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ブッダは最後にこういった。
ブッダというものはいない。
我々が普段目にし、拝むブッダとはブッダ師が創った彫刻か、ブッダレーターが創った絵である。
それは、ブッダではない。
ブッダとは、拝むヒトビトのココロにインサイドし、涅槃もそこにセイムジョインしている。
だからブッダ壇のフラワーはヒトのココロに供えている。
もし、ブッダ彫刻やブッダ絵がトゥルーブッダであるならば
何故、我々はフラワーのバックをトゥルーブッダに供えるのだ
マジシャン・オブ・ブラックカオス
都会の駅前である奇術師が興行していた。
「パパ、すごいよあれー。」と腕白そうな子供が父親の手をひき、奇術師によってくる。
「見てくださいよー、ほら。このマッチ箱の中に丸いコインがありますね?これを閉じて開くとー……コインがなくなっちゃった!」
無邪気な子供はその光景をみて驚いている。
そこに、父親が小声で子供にいう。
「ハハッあれはね、二重底になってるんだよ。あの道具さえあればパパでもでき
零点の青春に終止符を!
「津川、お前との長い戦いもここまでだな」
「ぬかせ、まだまだこっからよ橋本」
そういいながら津川の頭はここからどう下手をせず負けるか考えていた。
7回表、255-2。帽子を直すふりをして虚ろな目でプレートを見つめる。
コールドゲームって何点差だったっけ、もうそろそろ差がついて中止にしてくれないだろうか。
きっかけは田中の一言だった。「強豪校がくるから地べたはいつくばらせようぜ!お前ピッチ
五十路おっさん海に育
増税と買収の波が押し寄せ、私の会社が大規模なリストラをした。
国家や企業が国民を守る時代は終わったのだ。
「窓際の魔術師」と呼ばれ、30年会社でカバディしてきた。家族も貯金もない、身軽だ。
もはやこの国に私の生きる場所はない。
なので海に還る事にした。フフッ、母なる海よ。私の声を聞いてくれ。
できる事なら無事着水しエラ呼吸にならせたまえ、マンボウくらいになりたまえ。
そう願い、私は海へ
ババアVSエスピー ~欲望の本能か遂行の理性か~
ピッ
「アンタら、アタシらと戦って無事でいられると思ってるのかイァ!」
ガラス戸を一枚隔てた前、体格のいいババア「明美」がスピーカーを持ち叫ぶ。
ピッ
「我々に護れぬ物などない。護れない時は、死ぬ時だ。」
通路の奥、FBIの厳しい試験を乗り越え選ばれた要人警護のスペシャリスト、コードネーム『ヘクトル』は室内放送で応えた。
ピッ
お立ち台の上、ヒョロ男が何かを呟き、300人のババアが前のめ
とある英雄と友の伝記
「覚えているか、私が学生時代ペアを組んだ相手を。そうだ、私を小馬鹿にしたあいつだ。あれが今、私の伝記を書き、世間を騒がしたそうだ。」
そう語る彼の目は、30年前から少しも変わらない。
大きな黒い瞳で、僕を射貫く。
「私に関わろうともしなかった奴に、何がわかる!」
彼は唸る様に拳を机に叩き、僕の体を震わせ、こう続ける。
「我が友よ、私を知るただ一人の友よ。
私の事をもし、書ける者がいるなら、
破留浮手本チュウ震暗
トーキョー、ツキヂ。そこは鼠にとってまさに天国であった。
魚の切れ端や悪くなった魚が捨てられ、猫はこちらを向かず、掃除も居住区まではほとんどされない。水も魚の肉がまじり得も言われぬ風味を醸し出す、養老の滝なる美味であった。
冬に寒くなる事を除けば鼠達のホームタウンなのだ。
しかし、そんな鼠の故郷が脅かされた。元凶はわかっている、クイケのせいだ。だが鼠達は元凶がわかれど、圧倒的戦力差を前に愚痴
Monstrum Aurora
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」そう、誰かが言ったらしい。
だけどそれは『生きた』から言えた事で、『死んだ』ならそう言えなかっただろう。
その二択を『問題』とした時点でそいつは『生きた』し、『生きたがり』だった。そもそも、感じた話では『どっちの方が気高いか』という自身への問いかけらしい。
なんて贅沢な悩みなんだろう。『気高さ』のために『生きながら』にして『生』と『死』を天秤にかけてい
過去はまるで生き物みたく
ミーンミンミンミンミンジーッ……
ガタンッガタガタン、ゥォーン……
耳障りな音と、繰り返される肩の揺れで、目を開けた。
赤錆の様な匂いが鼻をつく。
視界には、サンサンと音がするかのような日を灯した窓と
古ぼけた、派手好きの女性が赤ワインをこぼした様な色の座席。
それに、垢塗れの黄ばんだつり革が写った。
「……そうだ、うっかり寝ちゃって」
ぺりっとしたのりの様な口元を拭い、しわのついた紺色のスコ