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【感想・書評】ジェームズ・W・ヤング『アイデアのつくり方』

先日、ジェームズ・W・ヤング著(今井茂雄訳)『アイデアのつくり方』(1988 CCCメディアハウス)を読みました。

アイデアは企画職や営業職だけでなく、デザイナー、漫画家、文筆家といった創作系の職業や、日々の暮らしの工夫まで重要となると思います。ヤングの略歴を含めても102ページなので、読むだけなら(帯の通り)一時間で済みますし、お値段もお手頃なので、一読の価値はあるのではないでしょうか。

今回は『アイデアのつくり方』を読んでの感想を綴っていきます。約1000文字と短めですが、読んでいただけたら幸いです。




アイデア創出の本の中で、おそらく『アイデアのつくり方』以上にコンパクトにまとまっているものはないと思います。
もちろん、ネット上でよりコンパクトにまとまっている場合もあります。ただ、本で学ぶメリットの一つとして「情報を体系的・有機的につなぐことができる」があげられ、断片的になりやすいネットの情報より、わかりやすく学ぶことができるでしょう。とくに初学者が腰を据えて学ぶためには本を使うのがおすすめです。
『アイデアのつくり方』も例外ではなく、体系的・有機的なつながりを感じます。きっちり学ぶなら解説部分も必読です。ヤングの提案が、他の文献や知識とどう似通っているのか、つながっているのか、わかりやすく書かれています。ブレーンストーミングやKJ法など、実践に役立つ手技にも少し触れており、実践や次の勉強へつなげやすくなっています。

注意点として、おそらくこの本だけでは実際にアイデアを作るのは難しいだろうと言うことです。先述した通り、手技にも多少触れてはいるものの、実用レベルとまでは言えません。ブレーンストーミングやマインドマップ、なぜなぜ分析、KJ法など、多様な手技があるので、まずはネットででも調べてみると良いと思います。

さて、『アイデアのつくり方』からアイデア作りの過程を、私的に超ざっくりまとめると次のようになります。

  1. 大量の資料を集める、あるいは日ごろから集めておく

  2. 資料から見えるものを必死に分析し、頭をパンクさせる

  3. 一度すべてを忘れて休む

  4. 突然のアイデアの発見

  5. アイデアの育成

簡単そうだなと最初は感じていたんですが、いざやってみると意外と大変。とくに1の資料集めと2の分析が地味につらい。KJ法を使おうとしているのですが、面倒くさい。いま、一度白紙に戻した自分のサイトの制作を再度丁寧にしているんですけど、地味なつらさに逃げ込みたい気分、いや、逃げています。おそらくですが4とか5は大変ながらも楽しいんじゃないかなと予想しています。

アイデア作りの入門と聞いて読んだ一冊でしたが、実際ためになりました。皆様、ぜひご一読を。

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