山猫

日々の雑記。映画/カフェ/京都 コメントは返せないのでご了承下さい。

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最近の記事

「世界ふしぎ発見」の終了ーー教養番組を作る能力を失ったメディア

世界ふしぎ発見がこの3月に終わるんだとか。 子供の頃から観ていたのでショックだ。 だが、ここ最近の番組リニューアルはほんとうにひどかったので、当然の帰結だと思う。 かつてのふしぎ発見は、おそらく民法の中での数少ない質の高い教養番組だった。NHKのプレミアムに匹敵するような。 カメラの画質にもこだわってて画面が精緻できれい。 入念な調査とミステリーハンターの体当たりのリポートは熱い。 3問のクイズ形式でテンポよくストーリーが組み立てられてて飽きない。 黒柳さんの知性と真くん

    • なぜ結婚がニュースになるのかーーアイドル好きと現代の大衆性

      野球選手の大谷翔平氏が結婚発表して以降、連日、各種報道機関で騒がれている。 有名人の結婚がなぜ政治の話さえ吹き飛ばすほどの威力を持つのだろう。おそらく半分くらいの人はそう感じているのでは。 スポーツ選手が結婚しようがしまいが、たとえファンであったとしても一般人には1ミリも利害関係がないはずだ。 私たちとしては、大谷選手が明日も変わらず素晴らしいプレーをしてくれればそれでいい。 籍を入れたからと言って彼の存在が激変するわけでもない。結婚したら変わる的な前世紀の幻想を抱いてい

      • クレープリースリージェ

        ずっと気になっていた出町柳のクレープリーへ行く。 クレープリーは昼だけで、夜はビストロをしているお店。 スタンダードなコンプットのガレットランチを頼む。 ガレットを食べたのは久しぶり。普通においしかった。

        • 大学のリユースで急須と湯呑みをもらうとか

          大学図書館へ行ったら玄関に段ボールが並んでいた。 本のリユースかと思い、行ってみると、なぜか食器のリユースをしていた。使わなくなった備品を自由に持ち帰って良いそうで、ご丁寧に持ち帰り用の袋まで置いてある。 こういう場合、ろくなものがないのが一般的かと思うけども、ノリタケや有田焼など、どれもそこそこの品物。そんなに価値は高くないが、タダで配るようなものではなかったと思う。 たぶん平均して1セット5千円くらいかな。 教員の会議用なのか事務員用なのかは定かではない。私が院生時代

        「世界ふしぎ発見」の終了ーー教養番組を作る能力を失ったメディア

          2.『アップグレード どん底女子の幸せ探し』(2024)カールソン・ヤング

          ニューヨークでギャラリーを開くために奮闘する女子のサクセス・ストーリー。 ニューヨークの家賃が恐ろしく高いため、姉夫婦の狭いワンルームマンションに居候している アナ。オークション会社のアシスタントとして運良く働くチャンスを得た(偶然カタログに誤植があり偶然それを見つけた功績で)彼女はロンドンへいくことに。 上司にいびられるアナに同情した受付の人が、飛行機のチケットをファーストクラスにアップデートしてくれる(そんなバカな)。セレブだらけのファーストクラスに乗り込むアナ。隣の

          2.『アップグレード どん底女子の幸せ探し』(2024)カールソン・ヤング

          1.『キングスマン ファーストエージェント』(2021)マシュー・ヴォーン

          アマプラ映画を観ることが多いので、記録していく。ネタバレありの率直な感想を。 『キングスマン』シリーズの第三作らしい。前ニ作は観ていない。 ハリポタのヴォルデモートで有名なレイフ・ファインズが主演だから観た。『グランド・ブダペスト・ホテル』の演技が良かったから。 時はWW1らへん。WW1は実は英国王に復讐したいスコットランド人がドンをしている悪の組織が裏で手を引いていました、というのがメインコンセプト。 ラスプーチンとかを操ってる設定。暗殺事件は実は主人公たちが起こしまし

          1.『キングスマン ファーストエージェント』(2021)マシュー・ヴォーン

          新書を書くのは若手の役割なのか

          私の友人たちはすこぶる優秀で、優秀なんだがアカデミアのど真ん中では戦えなくて、周縁化されると、一般向けの書き手としてメディアに動員される、という構図が出来上がっている。  筒井康隆の『文学部唯野教授』はあながち頓狂なファンタジーというわけではなく、アカデミアは大衆向けメディアへの批判とセットになっているところがある。 ユリイカに批評を載せるだけでも、研究せずになにやっとんねんという冷たい視線が飛んでくる(表立っては言わないが)。 よもやそれを業績欄にカウントなぞすれば、「軽

          新書を書くのは若手の役割なのか

          牧歌的SNSへのノスタルジー

          私がTwitterをはじめたのは、2008年頃だったと思う。 それまでは魔法のiらんどや、フォレストページ、pixivを使っていた。Twitterが流行り出して、自分でページのデザインとかを考えなくても良いのが楽で、なんとなしに始めた。 おそらく超初期からのユーザー。フォローされたらフォローを返す、みたいな時代。 変なアカウントはほとんどなく、投稿の刺激は薄めで、商業でやってる人もいなくて、ツイ廃もいなかった。 毎日のブログを短文で分割して投稿しているだけって感じで、今主

