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「なんとなくだるい」「やる気がでない」→五月病かも

五月病って?🧐

4月の新年度から期待や不安で緊張が続き、ゴールデンウィークの連休でその緊張が緩み、「なんとなくだるい」「やる気がでない」「物事を悲観的に考えてしまう」という気分の落ち込みは、一般的に5月病と言われています。 

"五月病"の由来は1960年代

1960~70年代、「革命を起こして社会を変える!」と理想に燃えた大学生によってさまざまな活動が熱心に行われました。でも、権力によってその動きは封鎖されてしまったんです。1970年以降、大学に入った若者は学ぶ目的も夢も失って、大学生の間に無気力が蔓延しました。その現象をメディアが「五月病」と呼ぶようになったんです。「五月病」は正式な医学用語ではなく、決まった定義も実はないんです。現在では社会人にも一般的になり、「バーンアウト」という心理状態が関連した「適応障害」の一種だと考えられています。

五月病は、身体からの"もう限界"という"警告"

大学に合格し、試験や親のプレシャーからの開放感と達成感を満喫しながらハイテンションで過ごしたのもつかの間、いざ大学生活を始めようとすると自由すぎる環境で明確な目標が見つからず、かといっていまさら気力を奮い立たせるのにも疲れを感じる時期、それが5月なのでしょう。

この時点で簡単な生活の目標を見つけ「少し」頑張ることができれば、梅雨を経て夏が訪れる頃には「こんなものか」と思えてくるものなのですが、時に切り替えがうまく行かず、悶々と過ごすうちに生活が乱れ、時には通学や通勤だけでなくサークル活動や生活に必要な外出さえ困難となってしまう事さえあるのです。

春は一年中で最も不調を感じにくい!?

1989年アメリカのメリーランド州で無作為に抽出 した450世帯を対象として行われた「季節による気分の変動」についての調査では、真冬と真夏にそれぞれ大小の「気分不調」のピークを認めました。また、1995年名古屋で公務員を対象として行われた調査では、冬に10%、夏に15%の人 たちが気分の不調があると答えました。

どちらの研究でも春は気分が良好な季節で、特に5月頃に不調になるという結果は出ませんでした。

このことから、5月は本来、不安定な環境を乗り越えるのには適した季節だと言えるのです。もしかすると、この季節に大きく環境が変わる行事があるのは、はっきりとした四季の中で暮らす日本人の知恵なのかもしれません。

それでも精神的不調が続く場合、どうすれば?

まずは、自分が「気にかかっていること」に目を向けてみましょう。友だちができない、どの授業をとればいいかわからない、生活のしかたがわからない、アルバイト、サークル活動等々、それまで意識していなかったストレスや不安が隠れているかも知れません。一旦立ち止まってこのような心のひっかかりを整理すること、時には身近な人に相談することで、解決方法が見つかることもあります。

また、毎日決まった目標、ルーティン(朝ご飯を食べる、日中に運動をする、図書館へ通う、アルバイトやサークルに顔を出す等)を確立することで、対ストレス耐性、体内時計(医学用語で概日リズム)を獲得することができます。

もしそれでも上手くいかない場合、保健診療所やカウンセリングセンターに相談するのもいいでしょう。また、それまで楽しかったことに全く興味を持てず、自分を責めてしまい、消えてしまいたいというような気持ちが抑えられなくなったり、食欲や睡眠が極端に少なくなる場合には、治療が必要な精神疾患の可能性があります。本人には病気であるという自覚がない場合もあり、時には周囲の人たちが受診をすすめてあげることも大切です。

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