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令和を生きる30代フリーランスコピーライター、1年目の軌跡

30歳になる直前で制作会社のコピーライターから独立してフリーランスになり、もう2年半が過ぎました。だいぶ遅くなってしまったのですが、ここでフリーランス1年目を振り返りたいと思います。

そもそもの話なのですが、意外と最近アラサーで独立したコピーライターがまわりにいないことに気づきました。会社員であれば順調にステップアップしていき、優秀な方はCDになっていることもあるタイミングかと思います。そこでフリーランスという選択をした人間の生き方を知りたい!と思ったのですが、思ったより、それが書かれた文章に出会え(わ)ない。そこで、自分で書くことにしました。

独立初日から、どんなクライアントのコピーを書いたのか、どの媒体のコピーを書いたのか。また、多くの方が気になるであろう「仕事のもらい方(営業を含め)」など、この365日であったこと、感じたこと、残しておきたいことなどをつらつら書き連ねておきたいと思います。このすさまじい逆風の中ではありますが、それでもフリーランスの道を進もうとする、誰かの一助となれば幸いです。


0:独立するにあたって

まず、独立初日は税務署に行って開業届を出しました。これについては、ライターのカツセマサヒコさんの記事が参考になるかと思います。僕はそこまで望んでフリーランスになったわけではなかったので、開業届を出したところで何も思わないだろうと自分で思っていたのですが、いざ書面でもらうと気が引き締まったような気がした…ような、しないような。そこまで難しいステップでもないので、早めに片付けてしまうのがいいと思います。

あとは「独立した」ということの周知、ですかね。これはnoteでもブログでもメールでもLINEでもなんでもいいんですが、できるだけ多くの人にステータスが「独立」になった事実を知らせること。そうすることで声をかけてくれる人が少なからず出てくると思います(たとえばなにか手伝ってほしい、など)。他人は思っているよりずっと、自分のことを見ていません。広告屋に限らずとも、まずは自分の広告からはじめよう、ということですね。

■フリーランスに必要なもの
コピーライターはフリーランスになる際に特に何かを追加で買わなければいけないというものはありませんが、強いて言うならば自宅のイスにはお金をかけた方がいいでしょう。当然座りっぱなしになることが多くなるので、腰にきます。僕は慢性腰痛なこともあり、奮発してアーロンチェアを中古で買いました。今このコロナ禍における、いわゆる「#stayhome」にも役立っており、非常にいい買い物をしたと自負しています。

あとはノートPCと録音機器、筆記用具、コピー用紙、クリアファイル、角2封筒あたりがあれば、最低限なんとかなります。当然ですが出力も自分でやらなければならないので、プリンターのインクなども予備で買っておくと安心です。個人的には大きな画面の方が作業しやすいので、モニターが欲しい今日この頃です…笑


1:担当したクライアントについて

担当した主なクライアントは、アパレル、不動産、自動車、IT、人材、印刷、教育、学校、寺院、食品、保険、空調設備、素材メーカー、電子部品メーカー、防災製品メーカーetc…といったところです。結構多いですねw

特にジャンルの得意・苦手などのこだわりはないので(苦手って努力不足でしょ)お話をいただいたものはすべてお受けしました。結果的に様々な経験をすることができ、会社員時代に比べて刺激的な1年でした。また、実績の領域が幅広くなればなるほど、お声がけいただける機会や可能性も増えるので、なるべく自分の可能性を決めつけず、柔軟にトライしていくのがいいかなと思っています。

営業を兼ねて書いておきますが笑、僕はこの中でもアパレル不動産自動車についてはありがたいことに経験が多いジャンルです。何かしらの経験があることで同ジャンルの仕事に呼んでいただけるケースは少なくないと思います(おそらく起用も説得もしやすい)。


2:仕事の割合について

前述しましたが、僕はフリーランスになるまで、約6年ほど会社員としてコピーを書いていました。独立するにあたって、クライアントの引き継ぎなどはゼロ。今、お仕事をご一緒しているクライアントは、すべて会社を辞めてからのお付き合いです。では、どこから仕事をいただくのか、あるいはつなげてきたのかが気になるところだと思います。

僕の場合ですが、この1年間は、

知り合いから紹介してもらったケース:40%、
Web(Twitter、note、ポートフォリオサイト)から
 お問い合わせいただいたケース
:30%
自分で営業をかけたケース:30%

くらいの割合でした。ひとつひとつ詳しく掘り下げていきます。

■知り合いから紹介してもらったケース
学生の頃から通っていたコピーライター養成講座の同期の方からFacebookのMessengerやTwitterのDM経由で連絡をもらうことがほとんどでした。これまでに全部で6コースくらい通ったので、誰とどのコースで一緒だったのかが若干怪しくなってきてはいるのですが、今でもそうやって声をかけてもらえるのは何より嬉しいですし、ありがたいことです。相手からすれば実際にどんなコピーを書いていたのか、人間性はどうか、などのこともわかるので、見ず知らずの人とはじめまして、よりは話も早いかと思います。また、条件的にも良い案件を紹介してもらえる割合が多かったので、まずは同じ志を持つ仲間を作ることが大事なのかもしれません。コミュニケーションの仕事ですしね!笑

