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【システム屋考】理想のチームなんて存在しない

理想のチームって何だろう?

チームとは、人の集まり。
そしてチームには目的がある。
例えばプロジェクトのカットオーバー。
例えばシステムの安定運用。
その目的のためにチームメンバーには役割が与えられる。

役割に対してはスキル要件が存在する。
業務要件定義、データ分析、プロジェクトマネジメントなど。
全てのメンバーが、与えられたスキル要件に対して100%充足していれば、要件上は完璧なチームと言える。

まあスキル要件を100%満たしたメンバが集まるということが、そもそもレアケースなのだが、仮に集まったとしてもそれだけで理想のチームになるかというとそうでもない。

ということで、理想のチームになるのを妨げる主な要因について分析してみたい。
ちなみに私の記事は基本的にすべてIT業界(SI、ITコンサル、SESなどのクライアントサービス)についての考察だが、今回も例に漏れずそのパターンであることを了承いただきたい。

問題① スキルシート通りのスキルがない

はい、これが一番頻出のパターン。
スキルシート上は「経験十数年、リーダーもできます!」
ふたを開けてみると「え、どこが?」という人。
もうこれはどうしようもない。パートナー要員だったら契約終了でよいと思うが、社員として採用してしまっていたら、まあご愁傷様ですとしか言いようがない。より難易度の低い役割にアサインし直して鍛える、それでも通用しなければ減給を含めた人事的な対応をしてもらうしかないだろう。

NG人材の見抜き方については以前にこんな記事を書いた。

問題② 他メンバとの相性が悪い

スキル的に問題がない人であっても、なぜか他のメンバとそりが合わないといったパターンがある。
特定の人との相性だけであれば、当人同士の直接コミュニケーションが発生しないような配置にするという策が考えられる。
ただ、その場合、大抵は間にチームリーダーが挟まることになるので、リーダーの心理的負担は気になるところだ。リーダーが潰れては元も子もない。
比較的大きな規模のチームであれば、領域を分けて関わりがそもそも発生しないようにということも可能だろうが、「それはもはや別チームなのでは?」という気もするので、チーム内問題の対応策としては微妙かもしれない。

問題③ よい状態も放置したら長くは続かない

一見うまくいってそうなチームも、油断をするとあっという間に崩れてしまうことがある。

・最初はモチベーション高くやっていた人が、急に「あの人より私の方がずっと働いているのに、聞くところによると給料(or単価)はほとんど変わらない。ズルいです!」といいだして急にパフォーマンス低下

・意識が高い人にありがちな「今の役割に不満はないんですが、このまま続けてて成長できるのか不安です」という漠然とした不安からの退職(or離任)をちらつかせたりする

これって防げるかどうかでいうと、完全には防げない。
むしろこれを言う人はどんなに丁寧に接してもいずれ言い出す可能性が高い。
短期的には給料(単価)UP、役割変更などで繋ぎ止めることはできるかもしれないが、一定の確率で発生する前提で構えておいた方が精神衛生上健全だ。
こういう時はその人を責めるより、むしろ「今まで安定的に貢献してくれてありがとう」と感謝するくらいのメンタルでいたいものだ。

まとめ:理想のチームなんて存在しない、という前提で心穏やかに過ごすのが吉

以上、3パターンの「理想のチームになるのを妨げる要因」について書いてみたが、正直レベル感バラバラで、これといった解決策を提示できているわけでもない。
ただ、この記事で書きたかったのは、理想のチームの作り方ではなく、理想のチームなんて狙って作れるものでもないんだから、その前提で気負わずに行こうよ、ってことなのでご容赦いただきたい。

私は今フリーランスとして、自分以外が作った「理想的ではない」チームの中で活動しているが、そんな中でも「こうやってこの人にお願いして、こう動いてもらえれば少しはいい方向にいくかな」と考えながら、よりマシな着地を目指して地道にやっている。

結局「ぼくの考えたさいきょうのチーム」なんて実現しないので、今自分にできることを地に足つけて愚直にやっていくしかないのだ。

おまけ

今時点で理想的に近いチームで仕事をしている皆さんは、その幸運に感謝してほしいです。私もこれを書きながら昔の理想的に近いチームに居た頃のことを思い出して改めて当時のチームメイトに感謝してます。
ではまた。



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