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開いてはならぬもの。


見覚えのないフォルダがあった。その名はThat's。

知らない誰かが囁く、「クリックしてごらんよ」と。

ためらわず開けてしまう。

そこには、まったく知らないフォーマットだけれども動画データがあった。

「ほら、クリックしてみなって」とまたうながされた。

「見たことを後悔する」という気持ちと「見ずにはいられない」という好奇心が交錯したが、結局、見てしまった。

ああ……そうか、そういうことか。

果たしてそこには、私の知る部屋のある情景と行為が記録されていた。

悔しいのに昂ぶる。

嫌悪なのに惹きつけられる。

「そうね、そうよね、やっぱりね」と呟きながら、身体の芯が熱くなった。


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