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寮で出会った香港の友達、日記

僕が住んでいる寮は5階建てで、屋上からは繁華街、山々、キャンパスの様子が一望できる。景色を見ながらただそこに存在していると、男性が話しかけてきた。いわく、香港から来たフレッシュマン(何故か一年生のことをフレッシュマンという。気取りすぎだと思う。)だという。

韓国のヒップホップシーンから出てきたようなラフな話口調の彼は最高にクールで、僕が日本人だとわかると自分が好きな日本のアニメについて嬉々として話してくれた。

英語のできない僕でもわかるようなスラング(fu*king so cool!など)を交えながらすっかり意気投合し、インスタグラムを交換した。この辺の腰の軽さは素直に見習うべきだと思う。(MRTで目的地への道筋を聞いただけで何故かインスタを交換したこともある。台湾ヤバい。)

その日からDMで好きな音楽の話を頻繁にするようになった。日本の音楽(宇多田ヒカルや星野源)も好きという彼に、僕はプレイリストをプレゼントした。題名は「給你」だ。僕はnujabesから始まるlo-Fi Hiphopが好きで、それを中心に日本らしい曲を何曲かセレクトした。

後日会ったとき、彼は「あなたのプレイリストは”fu*king so cool”だね」と言ってくれた。あれはかっこよすぎたな。

「音楽は国境を越える」なんて月並みで俗っぽい表現は絶対にしたくないひねくれ人間だが、初めてちゃんと音楽を好きでよかったと思った。良い日であった。

転調をくりかえしつつ生活は譜面に眠るまだ見ぬ音符 / 伊波真人




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