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〈ネタバレ注意〉宮崎駿最新作「君たちはどう生きるか」雑感

いるかどうかわからない私の読者の皆さんお久しぶりです。やまのんです。

ついに!あの日本が誇るアニメーション監督、宮崎駿の最新作「君たちはどう生きるか」が今日公開されました。

私は夜型なので、朝早く起きて見に行こうかな、見に行かないかなと悩んでいるうちに、席をとっていました。

鑑賞したのは新宿バルト9のDolby Cinemaです(大学に近いので笑)。あぁ、すずめの戸締まり公開初日もここに見にきたっけと思いながらわくわくで映画館に入りました。スクリーン内に入るとお客さんがずらっと。平日の朝なのになんでこんな人がいるのかと思いながらも、やっぱ宮崎駿だからね、仕事とか学校行ってる暇なんてない!

前置きはこれくらいにして、最初に簡単なあらすじを振りかえっておきます。

まだ映画を見ていない人は劇場にいったあとまたこのサイトにアクセスしていただければ、うれしいです。


あらすじ


舞台となるのは、戦時中の日本。主人公の眞人は空襲による家事によって母親を無くしてしまう。その後、父親とともに疎開。そこで父の再婚相手である夏子と出会う。

ある時、夏子が行方不明になったことをきっかけに眞人は屋敷の森の中にある塔へ足を踏み入れる。そこからインコが支配する王国があるファンタジー世界へと辿り着く。

少女の姿をした眞人の母ヒミと少し性格が悪いが憎めないアオサギと共に世界を巡り、ついに眞人は母の死を乗り換え、現実世界に戻ることができた。そして戦争は終わり、眞人は東京へと帰るのであった。

と、まぁあらすじはこんな感じだが、はっきり言って映画のストーリーははっきりいってごちゃごちゃだ。あらすじとして書くにはだいぶきついところがある。だが、かいつまんで見れば本質的なことがわかってくる。

テーマはやはり母性、そして成長だ。

そもそも構造上、母の喪失をフィクション(下の世界、インコの世界)と2人の母によって回復する話であるため、必然的に、いや宮崎駿の本質としてだが、母性の話になってくる。

ただ、今回は母性が前作までよりさらに顕在化し、わかりやすい形で宮崎駿少年のありのままを描いたのだということを気づかせてくれる。

印象的なのは主人公の母となる少女ヒミとの抱擁のシーンである。このシーンは確かに感動的ではあるが、ある種気味の悪さを感じられるほどの母性で満ち満ちたシーンだ。

ただ、最終的に少女であるヒミは自らの青春時代へと帰っていく。これはある種、宮崎駿という少年が母からの卒業ということを決意したということなのかもしれない。

ただ、夏子という義母ができるのだが、、

〈文学〉において、戦後日本は矮小化した父性を肥大化した母性によって回復させるという屈折した状態を抱えていた。

しかし、この作品はお構いなしに振り切っている。宮崎駿のエゴイズムを全面的に押し出し、こう生きるのだ!と宣言をする映画になっている。

私はこう生きる


つまり、これは「君たちはどう生きるか」ではなく、「私はこう生きる」という決意表明の映画なのだ。

この映画は、観客である「君」ではなく、戦後日本を生きてきた宮崎駿を自己投影した「君」(主人公)がどう生きていくかということを表現した作品なのだ。

私、宮崎駿は戦争に負けた直後の日本で育った。そしてその日本は武器も持たず、平和を宣言する一方、なよなよした父性も残ってしまった。だが、そんなものは母性が全て解決してくれる。母こそが自分をこの戦後日本から救い出してくれるのだ。

という感じである。あくまでも参考程度に。

さらに付け加えると、虚構の世界に行くというのはアニメーションを作るという宮崎自身の人生を暗示している。

宮崎駿が特に母にこだわるのは幼少期に関係しているらしい。詳しくは下のページを参考。

もちろん、ナウシカ的な自然や環境に対する問題意識というのもあると思うが。随所にそういったことを意図したシーンが織り込まれている。

ビジュアルとしてのアニメーションは天下一


映像面では宮崎駿的な世界観が満載であって、素晴らしいものであった。やはりこれが世界に影響を与える宮崎駿の力か!!と惚れ惚れした。

特に冒頭の火事へ向かう眞人を描いたシーンは迫力もあり、何処か不気味さもありという今までに見たことのないような人物の描き方に興奮した。

やっぱり背景とか人物もめっちゃ細かく描かれてる。テレビアニメを観ていると感覚バグるね笑


何よりも!この映画の最大の魅力!


ワラワラが可愛すぎる。

うん、可愛い。


ただ、何回も見ないと、、


ただ、ディティールに関しては一度見ただけでは理解しきれない部分も多く、情報が少なすぎる故、複数回鑑賞は必須だろう。

今回の文章もまとまりきらなかったところは多い。

少し気になる点として、下の世界は胎内をイメージしてるのではないかという気もしてて、水に覆われてるし、主人公が水の中に浮かんでるシーンとかあったし。そしたら何!実質エヴァってこと!?

宮崎くんったら、君たちはどう生きるかみたいな正直な映画を作ったわけだ笑

もう一回ぐらい見たら本格的な考察を出したいが、すずめの時も結局出せていないのでどうなるかはわかりません笑。

すずめはBlu-rayでたら出そうかな。


とりあえず、宮崎駿監督お疲れ様でした。


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