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ブラック職場の方が成長できる問題についてどう向き合うか?

時代はホワイト化


昨今、日本の労働環境はホワイト化の流れにあると言われている。
一方で昭和・平成初期のブラックな長時間・厳しい指導がある労働環境の方が、若年層の成長につながったという指摘もある。

私の居るIT業界も、10年くらい前までは残業・終電・土日出勤は普通の光景だった。私はさすがに毎週休日出勤・年がら年中終電帰りというわけではなかったが、それでもカットオーバーを控えた繁忙期は、まず優先すべきはプロジェクトの進捗だった。

私の長く所属したコンサルティングファームは、業界内では比較的穏やかな社風で知られていたが、それでも成果物や納期に対するスタンスは厳しかった。成果を出すために、できていないのに定時で帰るなんてことはできなかったし、終わらなければ終電までは粘るのは当たり前だと思っていた。

ただ、振り返ってみるとその中で得たものは大きい。
得たものを大きく分けると
①困難なプロジェクトをやり切ったという自信
②膨大なインプット・アウトプットから身についたスキル
③多少の難局には動じない度胸・開き直り

このあたりだろう。
これは強制的に厳しい環境に置かれなければ、決して身につかなったと思う。

今でもカットオーバー前で無理をしている人たちは存在するだろう。
本番障害で不眠不休の復旧作業をしている人もいるはずだ。
だが、業界全体では36協定の順守、ワークライフバランスの向上を目指す働き方改革の方向性は止まらない。
大手SIerではSCSKが働き方改革を大胆に推進していて有名だ。

私の前職の中小IT会社でも、SESで現場に入っているメンバの残業時間はかなり気にしており、月20時間を超えると要注意と判断していた。
現場が高稼働でキツイというメンバの勤務状況を確認すると、40時間に到達していたりする。
正直私の若いころの感覚だと40時間ですら「普通でしょ」って感じなのだが、これを言ってしまうと今ではパワハラ老害になってしまうので、心の中にしまっていた。
基本的にはホワイト化はいい流れなのだ。

ブラックの方が成長できますぜ!(悪魔の声)

しかし前述の通り、高稼働な「ブラック」環境では成長も促進される。
これもある意味真実だ。

ビジネスではなくてスポーツの例だが、あのイチロー氏がこんなことを語っていたという記事を目にした。

「今の時代、指導する側が厳しくできなくなって。何年くらいなるかな。僕が初めて高校野球の指導にいったのが2020年の秋、智弁和歌山だね。このとき既に智弁の中谷監督もそんなこと言ってた。なかなか難しい、厳しくするのはと。でもめちゃくちゃ智弁は厳しいけど。これは酷なことなのよ。高校生たちに自分たちに厳しくして自分たちでうまくなれって、酷なことなんだけど、でも今そうなっちゃっているからね。(中略)
でも自分たちで厳しくするしかないんですよ。ある時代まではね、遊んでいても勝手に監督・コーチが厳しいから全然できないやつがあるところまでは上がってこられた。やんなきゃしょうがなくなるからね。でも、今は全然できない子は上げてもらえないから。上がってこられなくなっちゃう。それ自分でやらなきゃ。なかなかこれは大変」と様変わりした現代では、選手がより自身を律することが求められる過酷さを指摘し

https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/11/06/kiji/20231106s00001002555000c.html

これはビジネスでも同じだなと思った。

私は氷河期世代で、「就職できるだけ御の字、厳しいIT業界に入ったんだから、負荷をかけて成長するしかない」と思ってやってきて、その経験を元に今では自律的に成長できるまでになれた。(つぶれずにここまで来られたのは運がよかったのだろう。周りの環境にも感謝である。)

じゃあホワイト企業に行くなっていうんですか?

だが今の若者たちは、ホワイトな環境の中でも、自主的に負荷をかけて成長しないといけない。これはなかなかに大変だ。
厳しいことで有名な会社に入るというのも一つの手だろう。住宅業界で急成長を続けるオープンハウス社などが有名だ。

しかし、ビッグモーターのように法令を守らないレベルでブラックな会社もあるので、会社の評判はOpenWorkなどでしっかり調べたほうがよいだろう。

また、ブラック職場には「精神的につぶれる」リスクもあるので、ホワイト職場で自身に負荷をかけて成長するほうが安全かつ持続可能だろう。
ChatGPTに「ホワイト職場で成長する」方法を聞いてみたので要約する。

  1. 自己啓発とスキルアップ:研修プログラムやセミナーへの参加、書籍やオンラインコースの学習など

  2. プロジェクトへの積極的な参加:成長するためには新しい経験やチャレンジが必要。自身の能力や興味に合ったプロジェクトに積極的に参加し、新しいスキルや知識を習得。

  3. メンターの存在を活用:ホワイトな職場では、メンター制度や上司との良好な関係が築けることがある。経験豊富な先輩や上司からのアドバイスや指導を受けることで、自身の成長を促すことができる。

  4. 自己評価とフィードバックの活用:自己成長のためには自己評価を行い、自身の強みや課題を把握することが重要。また、上司や同僚からのフィードバックを積極的に受け入れ、改善点を意識して取り組むことも成長につながる。

  5. ネットワーキングとコミュニケーション:ホワイトな職場では、チームワークやコミュニケーションが重視される。自身の人脈を広げるために、他の部署や業界の人との交流を積極的に行い、新しい刺激やアイデアを得ることができる。

ふむふむ。想定通り当たり障りのない回答だが、網羅的でまとまってはいると思う。

考えてみれば今後は生成AIの発展によって、やらされ仕事はAIに奪われていく流れが明らかなわけで、自発的に考えて問いを立てる力を磨いていく必要がるわけだ。
となると、
・会社に与えられたミッションに強くコミットする中で強制的に成長する
から
・自分の人生のミッションを立てて、成長できる環境を自ら創り出して成長する
に考え方をシフトするというのが、タイトルの「ブラック職場の方が成長できる問題についてどう向き合うか?」に対しての答えになるのだろう。

まとめ

ここまで書いてきてなんとなく答えは出た。
しかし一つ問題がある。
それは
書くのは簡単だが、実践するのは難しい!!
ってことだ。自分に厳しくすれば成長できるのは当たり前。それができないからみんな苦しんでるわけだ。
とはいえ、ホワイト化の流れの中で何が起きていて、自分はその中でどうしたいのかというメタな視点を持つことは意味があるだろう。
参考になれば幸いだ。


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