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薬で病気は治せない?

どうも、薬剤師の川島敦です。

今日は

薬で病気は治せない?

について書いていきます。

薬で治せる病気

「薬で治せる病気か」「薬で治せない病気か」は、病気の原因によって変わります。

例えば「薬で治せる病気」の具体例は「感染症」がわかりやすいですね。

感染症、というと今は新型コロナウイルスがイメージとして強いと思いますが、例えば怪我した後の化膿や、咽頭炎・口頭炎(喉の風邪)膀胱炎なども感染症の一種です。

これは患部に菌が増えて引き起こされる病気なので、原因の菌を殺せば治ります。

その薬が、いわゆる『抗生物質』です。

抗生物質をきちんと飲んで菌がいなくなれば、病気は治る。というストーリーです。

このような病気は、薬で治せる病気、に分類されます。

(※抗生物質の要不要論や、自然治癒力・免疫力で治るから薬はいらないよね、という議論はここではしません(^^))

薬で治せない病気

逆に「薬で治せない病気」というのはどういうものでしょうか?

「原因をたたく」のではなく「症状を抑える」薬がこれにあたります。

例えば「花粉症」

その時期だけ薬を飲んでツライ症状(鼻水、目のかゆみ等)を抑える、という人は多いと思います。私もその一人です。

(今はスギ花粉の減感作療法という「治す」治療法があります)

「アトピー(皮膚炎)」もそうかもしれませんね。

薬で症状をしっかり抑えると治る(寛解する)人もいますが、症状の悪化と改善を繰り返す人が多いと思います。

また「高血圧」「糖尿病」といった、いわゆる「生活習慣病」もこっちですね。(昔は「成人病」と言われてました。)

主な原因は「生活習慣の乱れ(+加齢)」なので、薬を飲んで血圧や血糖の数値が落ち着いても「生活習慣」を改善しなければ、薬を飲み続ける必要があります。

逆に言えば「生活習慣」を改善して薬を止められる人もいます。

実際に、糖尿病の薬を4種類飲まないといけなかった患者さんで、最終的に糖尿病の薬を卒業した患者さんがいました!(すごい!)

(※遺伝が原因で病気になる人もいます。生活習慣が原因の全てではありません。)

どこに働きかける薬なのか?がポイント

以上、今日は薬の働くポイントが「原因をたたく」なのか、「症状を抑える」なのかで分類できる、というお話でした。

【イメージ】

・原因をたたく薬 ⇒ 病気は治る

・症状を抑える薬 ⇒ 原因を治さないと、病気は治らない(治りにくい)


もし薬を飲んでいるのになかなか病気が治らないな、とモヤモヤしている方は、自分が飲んでいる薬はどっちの薬なのか?を考えてみると良いかもしれません。

病気を治すためには「薬を飲んでいたら良いのか」

「薬を飲む+〇〇をする(原因を取り除く)必要があるのか」

もしかすると今の薬や病気との付き合い方に、気づきがあるかもしれません。

では、今日はこの辺で失礼します。

薬剤師の川島でした。

※あくまで薬に対しての大きな概念・イメージをもっていただくための文章です。
※個々の医薬品・疾病の特徴と異なる場合がございます。
※処方された薬は医師・薬剤師の指示通り、市販薬(OTC)の説明書通りに飲んでいただくことが大原則です。

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