くろもちさわか

夫の山開拓を見守る妻です。 山ではずっとなにかを焼いては食べています。

くろもちさわか

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マガジン

  • くろもち家の夏休み2023

    2歳6歳を連れてのスリランカ旅日記です。

  • 「山育」のススメ

    雑木林を買いました。 どんな活動をしているのか?その背景や狙いをまとめてみたいと思ってます。

最近の記事

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親子で自然から学ぶ-失敗だらけの山開拓

我が家は平日都市に住み、休日自分たちの土地がある山へ通う4人家族。 普段は便利に、土とも虫とも無縁な妙にクリーンな世界で暮らしている。都市から出ない生活をしていると、まるでこの世界の中心が人間であるかのように感じる。お金さえ払えば食料もエネルギーも簡単に手に入れることができる。人間は万能で全てを作り出すことができるような心持ちがするが、本来は無力だ。 山でひと時を過ごし、神経を研ぎ澄ませると、たくさんの生き物の気配が迫ってくる。時に自然の力の恐ろしさを体感することになる。自

    • 秋蒔きの畑、収穫の時

      厳しい冬を耐え忍んだ、秋蒔きの種たちは今収穫の時。 私にしては大収穫のスナップエンドウ。 なるべく放っておいても土に還るもので作りたい、とプラ製の支柱を買ってくることをせず、竹を割いて支柱にするなどしていた。 しかし竹を割いただけの支柱は耐久性がないので、見事になぎ倒されてしまった。 スナップエンドウたちはどこにつかまっていいかわからず完全に迷子になって隣の株と絡み合っている。完全にカオス。 そんな中でもしっかり花を咲かせてさやを太らせてくれた。 真緑のこんがらがった蔓の

      • アマチュア野良司会者の解放

        封印していた事実だけれど、大学時代は発声練習やスポーツ実況の練習ばかりしていた。 たしか、中学生の時だったか、いそいそと放送室に持ち込んだ給食が冷めていくことを気にも留めず、お昼の放送で自分の好きな曲と自分の声を届けることにワクワクしていた思い出がある。 軽やかな声と、滑らかな喋りは好評だった。 普段交流のない男子生徒から放送が良かったよ、本物のラジオみたいだったね、なんて声をかけられることもしばしばだったのでだんだんと自信も積み重なっていった。 ぼんやりと、ラジオのパ

        • 秋蒔きの畑は収穫までもうすぐ

          3月上旬になり、すこーし暖かい日が増えたことからか、秋蒔きの畑はムクムク。 葉を赤くしてじっと耐えていた苺の葉が少し増えていた。赤くなった葉はそのまま枯れてしまうのかとそわそわしていたが、耐えていたんだね。 堆肥を与えようとビニールシートとネットを取り払って名前プレートをどかすと、ひっそりと小さな花が。 マイいちご狩りまで、きっともうすぐ。 ハチさんの蜜源にと、種を蒔いた菜の花も少し咲いていた。 想像していたものよりかなりボリューム少なめ。 日当たりが足りないのかも。

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        親子で自然から学ぶ-失敗だらけの山開拓

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        • くろもち家の夏休み2023
          6本
        • 「山育」のススメ
          2本

        記事

          素晴らしきキャリア断絶実記

          9時から17時まで外回り、事務仕事は出社前か終業後にこなして、20時か21時頃におじさんたちと残業飯、土日にゴルフも入ってくる。そんな働き方以外の働き方をしてみたい。と、常々思っていた。 これは私が新卒で入った食品添加物メーカーで営業さんとして働いていた時の話。 最終製品が発売されれば、店頭で手に取って、ここに私の売った製品が入っている、と毎回感動したものだ。やりがいや夢でいっぱいだった。 しかし給与は一向に上がらなかった。 ライバルの多い業界で少しでも顧客に好印象を与えよ

          素晴らしきキャリア断絶実記

          イチゴやミニトマトはお好きですか?

          今年もニホンミツバチの分峰の季節がやってくる。 日本固有の野生のミツバチにうちが用意した物件に住んでもらい、掃除したり暑さ対策したりしつつ、賃料としてほんの少しハチミツを頂きたい。そういう算段だ。 どうしてミツバチ?と聞かれることがあり、どう説明していいか悩んでいたが、最近は聞いてくれた人にはイチゴやミニトマトを食べますか?と聞き返している。 日頃私たちが食べているイチゴやミニトマトは、ほとんどハチによって受粉された物だ。 手作業で受粉しているのもはほぼ流通していないだ

          イチゴやミニトマトはお好きですか?

          秋蒔きの畑の進捗②

          元旦の早朝から山の開拓に行ってきた。 寒くなってきたのでさすがにいちごの苗を保温した。 その辺の竹を割いて作った枠に、買ってきた農業用のビニールシートを被せて固定した。 よく太陽の照っている日だったので、保温を始めて10分ほどでビニールシートの中が曇ってきた。 植物の、息づかい。 次は花壇にしようとしている場所。 次女がよく誤って足を踏み入れてしまうのでここから花壇とわかるように、柵を作ることにした。 どうでしょう?ずいぶんと文明を感じられるようになった気がする。

          秋蒔きの畑の進捗②

          ごめんなさい言いなさい!問題

          「ごめんなさい言いなさい!」 長女がごっこ遊び中で次女に対して激昂していた。 そのフレーズが好きでなさ過ぎて、やめてほしくて、このフレーズについて夫に意見を求めた。 ごっこ遊び中のお弁当の中身をひっくり返したことが原因で、長女は怒っているようだった。 私はそういったシチュエーションの場合いつも 「ひっくり返しちゃったね、拾おうか、どうやって持ったらこぼれないかな」という声掛けをする。 相手は発展途上で伸びしろがたっぷりの小さなひとだ。 失敗はたくさんしてそこから学んでほし

