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農業廃棄物からサプリ開発、フードロス×SDGsなCometBio

こんにちは、オカラテクノロジズ山内です。
本日は久々に海外スタートアップの面白い取り組みをクローズアップ。
農業経済学部出身&食品企業で、今はフードスタートアップ事業をしている私の観点からも勝手に考察。(笑)

本日紹介するのは、世界の3分の1の食料は捨てられているのに(フードロス)、肥満が蔓延している米国でも、栄養不足と食糧不安が続くというジレンマ的課題をに取り組む企業ーComet Bioは農業視点から解決を図っている。

Comet Bioとは?

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フードシステムのフードロスと肥満・栄養失調が起こるというパラドックスは、この30年ずっと続いている…

コメットバイオでは、フードシステムの廃棄物から栄養を抽出することで、両方の課題に取り組んでいます。独自のアップサイクリング技術は、重大な環境問題に同時に対処しながら、非常に栄養価の高い可能性のある原料を生産するという方式である!

これに似た取組としては、廃棄物からさらなる抽出路線で価値を出してるのはグレープシードオイルだったり、ホエイだったり…する。

無駄な食べ物、無駄な栄養

USDAの2012年の損失調整済み食品入手可能性レポートのデータによると、1日1人あたりに無駄になる食品には、1,200カロリー以上、33グラムのタンパク質、5.9グラムの食物繊維、およびカルシウムやカリウムなどの消費不足の栄養素が大量に含まれています。

これらの栄養素を活用することができれば、多くのアメリカ人の栄養のギャップを埋めるのに大いに役立つはず!たとえば、USDAのデータでは、米国の女性が2012年に1日あたり平均8.9グラムの食物繊維の推奨レベルを満たしていないとのこと。失われた5.9グラムの食物繊維はこのギャップの3分の2に相当するのだ

どうやって製品化する?

コメットバイオの創設者であるアンドリューリチャードは、作物の残り物や木材廃棄物をキャリアの中で扱ってきた。

「TAKE、MAKE、WAIST」モデルを使用する一部の製造システムとは異なり、アップサイクリングは「テイク、メイク、リメイク」モデルを使用して持続可能な経済を構築。

独自の生産プロセスは、わら、葉、殻などの残り物を高品質の原料にアップサイクル。以下企業の代表からのコメント

「最初に農家と提携して、作物の残り物がどこから来ているのか、どのように栽培および収集されているのかを理解することにより、製品の高品質を保証する。これは、有機作物や非GMO作物からアップサイクルされた材料を調達するのに役立つ。このパートナーシップは、農家が収穫全体から利益を得ることができるようにすることで、農家に利益をもたらす。また、最高品質の作物を使用して、栄養補助食品や食品、菓子、飲料の市場向けの新しい成分を開発することもできる。」

さらに独自のwell-to-wheel分析によると、Comet Bioのデキストロース製造プロセスは、従来の製造よりも60%以上少ない温室効果ガスに抑えている…
徹底した環境配慮の取組にあっぱれである。

市場の評価~7月に25億の資金調達~

コメットバイオの最高経営責任者(CEO)であるリッチトロイアーは、次のように述べている。

また、製品パイプラインや健康強調表示の開発などのイノベーションにも投資します。特許取得済みのアップサイクリング技術を使用して革新的な原料を製造しています。そのアラビナアラビノキシラン植物繊維抽出物は、優れた忍容性と機能性を備えたプレミアムプレバイオティクス食物繊維です。腸内の有益なバクテリアの成長を促進し、健康的な血糖値を維持し、免疫力をサポートすることが臨床的に証明されています。

GlobalMarketInsightsによると、プレバイオティクスのカテゴリーは60億ドル近くと評価されており、今後数年間で10%のCAGRを超えると予想されています。

日本でも”腸活”や”発酵”、”菌”などが注目されていますが、この市場は今後更なる拡大を見せるのでは?と期待大。

以上、久しぶりのフードテック企業情報発信でした。興味ある・他の企業もしりたいなどあればぜひいいね・コメントよろしくお願いします。



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