マガジンのカバー画像

自動車コラムニストとして

267
自動車コラムニスト山本晋也のワークや見解などをまとめたページです
運営しているクリエイター

2014年5月の記事一覧

逆走自転車の向こうから

逆走自転車の向こうから対向車が近づくのを感じて徐行するという

軽くてスタイリッシュなクルマが生まれるためには。

軽くてスタイリッシュなクルマが生まれるためには。

「最近のクルマは重くて分厚くて、昔みたいなスマートさ、シャープさを失っている」などとオールドファンが嘆くのは珍しくありません。

これは単なる懐古趣味と否定してしまうこともできましょうが、たしかに重く、分厚くなっているのは事実。

その理由は、ただひとつ安全性能への要求が上がっていることにあり。

SRSエアバッグはいまやフロントだけでなくサイドやカーテンと全席に対して備わっているのが当たり前、A

もっとみる

ターゲットユーザーの経験や知識を問わず、それでいて誰もが楽しめるようなコンテンツを目指さないといかんな~ということを、技術展示会にて思うのでした。わかるひとだけでなく、わからないひとも「なんだかスゲー」、「これは知りたい、知った気になれる」という演出を感じることもあったので。

人とくるまのテクノロジー展2014、見て来たのでした。一番気になっていたデンソーの「気流誘導プラグ・コンセプト」。プラグの向き(接地電極とスワールの関係)にこだわった量産車もありましたが、量産性を考えると、この手は有効なのかもと思った次第。高負荷エンジンには心配でもあります。

トヨタでアメ車を売れ! の真意

一部報道によると、TPP交渉においてアメリカ側から「トヨタの系列販売店でアメ車を販売しないのは参入障壁であり、大問題である」との指摘があったとのこと。

これに対して、「何を売るかは販売店の自由」だとか「そもそもトヨタの販売店は資本関係がないところも多い」、「かつてGMと共同開発したキャバリエを売っていた」などなど、様々な反論・反発もあるよう。

まず、この発言について。現場を見ていたわけでも、取

もっとみる

文筆業と一括りにしても、いろいろありまして。小説家、コピーライター、コラムニスト、ジャーナリスト、そしてライター。それら、先発型やクローザー型といった感じで野球の投手になぞらえた区分もできそう。自分自身はワンポイント系セットアッパー型ライターという感じでしょうか(汗)

スバル EyeSight はカメラだけなのがエラい!

スバル EyeSight はカメラだけなのがエラい!

テクノロジーの進化は多機能になること、という見方からすると機械は複雑になる方向へ進化すると思いがち。

ですが、果たしてそれは真なのか。

否、こと量産される商品については多機能は求められても、機械の複雑化はコストアップ要因としてネガティブで、すなわちシンプルに多機能というのが、商品の機械的進化としては正しい方向と考えます。

そんな一例としてあげたいのはスバルの安全技術「EyeSight(アイサ

もっとみる

2st exahust

昭和61年式の2スト・スクーターのアイドリング。さすがに、公道走行は申し訳ない感じがします……。

旧車は文化遺産

旧車は文化遺産

消費税増税にも慣れてきたでしょうか。いや、慣れても一年ちょっとすれば、さらに上がる見込みなので、8%を感覚的に慣れる意味はないかもしれません。

さて消費税にかぎらず、増税トレンド。たとえば自動車税は13年を経過したクルマにおいて約15%ほどの重課税と、従来の10%からさらに重くなっております。その一方で新車購入時にかかる取得税を減税したといいますが、エコカー減税で取得税が免税となるクルマが増えて

もっとみる

スピーカーやレンズ、タイヤは大口径が偉い、という表現自体は乱暴で誤解を招くでしょうが、たしかにハードウェアの性能を左右する要素をシンプルに示す言葉としては、ひとつ真理をついているのかな、と。もっともカメラはフィルムからデジタルになってレンズから後ろの要素が影響を増しているかも?

30年ほど前、オーディオ趣味が流行した頃に、大先輩から言われた「スピーカーはデカイほうが偉いんだ」という言葉の真意を理解できるようになるまで何年もかかったものです。たしかにスピーカーの性能で決まる部分は大きく、その手前でいくら頑張ってもナンセンスなこともあるなあ、と。

私的「マイルドヤンキー」論、キーワードは「全国制覇」

私的「マイルドヤンキー」論、キーワードは「全国制覇」

なんだか「マイルドヤンキー」なるビジネス用語が流行っているようですが、いまさら何を言っているのだろう? というのが正直なところ。

もう何十年も前からマイルドヤンキー的なライフスタイルは合って、そこを主戦場にビジネスをしている組織も存在しているというのは、自分自身の経験も踏まえた結論です。

その自分自身の経験とは、軽自動車の専門誌に関わっていたこと。ちょうどスズキからワゴンRが登場する1993年

もっとみる
初代NSX、リアオーバーハングに見えるLH的な懐しさ

初代NSX、リアオーバーハングに見えるLH的な懐しさ

そろそろ2代目NSXの市販バージョンの先見せが始まりそうな予感もあり。

そんなことを考えながら初代NSXのスタイルを眺めていたときに、「ああ、LH(ラングヘック)を可能な限り内包しようとしたスタイリングなのだなあ」と唐突に思ったのでありました。

LH(ラングヘック)という表現自体は1970年代にル・マンなどで活躍したポルシェのレーシングカー917シリーズの、標準ボディ「K」とル・マン用のロング

もっとみる