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[建築プレゼン 1] 文字の大きさは大丈夫?

山です。

前回は簡単な自己紹介と、noteで書きたいことについてでしたが、今回から具体的な建築プレゼンのお作法について書いていきたいと思います。

第1回は「文字の大きさ」についてです。

といっても、これは「プレゼンボードで読みやすい文字のサイズ」とか、「この文字サイズが熱い!」とか、そういったことではありません。
今回お伝えしたいのは、情報を正しく伝えるためには適切な文字の大小関係があるということです。


優先順位を表現しよう

具体的にA1サイズのプレゼンボードで考えてみましょう。載せる情報にはどんなものがあるでしょうか?

・作品タイトル
・コンセプト文
・ダイアグラム/解説文
・図面

もちろん例外はあるかと思いますが、だいたいこんな感じでしょうか。そしてそれらの優先順位もおおむね「タイトル」→「コンセプト」→「その他」のようになるかと思います。この優先順位の差が情報の階層です。
本や論文を読んでいると、そのなかで様々な種類の文字サイズが使われていますよね。それらは無意味に大小をつけているのではなく情報の優先順位を自然に示すようになっているはずです。
優先順位の順番に文字サイズも大→中→小となっていれば誤読される可能性は低くなります。
次の図は上がすべての文字要素を同じサイズにしたもの、下が優先順位の順にサイズを変えたもの、中が逆順にしたものです。

上や中の図ではパッと見たときにタイトル以外のところに目が行ってしまいませんか? 人間はより大きいもの、濃いものに目を奪われます。これだけ単純な要素でもそうなってしまうので、複雑に情報の入り組んだプレゼンボードではより意識的な強弱のコントロールが必要になります。
ストレスなく素直に読めること、パッと見で目が迷子にならないことは、基本だけどとても大切なことです。


同じ情報は揃えよう

それともうひとつ、文字サイズについて気をつけることは同じ階層の情報は同じサイズにすることです。

例えば上の図のように、右下のふたつのテキストはどちらも解説だとします。情報の優先順位は同じだとしても、これだと右の解説のほうがより重要なんじゃないかと感じてしまいます。(誤読されてしまう!)
ここまで極端な差が無いにしても、「スペースが足りないから片方の解説はちょっと文字を小さくして収めた」なんて経験はあるのではないでしょうか。これはやらないほうがよいです。どうしても片方を小さくする必要がある場合、どちらも小さくするべきです。
人間の目は相当に敏感です。微妙にサイズが異なると揃っていないと感じ、ゴチャついている印象を与えてしまいます。


いかがだったでしょうか。この辺はきっと誰でも無意識的にできていることかと思います。ですが、無意識にできていることは、万が一できていなくても気づきにくいものです。
なぜそうするのか、そうしないとどうなるのかをきちんと把握することで、はじめてルールがツールになるのです。

これらのルールを破るときはそれ相応の理由と工夫が必要ですが、それはまた別の機会に。


ありがとうございます。
山でした。

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