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言葉によるテロリズムか? 自らを亜流と評した男がおくる伝統芸能と現代社会の交差点

古舘伊知郎といえば、ちょっと前だと報道ステーション。その昔はプロレス実況、F1実況、大物司会者といったところでしょうか。今ではYouTuberとして、まー目にしないことはないですね。

最近でも、3分トーキング、1分アドリブトークなど、日本一うるさい男はまだまだ健在だとおもいます。

そんな古舘伊知郎の代表作といえば、古舘節とも言われる名実況もありますが、私は「薬局のドリンク売り」を推します。↓

こちらは、古舘伊知郎のライフワークであるトーキングブルースの第7回で披露されたものです。

少し前ですか、古舘伊知郎が報道ステーションを降板後に出演したバラエティ番組で、番組MCのTBS・安住紳一郎アナが完コピを披露したシーンを覚えている方もいるでしょう。あの「元ネタ」が薬局のドリンク売りです。

元ネタはもちろん

元ネタは外郎売。外郎売は成田屋の十八番です。歴史的な話しは成田屋のサイトからどうぞ↓

現代では外郎売の長ゼリフがアナウンサー、俳優・声優などのトレーニングとして使われています。また、オマージュ作品も紙兎ロペで公開されています↓

薬局のドリンク売りは、古舘のスピード×1994年の世相を組み合わせて、薬局の薬剤師として栄養ドリンクの宣伝をするという話芸です。

単なる現代語訳ではない話芸

外郎売では早口で、かつ、澱みなく外郎の効果を伝えます。

しかし、薬局のドリンク売りは、スピード×正確さに加えて、毒を盛ってきます。さすがに、2021年版をつくるとしたら、毒ガスの部分は別な◯◯リンになるでしょうが、栄養ドリンクを軽くdisりながらの売り込み。澱みないトークで畳み掛けてきます。

これは、落語でもない、漫談でもない、もちろん歌舞伎ではない、古舘伊知郎という奇才が編み出した新しい日本の新しい話芸が産まれた瞬間ともいえるライブだったと思います。

最近のYouTubeを見ていると…

私も古舘chは好きで、よくYouTubeを観ます。さすがに古舘伊知郎も60の後半に差し掛かり、プロレス全盛期ほどの喋りの回転数ではなくなったと感じることもあります。

しかし、歌舞伎役者や噺家達はその老練さでファンを魅了しています。古舘伊知郎には、YouTubeやトーキングブルースで喋りの極致とは何かを残してほしいと強く感じています。(了)



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