■Webからお問い合わせいただいたケース
僕の場合、一番わかりやすいのはnoteだと思います。毎年のように広告コピーの公募賞である「宣伝会議賞」に応募しているのですが、そこで一次審査通過以上、つまり『SKAT』に掲載されたコピーを、まとめとして一覧にしてすべて載せるようにしています。これは、自分の書いたものを積極的に「晒す」という自分の姿勢の表れのひとつでもあるのですが、こちらを見てお問い合わせくださった方もいらっしゃいました。

Twitterも情報発信ツールとしては非常に有用だと思います。僕は普段思っているようなことや他の方のツイートをRTしているので、そこまでコピーライターに寄せたアカウントとは言えないのですが笑、他のSNSとの連動を踏まえた上でつぶやいていくといいのではないでしょうか。これはクライアントから直接聞いたお話なのですが、思っているよりプロフィール検索などされているようなので、bio(自己紹介)はしっかり書いておく方がいいと思います。

■自分で営業をかけたケース
たとえば「フリーランス コピーライター 募集」「コピーライター 外部スタッフ 募集」というキーワードで検索をかけ、そこでコピーライターを募集されているデザイン会社さんなどに狙いをつけてポートフォリオを送る、といったやり方を取りました。これはポートフォリオを作っていることが大前提ではありますが、フリーランスならば当然用意しているかと思います(なければ早速作りましょう!)。

未経験からコピーライターになった時も制作会社に片っぱしからポートフォリオを送ったのですが(詳しくは『まだコピーライターではない君へ。』をご覧ください)、有名でもない限り、こちらからアプローチしないことには先方から連絡が来ることはまずありません。送るだけなら(ほぼ)タダなので、とにもかくにもトライしてみるのがいいと思います。僕もポートフォリオを更新した際には節度を持った上でまたやろうかなと思っています。これはコピーライターになる前に新卒で一度営業をやっていたことも大きいのかもしれません。フリーランスは営業ホント大事


3:制作物の実績について

コピーライティング及びライティングを担当した制作物は、紙ものだと、カタログ(会社案内)、学校案内、パンフレット、リーフレット、店頭POPなどです。Webは、コーポレートサイト内のコンテンツ、新卒採用サイト、スペシャルサイト内のコンテンツ、バナーなど。取材に関しては、社長インタビューから社員インタビュー(クロストークなど含む)、キャンペーン参加者の方へのインタビューまでを担当しました。

特に変わり種だったのは、人事考課制度の「項目」のリライト。評価基準をどこまで明確にするか、あるいは曖昧にするかといった線引きを短い文章で定めるのは骨が折れました。もちろん自分なりに本を買って評価制度の勉強もしましたが、これもいい経験をさせてもらうことができました。そういえば自分の会社員時代の評価、低かったなぁ…なんてほろ苦い記憶を思い出しつつ。

紙もWebも関係なく書いてきた人間なので、どちらがどう、ということはありません。感覚値としてはWeb案件の方が増えてきた気はしますが、読み手のことを想像して書く、という点ではコピーライティングをするにあたって大きな違いはないと思っています。今までも、これからも。

4:お金のやりくりについて

フリーランスは会社員と異なり、毎月同じ日にお給料が決まって振り込まれることはありません。つまりやりくりをしなければならない。仕事を納めて、請求書を発行し、実際にギャラが振り込まれるまでの期間はクライアントによって様々です。例えば家賃やカードなど決まった引き落としの日とタイミングが合わず、正直苦しい時が何度もありました(今もですが)。

そこで活用したサービスが「FREENANCE(フリーナンス)」。簡単に言ってしまえば請求書を買い取ってくれるサービスです。もちろん手数料はかかるのですが(しかも割といい値段)、即日払いに対応してくれるので非常に助かります。FREENANCEの他にもいくつかの請求書買い取りサービスが確認できたので、手元にお金がない、でもギャラが振り込まれるのはずっと先…というような場合は一度使ってみるといいかもしれません。とはいえ、ご利用は計画的に。


5:フリーランス2年目の"今"

もう2年目も折り返し(1年目をまとめるの遅すぎ)、もちろん1年目に比べれば見えている景色はだいぶ変わってきましたが、仕事が増えていくにつれ自分自身のコントロールが難しくなることも増え、クライアントや協力会社さんにご迷惑をかけてしまうことも正直ありました。広告はひとりでは作れないことは重々承知しているので、少しずつでも日々修正していきたいと思っています。

一方で、新しい出会いが増えたことはとても刺激的であり楽しかったです。新しいクライアント、新しい協力会社さん、新しい課題…会社員ではなかなかここまで毎回目まぐるしく、一つひとつの条件が変わることもそうそうないと思います。野良的というか、より野生的な能力という点では、実践で身につけつつ歩んでこれたのではないかなぁ、と思っています。インプットもアウトプットも自分の中ではまだまだなので、勉強あるのみではあるのですが。

最後に今後ですが、一番やりたい仕事は「野球」関連です(元野球部)!笑 あとは地元が静岡なので、それもなにかできたらいいなと。あとは10年以上住んでいる街、下北沢にも何かしらのカタチで関わることができたらいいなと思っています。それ以外にも、もし何か機会があれば、みなさまぜひご連絡ください!笑


以上、フリーランスコピーライター1年目のまとめでした。

まだ書きなぐっている部分や書いておいた方がいい部分があるかもしれないので、その時にはリアルタイムでちょこちょこ加筆修正していきたいと思います。これは僕の「生きた証」なので。

もっといいコピー書きたいなぁ!!!!!
がんばろ。


それでは。


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