お前が出世できないのは上司に嫌われてるからかも「論衡6」

この「論衡」を翻訳するに当たり、私は本日の範囲のみしか読んでいません。過去に「論衡」に関する前提知識は、この本を選ぶときにwikiを少し読んだ程度です。なので、この先どうなるのかわからない状況で毎回記事にしています。

という、前提のもと今日の部分の所感なんですが
ひねくれてるなぁと思う一方で
人間が介入する以上、完全公平な方法での組織運営は難しいと言えます

私自身就活するとき、相手企業に好かれるような対応を指導されましたし
就活本でも、直接間接問わず気に入られる方法を探って、それを実行する大切さを教え込まれたものです

ここまで読んで思ったことは、能力があって誠実に働いていても上手くいかない事がある以上
「他人を気にしてる余裕なんてない」
ってことです。

出世競争での妬み嫉みはつきものですが
そんなことよりも
今いる組織にこのままいるべきなのかも含め、自分のポジションをよくよく考えることが重要なように思います。

なんせ、上手く状況が合えば悪人でも出世できてしまう訳ですから

以下原文と翻訳です

或無伎,妄以姦巧合上志,亦有以遇者,竊簪之臣,鷄鳴之客是。竊簪之臣,親於子反,鷄鳴之客,幸於孟嘗,子反好偷臣,孟嘗愛偽客也。以有補於人君,人君賴之,其遇固宜。
#才能があるかないかにかかわらず、巧みな手段で上司の意志に合わせようとする者もいれば、ただ好まれるために上司に迎合する者もいます。盗みを働く家臣や偽りの客がそれにあたります。盗みを働く家臣は子反に親しみ、偽りの客は孟嘗に好かれます。子反は盗みを働く家臣を好み、孟嘗は偽りの客を愛します。彼らは君主の利益を図るために必要とされ、君主もそのような人々を頼りとしていますので、そのような待遇は当然のことです。

或無補益,為上所好,籍孺、鄧通是也。籍孺幸於孝惠,鄧通愛於孝文,無細簡之才,微薄之能,偶以形佳骨嫺,皮媚色稱。夫好容,人所好也,其遇固宜。
#また、役に立たないが上司の好みに合致する者もいます。その例として籍孺や鄧通が挙げられます。籍孺は孝惠に好かれ、鄧通は孝文に愛されました。彼らは才能や能力には乏しいが、たまたま容姿が良かったり、表面的には愛想が良かったりすることで、上司に気に入られることがあります。人は容姿に惹かれるものですから、そのような扱いは当然です。

或以醜面惡色,稱媚於上,嫫母、無鹽是也。嫫母進於黃帝,無鹽納於齊王。故賢不肖可豫知,遇難先圖。何則?人主好惡無常,人臣所進無豫,偶合為是,適可為上。進者未必賢,退者未必愚;合幸得進,不幸失之。#また、不快な容姿や悪い性格でありながら、上司に気に入られることがあります。その例として嫫母や無鹽が挙げられます。嫫母は黄帝に取り入り、無鹽は齊王に取り入りました。したがって、賢者と愚者は予測できるものであり、困難に遭遇する前に対策を立てることができるのです。なぜなら、君主の好みは不安定であり、臣下の持ち出すものは予測不可能であるからです。偶然に合致すればそれは正しいとされ、上にふさわしいと見なされます。成功者が必ずしも賢いわけではなく、失敗者が必ずしも愚かとは限らず、ただ単に幸運なのか不運なのかということです。

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