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【育休ふたり旅】赤ちゃんとのフラリ旅。9ヵ月のむすめと私の目的地

旅の行き先はいつも突然決まる。

それは、読んでいた小説に出てきた山岳地帯だったり、出会った旅人から聞いた極北の川だったり、ブログで見つけたエメラルドグリーンの湖だったりする。

行ってみたい場所が見つかると、いてもたってもいられなくなり、航空券や行き方を鼻息荒く探すのだった。

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会社の有給で行けるのか。ツアーではなく個人で行けるのか。どんな手段なら安いのか。ビザは必要なのか。情勢は悪くないのか。普段の仕事でかける10倍くらいの集中力で、いろいろ調べ進めていた。

コロナ前は海外でバックパッカーみたいな旅をするのが好きだった。ヒリヒリわくわくする旅をいつも求めていた。

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でも、そんな旅はもうしばらく出来ないかなぁと思っていた。コロナの流行もそうだし、何より自分の生活が大きく変わったからだった。

2021年2月に、第一子を出産した。不妊治療を経て授かった大切な女の子の赤ちゃんだ。出産してからしばらくは、旅に出るなんていう発想すらわかなかった。

目の前にいるフニャフニャした赤ちゃん。小さな命を守る緊張感で、自分の心が落ち着く時間はなかった。泣きつづける娘を必死にあやし、長い長い1日を過ごす日々だった。

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子育てに慣れ、余裕が出てきたのは秋ごろ。娘はよく寝るし、たくましくなっていた。図書館で娘の絵本を借りるついでに、自分の読みたい本も借りるようになった。

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11月に選んだのは数冊の本。その中に「なないろペダル」があった。著者は青木麻耶さんという女性。

「農と狩猟の田舎暮らしに飛び込んだ元OLアラサーが、ぶつかった壁を越えようと旅に飛び出した…のが、なんと南北アメリカ11,000kmの自転車縦断ひとり旅。」                           紀伊國屋書店 商品詳細より引用

私の好きそうな旅の本だーーー!見ると著者の青木さんは私と同じ1986年生まれ。そして同じ時期に同じような銀座の大企業に入社していた人だった。

そのあと、青木さんは大企業を辞め、農と狩猟の仕事をし、さらに29歳で南北アメリカをひとりチャリンコで旅にでた。カッコいいなぁ。

大企業で働く自分に違和感を感じつつ、転職する勇気がなくてズルズル働いている私とは大違いだ。

「青木さんに会ってみたい」

図書館で娘を抱っこしながら『青木麻耶』さんを検索した。たどり着いた彼女のfacebook。2週間後の12月4日(土)に、大分県で映画イベントを主催していることがわかった。・・・なんだろう、この映画。

facebookのイベントページをのぞいてみた▼

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・・・このおじちゃんダレ?開催地の厳浄寺ってどこだ。耶馬溪ってなんて読む。え、4時間もあるの?長くない?

ハテナがたくさんあったけど、「ここに行きたい」そう心が動いた。青木さんに会いたいし、九州にも行ってみたいし、楽しそうだし。

なんといっても、私は来年の春まで育休の身。せっかく毎日がお休みなんだから、これをきっかけに、行ったことない九州をフラフラ旅してみよう。ならば仕事のある夫は置いていこう。それがいい、そうしよう。

こうして私と娘のふたり旅は突然に決まった。行き先は大分県の耶馬溪町。東京の図書館から、私は青木さんにメッセージを送った。

「はじめまして。突然のメッセージ失礼いたします。12/4の映画上映会に参加したいと思っております。9ヶ月の娘も一緒に行きます。」

この瞬間から、私の旅は始まった。

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