          ごめんなさい言いなさい!問題

          好きを語らう至極の時間

          次女が幼稚園に入って、落ち着いたら、バイトをはじめようと思っていた。 しかし、思いもよらぬいい求人に、無計画にもフライングで飛びついてしまった。 私の興味のある分野の、フルリモート、時間自由の事務仕事。 これを逃したら、こんなに私のやりたいことにはしばらく巡り会えないだろう。 次女入園まではもう少し。入園までは夜中に仕事することでなんとかこなせそう。応募してみよう。 いつもの山へ向かう道中、車の助手席で急ごしらえの履歴書を作った。シートベルトを締めたままの自撮りが写

          好きを語らう至極の時間

          掲載の喜び

          優秀賞を、頂きました。 私のような市井の主婦からすると、優秀賞、天下の文藝春秋という響きが精神に与える効果は絶大だった。 泥臭く、地味に、育児に奮闘中の日々だが、受賞の喜びがあるだけで日常はビビットに彩られた。 抱えてる2歳児が重くて、靴も履かなくて、いつだって私の思った通りの方向に進むことは困難な毎日だ。 不機嫌顔が多くなりがちだが、「ほとんどのことはうまく行かないが、なんと言ったって優秀賞をもらえたんだから!」と思えばニコニコしてやり過ごせるようになった。 理不尽にクラ

          「山育」のススメー取組み編

          ずいぶんと間が空いてしまったが、「山育」のススメシリーズ第二弾として、実際に山でこどもたちとどんなことに取り組んでいるのか、紹介することにしよう。 大きく分けて4つほどの活動をしている。 ① 林業的活動  ② 植物の栽培や観察 ③ 生き物観察 ④ 火の体験 どんな活動なのか、それぞれ見ていくことにしよう。 ① 林業的活動 もとは放置竹林だった我が山を、多様性のある強い森にすべく、適切に木を切っている。 林業について勉強する前は、森なんて木を切らないでそのままにして

          「山育」のススメー取組み編

          はじめての紅葉狩り

          いわゆる放置竹林だった我が山も、今年の9月で開拓3周年を迎えました。 購入直後の写真を漁っていたら、ここにはあまり長居したくないなぁ、という感想が生まれた。 数十年に一回開花するという竹の花が咲き、奇跡的に開拓一年目に竹林が全滅した。 枯れた竹を整理していろいろ植えた。 ・もみじ ・桜(ソメイヨシノ) ・ブルーベリー ・梨(幸水と豊水) ・ヘーゼルナッツの木 もみじ以外は定期的に全ての葉っぱがなくなってうまく成長できていないのが現状だ。度重なるなにかしらの被害に屈する

          はじめての紅葉狩り

          人情カレー旅

          ボスがさ、この店のオーナーがさ、そう言ったからおれはちょっと言ってみただけさ。 友達だろう、おれ自身はそんなこと言いたくなかったんだごめんよ、ブラザー。 恰幅のよい大男が眉毛をへの字にして困った顔でヘコヘコする。 頭の上で引っ詰められたカールした髪の毛がヘコヘコの度にチャーミングに揺れる。 でも私はなんとなくわかっている。海の家で金庫の横にどっかりと座って注文票を束ねているこの大男自身がここの「ボス」だし「オーナー」だろう。 スリランカの田舎の海岸。 穏やかな波、白くて

          朝5分の自分時間

          5分間だけ、自分のためだけに時間を使ってみる。 朝起きて、朝ごはん作って子たちに食べさせながら時にはお弁当作って洗濯してキッチン片付けて子たちの出る準備して自分も身支度する怒涛の時間が始まる前に、5分だけ、自分のために。 毎朝起きた瞬間上半身が重くて誰かに助けてほしいと言う気持ちだった。 抱っこ抱っこの毎日で激しく肩が痛いのだ。 しかし誰かに抱っこを助けてもらう時間もマッサージに行くような時間的・経済的余裕もない。 自分でなんとかしなくては。 最初はラジオ体操から始ま

          朝5分の自分時間

          秋蒔きの畑進捗

          10月末に種まきをしてそこから2週間。畑から芽生えが。 夫が導入した新しい手法、盛り土農法の畑は一番有望。 私のスナップエンドウも頑張っている。 泊まってみてわかったことだが、山の朝露はものすごい。よく晴れた夜だったが、朝起きたらテントが小雨を浴びたかのように濡れていた。 せっせと畑に載せていたカバークロップにもたくさんの水滴がついていて、これは載せれば載せるほど乾燥を防げるのでは?!と思われた。 私の畑は夫の畑に比べてカバークロップ少なめだったので、少し強化しておい

          秋蒔きの畑進捗

          楽しいブッシュクラフトの時間

          山泊で時間があったので、竹でブッシュクラフトに挑戦。 いちごの苗は植えるたびになにものかに食べられてしまうので、これをしっかりと守りたい。 これを 使いやすい長さに切り、枝を落として 暖炉の火を見ながら一息… 細く割いた竹を暖炉の上に載せて温める 曲げて、冷ましながら固定する いちごの苗を囲います。 長女から、↑これに防鳥糸を絡ませただけでは歩いてやってくる小動物を防げないのでは?と指摘されて、ネットでガチガチに守る。 ひとりでこれだけ山にあるものを加工できると

          楽しいブッシュクラフトの時間