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警察が精神障害者にでっち上げた実話

 袴田事件が昭和の冤罪王・紅林麻雄の薫陶を受けた警察官らによって引き起こされた悪質性の高い問題だったという事で、紅林が起こした冤罪事件にも言及される事があり、そうした流れで、二俣事件を内部告発した山崎兵八氏に光を当てる人達も出始めたようだ。

 私もテレビの再現ドラマ(『奇跡体験!アンビリバボー』二俣事件 山崎兵八刑事の一生 フジテレビ系 2012年1月19日)でこの件は聞いて知っていたのだが、本当に酷い話だ。

本事件を捜査していた山崎兵八刑事は読売新聞社に対して、紅林麻雄警部補の拷問による尋問、自白の強要、自己の先入観に合致させた供述調書の捏造を告発した[注釈 3]。法廷では弁護側証人として本件の紅林麻雄警部補の拷問による尋問、自白の強要、自己の先入観に合致させた供述調書の捏造、および、紅林麻雄警部補が前記のような捜査方法の常習者であり、県警の組織自体が拷問による自白強要を容認または放置する傾向があると証言した。県警は拷問を告発した山崎刑事を偽証罪で逮捕し、検察は精神鑑定(名古屋大学医学部の乾憲男教授による。山崎兵八は脊髄液を採取された)で「妄想性痴呆症」の結果が出たことにより山崎刑事を不起訴処分にして、警察は山崎刑事を懲戒免職処分にした[注釈 4]

二俣事件 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

二俣事件の捜査

1950年1月6日に発生した二俣事件では、国家地方警察静岡県本部二俣警察署の刑事として捜査に当たっていた。事件から40日が経過し未だ犯人を特定できない中、山崎が担当したある少年のアリバイが無かったことから捜査の目が少年に向けられた[4]。しかし、改めて山崎は少年のアリバイを調べたところ、その少年にはアリバイが存在したため、少年にアリバイがあったことを山崎は捜査主任をしていた紅林麻雄警部補へ報告した[4]

しかし、捜査会議で紅林は「永年の第六感では犯人に間違いない」と宣言し、少年を別件逮捕する[4]。逮捕された少年は、警察署裏にある土蔵で連日拷問を受け、自白を強要された。当時はまだ食糧難が続いており、酒が満足に手に入る状況ではなかったが捜査本部には「陣中見舞い」として酒が多数差し入れられていた。事件の担当判事が酒を目当てによく警察署に来ており、その判事と刑事たちの会話の中で少年に死刑判決が出る見込みであると聞き、山崎は自身の示唆によって無罪の少年が苦しむことになったのを後悔し、少年を救うために拷問捜査の告発を決意する。

拷問捜査の告発

山崎は事件を追及していた読売新聞東京本社と少年の担当弁護士に手紙を送り、少年の冤罪を告発した。告発内容は判決公判の前日に読売新聞に掲載され、拷問によって強要された自白である点、現場に残された靴跡のサイズと少年のサイズが一致しないことを現役の刑事が証言したため大きな反響を呼んだ[5]。この記事により公判が延期となり、警察内部でも波乱が起こった。告発後、署長は山崎へ辞職願を出すように強要したが、山崎が拒んだため出勤停止処分に処した。山崎は公判内でも弁護側の証人に立ち、警察の拷問捜査の実態を証言した。それに対して、署長は山崎は事件当日に現場に行っていない、性格も変質的であり、捜査から外したと山崎を不当に貶める証言を行った。

偽証罪での逮捕、精神鑑定

同年12月27日に少年の判決審が静岡地裁浜松支部で開かれ、静岡地裁は少年に死刑判決を下した[6]。そして同日に山崎は偽証罪で逮捕され、さらに精神異常の疑いありとされて、名古屋拘置所名古屋大学医学部の乾憲男教授の精神鑑定を受ける[6] 。60日間にも及ぶ精神鑑定の結果、山崎は「妄想性痴呆症」と診断され、偽証罪は不起訴となり釈放された[7][注釈 2]。その後、署では辞職願を書かされ7年間務めた警察を退職させられた上、公安委員会より精神異常を理由に自動車免許を取り消された。

二俣事件無罪判決後

1957年12月26日に少年の第二審が東京高裁で開かれ、少年は逆転無罪となった。判決後釈放された少年が山崎の家に挨拶に訪れた際、山崎は涙を流して少年を抱擁したとされている[5]。その後も少年と山崎は季節の便りを交わすなど交友が続いた[1]。その後、1959年清瀬一郎監修の下書いた書籍によって、紅林が真犯人と思われる人物からの収賄の疑惑があったことを暴露している。

警察官失職後

警察官失職後は、運転免許も取り消されたため新聞配達や牛乳配達で生計を立てた[7][注釈 3]。五人の子どもを抱えながらの生活は困窮し、長女は高校進学を諦め二俣町から離れた場所で就職しなければならなかった[5]

村八分や親族からは縁を切ると言われ、事件から10年後の1961年には不審火によって自宅が全焼する被害を受ける[9]火事の直前に当時小学3年生の次男が長靴をはいた男が家に入っていったのを目撃し警察に証言したところ、逆に次男が火をつけたものと見られ補導されそうになった[9]。結局不審者に対する捜査は一切行われることなくコタツの不始末による失火と結論付けられたが、この火事によって山崎が集めていた事件資料の多くが失われた[9]

1970年にはトヨタ自動車へ就職した長男に呼ばれ愛知県豊田市に移住し、知人の紹介によりゴルフ場の雑役夫として働き、後に資格を取得しボイラー技士として勤務した[1]。山崎は精神鑑定の再検査や故郷へ帰ることを希望していたが実現することなく2001年8月に息を引き取った[5]。享年87。

