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唐突にクリシギゾウムシ

ふと、そんな単語が。

なんだっけ?

少しかかった。記憶が繋がった。ああ、あれか。昆虫だ。ムシとあるのだからそりゃ虫だろう。どんな虫か。そう、栗の実に穴をあける虫である。


栗鴫象虫クリシギゾウムシ
栗、鴫、象、虫?

栗は分かる。

鴫?
シギ?

象?
エレファント?

虫?
いや、虫は虫か。

調べる。なるほど。納得率は高めである。苦手な方のために写真はやめておこう。絵は、ライトなやつなら、、、あ、そうだ。

ゾウムシ(オオゾウムシ) by いらすとやさん

サスガとしか言いようがない。クリシギではないがオオゾウムシである。見ての通りである。鼻が長い。鼻が象のように長い。と見せかけて、長いのは実は口である。

鴫。シギ。シギはシギ科の総称で、シギという鳥はいない。クチバシが長い種が多い。また、足も長い。種によってはちょっと怖いくらいに長い。個人的にはセイタカシギが怖い。まんじゅうやお茶ではない。普通に怖い。

漁夫の利という故事成語がある。戦国策だそうだ。これで貝にくちばしを挟まれたのはシギである。くちばしが長いからこそ成立するお話であろう。スズメではちょっと大変だ。

漁夫の利 by いらすとやさん


で、クリシギゾウムシ。

その口が細長いのである。シギのように細長いということだが、シギよりもずっと長い。というか、長すぎる。検索した画像を眺めるに、体長の半分は口のように見える。ゾウムシは植物食とのことだが、どうやって食べるのか。樹液でも吸うのか。先っちょが口なのか。うーむ、まぁ、いいか。

ともあれ、シギ部分はその口の長さ由来とのことだ。栗は「日本で栗の害虫といえばクリシギゾウムシである」と。なるほど。

秋、トゲの間からその細長い口を使って卵を産み付け、うまく孵化したら栗の実を食べて育ち、直径3mmくらいの穴を開けて出てくる。穴あきなら即座に判断できるが、‥‥まぁ、いわずもがな。なかなかにショッキングなイベントであることよ‥‥。

ちなみに信州の一部では食用の文化があり、炒って食べるとクリーミーで美味しいのだそうだ。へー。

ま、それはそれとして、本題へ。


栗に穴が開いている!

昔のことは忘れたよ、なんてウソブくことをいつの間にやら覚えた我が家の高一男子であるが、ゾウムシの話は覚えていたようで、4歳頃かな、と。

仮に私が同じ頃にそれに気付いたとしても、虫食いだよ、食べられないよ、と、庭先に放り投げられて終わってしまったに違いない。

調べようにも、小学校の図書館では恐らく難しく、自治体のそれは、当時はその存在すら知らなかった。実際、存在しなかったかもしれない。そんな環境、そんな時代であった。


で。

その時は、たまたまかもしれないが。
私か相方か、どちらだったか。

これ、なんの虫なんだろう?

と。

うまい具合に目の前にPC。
調べてみよう。

ゾウムシ?

象?
虫?

なにそれ??

てなもんだ。

ああ、思い出してきた。ちょうど私は仕事をしていたようで「へー」とかなんとか言ってその場を離れた。仕事に戻り、しばらくして休憩で出たら、PCの前が賑やかなまま。

ずーっと調べてたん?
そう!

と、嬉しそうにハモるふたり。

ゾウムシは、日本には1000種以上、全世界では約6万種とのこと。ちなみにオトシブミはゾウムシの仲間。これは蛇足か。

好奇心と、
それを伸ばす環境。

いい時代になったもんだ。


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