亜人間・神軍


最近更新していなかったんですが、書きたいことがたくさん出来てまた更新していければ良いなと思って、パソコンを開きました。

今ってnoteみんな使ってるのかしら、何か別のいい媒体があれば教えてください。




今回は、最近マイブームでもあるドキュメンタリー映画について語っていこうと思いました。
真っ先に見たのは「A」「A2」の2本でした。
有名な作品なので皆さんご存知でしょうが、サリン事件後のオウムに密着した作品です。(これに関してはまた別テーマと絡めて記事にまとめたいなとは思ってます。)



その後にその余韻を埋めるように、原一男監督作品「ゆきゆきて、神軍」(1987年製作 日本)を観ました。

奥崎謙三という一人の男を追ったドキュメンタリー映画です。
戦争(ニューギニア戦)に兵士として出ていた奥崎が、ある事件を追って戦争当時の上官らを訪ねていくというそんなあらすじになっています。

映画のストーリー軸や、細かい内容に関しては、検索すればいくらでも出てきますし、あまり触れていきません。
私が今回ここで感想として残しておきたかったのは、この衝撃はなんなのかを書きながら自分でも整理しつつ、誰かと共有したかったからなのです。
なので、超個人的な感想になるので、知識不足や飛躍した感想もあると思いますがそこは流していただければと思います。



・奥崎という人間


「奥崎謙三」でYouTubeとかで検索すれば、本人の政見放送の動画とか、あとは亜人間の動画とか、この映画の予告とか出てくると思いますが、それだけでも見てほしいです。
とんでもなく面白いので。

ほとんどの人が「頭おかしい人だなあ」くらいにしか思わないでしょう。
それはそれで良いとも思いますし、私もそう思いますし。


ただこの奥崎という人間を肯定することはないですが、少なくとも映像の中にいる奥崎は魅力的に映ったというのは事実です。
これがフィクション作品で作られたキャラクターなら、「面白いキャラクターだ!」くらいに思われるだろうな。


映画の中で何度も出てくる暴力シーン。怒りと発言の代わりにぶつけられるその狂気をどう感じるか。
衝撃的な内容ではあるが、奥崎は暴力を正義の為、手段として用いることになんら罪悪感などはないように映っている。(怪我をさせて申し訳ない的な感じはあったような、、?)

ただ、あたかもそれが奥崎の日常かのような。そんなスピード感だ。
話合いの段階から手を出すの早すぎるだろというツッコミもあるが。

アポも取らずに急に昔の上官(今ではただのおじいちゃん)の家に上がり込んで、人肉事件・処刑事件について問い詰める。そしてぶん殴り、自ら警察を呼ぶ。全く意味のわからないとんでもない狂人的行動。


ただ、行動原理が全くわからないわけでもないと思ってしまう。
(情熱的になれるのかという意味で)


奥崎の家や車にはここにはかけないような内容の文字が大量に書かれている。
(範馬刃牙の家みたいな感じ)

天皇に対する戦争責任、政治に関して。
戦争を体験した奥崎が感じた「正しさ」をとにかく発信し続けている。
殺人事件・殺人未遂事件、天皇にパチンコを打ったり、、、と全く共感できないことも多々起こしてはいるが、、、

ただ人生をかけて自分の正義の発信をするその行動原理は非常に人間的だなという印象がある。

語弊を恐れずにいうならば、その怨念といってもいいようなその正しさを追求する情熱。その一点のみ私は映画を見ていて惹きつけられたのは事実である。



・映像について(映画作品という意味も含めて)


前提としてドキュメンタリー映画の良し悪しがわからない。
というのも単純に見てる本数が少ないから比較できないということ。

なので、相対評価とかにはならないので恐縮だが、この映画に関しては映像、はたまた構成についてはとても素晴らしいものだと感じた。

ただ一個だけ文句をいうとしたら奥崎の顔をもっと見たかった。やはりあの目。エネルギーや信念という言葉で片付けて良いのかわからないが、あの眼光、表情含めてとてもいい映像になっていた。

単純に奥崎が良い演技をしていたのかもしれないし、、、
(後にそのように語られていたような記事も見たような、、)

奥崎以外にも、奥崎と同行していた遺族の方々や、上官の方々。上官の家族の方。
何が正義かわからなくなるようなそんなシーンが多々ある。

真っ直ぐな眼差しで問い詰める奥崎に、うろたえる上官。など。


編集者と監督が別で、各々の考えがあってできた作品というのを何かの記事で見たが、構成に関しては、この映画をただ観ただけだと序盤はなんのこっちゃわからん気がします。
私も「この狂ったおっさんが、上官の家に押し入って、ぶん殴る話か」くらいに思ってました。

ただ後半につれて何が起きたのか、なぜ奥崎はここまで必死になっているのか。
わかっていくと思います。

構成に関しても、採用されているシーンも、そして撮影された映像もかなりドキュメンタリー映画として質の高いものなのではないかと思うので、観る価値はあると思います。

僕も何度でも見れるなという印象だったので、退屈なシーンはないと思います。
純粋に画力があるというか、これぞドキュメンタリーというような、そういう意味で言うと私みたいな初心者に優しい作品なのかもしれないですね。

ただ内容に関しては、頭ぶつけたあとみたいな衝撃はしっかりあるので、注意かもしれませんね。

ただ気になったのは、やはりよくできているとは思う。
何も起こらない日々を切り取っても仕方ないので、ドキュメンタリーだとしてもある程度の起承転結はあって、オチがあって、まとまるようにできてはいる。
ただ、それをわかった上で見ても、やはり奥崎は演技をしていて、しっかり撮影も考えて動いているのはあると思うので、本当は奥崎はどう思っていたのか。処刑事件の真実を知りたい気持ちは気になってしまうな。


・まとめ


ひっさびさに映画の感想をちゃんとまとめたので、フワッとした感想になってしまったが、やはりこの映画の良かったところを一言で言えと言われたら

「狂気とは何か」

と言うところではないだろうか。


へーこういうことがあったんだーではなくて、ではこの映画を見てどう思うのか、何を感じるのかだとおもんですが、やはり最初の話に戻るが「もやもや」は残ったままだ。
オウムの映画をみた後からなのかもしれないが、人間が正義だと信じて行動する時のその行動エネルギー、原動力は見方を変えれば狂気になる可能性があると言うことは学んだ。


逆に捉えれば、狂気とは何か。
姿を変えた正義なのか、悪なのか。


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