋の空気に明るさをもたらす いつしか鳥になって 青い空に飛んでいってしまうのではないか そんな錯覚を覚えるほど 花は軽く可憐であった その揺れる姿を眺めていると 落ち葉がひとつ 足元へとやってきた