妻のマンガ執筆のケツを叩くだけの仕事

妻は今、マンガの執筆をしている。初めてのマンガだ。出版はもう決まっており、同時に〆切も決まっている。

妻は双極性障害という病気を患っている。うつ病のような精神疾患の一種だ。なので、無理は禁物であり、何事も自分のペースで進めることが理想的である。

しかし、残念ながら〆切はせまってくるものである。現在踏ん張りどころだ。病気のことをわかっている人は誰もが無理はしなくていいよ、描けるときだけ描こう、と優しい言葉をかけてくれる。とてもありがたいことである。

だが、繰り返しになるが、〆切は〆切だ。〆切は守らなければならない。だから、少しつらいときには、誰かが奮い立たせてあげなければならない。その仕事を引き受けているのが、私だ。

心を鬼にして、原稿を進めなさい、と妻のケツを私は叩く。身近な人間だからこそ、ヒール役になる必要があるのだ。正直、妻のつらい姿は見たくない。それでもケツを叩く。

なぜケツをたたき続けるのか。〆切というのもある。だが、一番の思いは、大きなことを一つ成し遂げて、自信を付けてほしいからだ。

双極性障害という病を抱えていることもあり、これまで妻の人生は上手くいっていなかった。今回、マンガを描くという大チャンスがやってきた。これを逃すわけにはいかないだろう。

編集者さんからは、〆切は延びても構わないと言われている。しかし、〆切を守った方が印象は良いし、なにより、より大きな自信へと繋がるはずだ。愛ゆえのケツ叩きである。

今日も妻はマンガを描いている。今日も私は妻のケツを叩いている。

ブログとはまた違ったテイストです。