          牧歌的SNSへのノスタルジー

          アントロポセンを自覚しない

          時折、クジラやシャチやイルカが動けなくなっているというニュースが飛び込んでくる。 基本、日本人は何もしない。行政も水族館も一般人もただ見ているだけである。 欧米だと人々が、たとえ一般人であっても、協力して助けようとする動画がYouTubeなどにあがっている。 日本人は冷たくてひどいなと単純に思いがちだが、これは宗教や思想の違いによるものかも知れない。 西洋のキリスト教は、自然を征服しコントロールするものだと考えるので、自ずと自然に対する人間の責任という発想が出てくる。そ

          アントロポセンを自覚しない

          本離れ、テレビ離れーー文化が資本にならない社会

          本が読まれなくなっているどころか、テレビ離れまで起きているらしい。かく言う私の下宿にもテレビはない。なぜないのか。 単純に、うるさいからである。 バラエティ番組が多すぎるし、その破壊力が凄まじすぎる。どんな閑静な場所に住んでいようと、大自然のなかにいようと、点けた瞬間に全てを消し飛ばす破壊力。 とくに私が恐れているのは〈笑い〉だ。 始終響く大爆笑、ユーモアではなく、ジョークの大渦。ユーモアは好きだがジョークはあまり好きじゃない。ジョークは他者に対するの配慮なさ、弱点を狙っ

          本離れ、テレビ離れーー文化が資本にならない社会

          本屋とネオン

          大学生になってから、(新刊を売る)本屋に行かなくなった。 図書館や古書店にはほぼ毎日行く。 が、本屋には行かない。 たまに誠光社をのぞくくらい。 なぜかと言うと、本屋に行くと疲れるからだ。日本で出版される本の表紙ってなんであんなにド派手なのか。 単体で見る分には良いけれど、並べると目がチカチカする。まるで夜の繁華街のネオンだ。 背表紙まで派手。 平にされても縦にされても主張が激しすぎる。 しかも、同じ本が何冊も並んでたり積まれたりしている。 表紙って広告みたいなものなんだ

          本屋とネオン

          コーヒーハウスマキ

          葵橋西詰近くのコーヒーショップ、コーヒーハウスマキへ行く。 12時前に行ったら、待っている人が数人いて仰天。 こんな辺鄙な(と言ったら言い過ぎかもだが、繁華街ではない)ところにある喫茶店で?! 全面禁煙だからだろうか? タナカ珈琲とか、しみず珈琲でこんなの見たことない。 えーと思いつつ、名前を書いて待つ。 しばらくして名前を呼ばれて入る。 ウェイターさんが始終忙しそうに立ち回っている。 店内は縦長で、典型的うなぎの寝床な京都の建造物である。 ギリギリでモーニングを頼

          コーヒーハウスマキ

          朝ごはんを自分で作る

          台所が汚れるので自炊がいやになって三食外食していたら飛ぶように諭吉が消えていった。 毎日3千円使ってたんだが、よく考えたらそれ食費だけで月9万円になるってこと!?一人で!?あかーん!!! という当たり前のことに気づき、外食は1日1食、なるべく生協の食堂にいくか……と改心した。 すぐに千円飛ぶカフェはダメだわ。 珈琲にしても、出町輸入食品で珈琲を買って、自分で淹れることにした。 おうちカフェせなダメだよほんと。 さっそく今日の朝食は家で作った。 私は卵料理がわりと得意

          朝ごはんを自分で作る

          下鴨デリ

          下鴨神社の真ん前にある下鴨デリへ行く。 雰囲気がいいし、味もそこそこおいしい。 インスタ映えしそうな鮮やかなごはん。 ヘルシーな感じで、毎日気軽に食べられそう。 お値段はちょっと高め。 夜の方が種類があって値段もお得かもしれない。 下鴨神社の近くだからか、お客さんがひっきりなしにやってきて忙しそう。 時間帯によるのかもしれないが、ゆっくりお茶できる感じではない。はよ食べて席ゆずらなきゃって思ってしまう。人気なのは良いことだが。 本を読んだり作業したい派なので、本当にお腹

          下鴨デリ

          フラヌール的京都生活

          最近よく鴨川を散歩する。 神宮丸太町から賀茂大橋までのエリアは公園になっていて、大きな樹木が植えられ、ベンチも多い。なんとなく森っぽい空気がする。 木のトンネルをくぐりながら、川岸を歩いているのが気持ち良い。 同じ鴨川でもおそらくここが一番心地よいエリアだ。何より人があまりいないのが良い。 近くのパン屋や惣菜屋で遅い昼ごはんを買って、木陰のベンチで川の流れを見ながらもそもそ食べる。 水面に光の粒が反射してきらめく。 向こう岸からラッパのような練習音が聞こえてくる。 京都の

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          不可避的な楽天家

          久々に研究室開催の研究会に出る。 コロナ禍以降は基本オンライン。 われわれ修了済みの、各地の大学に勤めている身としてはオンラインはありがたい。 コロナ禍でむしろ繋がりが切れないシステムが構築されたのは怪我の功名といった感じ。 発表後、アカデミックポストの話になると一気に暗くなり、胃が痛くなりすぎて、倒れた。比喩でなく実際に。 博士をとってもなかなかテニュアはない。すぐに取れる分野もあるにはあるけども。うちの分野はそうもいかないようだ。 せめて助教のポストは出身大学が

          不可避的な楽天家