山崎兵八 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 警察にとって邪魔者は精神障害者にでっち上げて潰す。

 放火して不正の証拠を消す。

 wikiでは言及していないが、山崎家の放火事件、犯人は静岡県警の警察官だと言われていて、だから「火事の直前に当時小学3年生の次男が長靴をはいた男が家に入っていったのを目撃し警察に証言したところ、逆に次男が火をつけたものと見られ補導されそうになった。結局不審者に対する捜査は一切行われることなくコタツの不始末による失火と結論付けられた」という話に繋がるのです。

 愛媛県警の裏金問題を告発した仙波敏郎氏に対しても悪辣な嫌がらせが行われていて、調べてみたところ、その事実が国会でも取り上げられていたようです。

さらに、交通監視カメラ「Nシステム」で、仙波巡査部長の行動が逐一監視されている疑いがあるなど、人権侵害の陰湿な嫌がらせが組織的、継続的に行われている。

愛媛県警の裏金を告発した仙波敏郎巡査部長への不利益取扱等に関する質問主意書

 質問主意書には書かれていませんが、警察と自宅を行き来する時にもぴったりと覆面パトカーの尾行がついたり、それ以外にも、大小様々な嫌がらせを受けた事によって、警察に殺されるのではないかとの不安と恐怖を抱いたとも仙波さん御自身が語られていました。

 また、以前も紹介しましたが、兵庫県警では実際に内部告発者に対する嫌がらせとして強制尾行が行われた現実もあります。

 『インシデンツ』で連続追及している兵庫県警スキャンダル。告発者で明石市在住の建設業Yさん(41歳)らは、兵庫県警本部の監察官室や捜査第2課にも事情を説明している。

 しかし、監察官室や捜査第2課は身内の不正を取り締まるどころか、Yさんらに圧力をかけて口封じをしようとしているのだ。

 2012年3月ころからYさんらは捜査第2課の警察官らに尾行されるようになった。「尾行」といっても、警察用語で「強制尾行」といわれるもので、あからさまな尾行を続け、対象者の行動を制限したり、精神的な圧力をかけたりするのが狙いである。

(中略)

 Yさんらによると、「強制尾行」はレンタカーやスクーターも含む車両約10台を使った大がかりなもの。「イシイ」「オノ」「キタ」「ナカムラ」という事情聴取などで顔を合わせた警察官らも従事しているという。

 「3月2日のことです。私が神戸駅でタクシーに乗ろうとしたら、尾行してきたナカムラが『俺も乗せてくれ』と乗り込んでこようとするんです。押し問答のすえ、タクシーに乗るのをあきらめ、JRに乗りました。その間もナカムラはずっとついてきます。新長田駅で降りてダッシュし、迎えに来てくれた知人のクルマに飛び乗りました」(Yさん)

 Yさんと仕事上のつき合いがある女性は、こう話す。

 「介護の必要から母親のマンションで生活していますが、警察は近くの駐車場にクルマを停めて、何カ月も監視しています。先日は郵便ポストをチェックしているのを目撃しました」

 また、別の知人女性も言う。

 「警察は、私が経営する店まで来て、『○○さんはいますか』と尋ねるんです。しかも、私が不在とわかると、『店の外で待たせてもらいます』と。従業員もお客さんもビックリしますよね。それだけでなく、息子の自宅や会社まで行くものですから、親子関係もギクシャクしています」

 上記の女性2人は精神的なダメージが大きく、心療内科に通っているという。

 筆者は兵庫県警県民広報課に対し、Yさんらを尾行・監視する理由を質問した。しかし、県民広報課は「お答えはできません」と対応した。

兵庫県警がスキャンダル封じで告発者らを脅迫 THE INCIDENTS (Alternative Version)

 記事でも「女性2人は精神的なダメージが大きく、心療内科に通っているという」とあるように、強制尾行を長期間受け続ければ、被害を受けた側は精神的に参ったり、ノイローゼになったりします。

 鬱病になる事も考えられますが、鬱病には譫妄という症状が現れるとされ、ガスライティングを組織犯罪的に仕掛けてくる側としては、ターゲットが鬱病になってくれれば、譫妄症状で被害妄想を語っているだけだという事にして、自分達が働いたガスライティング行為を隠蔽出来ると考えているようです。

 無論、精神病院は当然として、心療内科への通院歴も、ガスライティングを実行する側にとっては重要な要素です。

 被害を訴えるターゲットに心療内科への通院歴があれば、その事を根拠として、ターゲットは精神障害で被害妄想を訴えていただけである、という事にして、自分達が働いたガスライティング行為を存在しない事にして、隠蔽する事が可能となる為です。

 兵庫県警が強制尾行を働いたのも同様の理由で、執拗に嫌がらせを働き、ターゲットが精神障害を発症するか、鬱病になり、精神病院や心療内科への通院歴が付いたら、その事を理由として、内部告発を「精神障害者によるもので信用できない」と主張し、隠蔽するつもりだったのでしょう。

 つまり兵庫県警が働いていた強制尾行は、ただの強制尾行でなく、形を変えたガスライティングの一種であった、という事です。

 そしてまた、こんな事をする人間が、未だに、警察組織では幅を利かせていて、警部補や警部、警視として、警察本体で高い階級にあり、幹部としてのさばっている実態があるのです。

 しかも、兵庫県警のケースは、発生は2010年代です。

 結局、警察という組織は、都合の悪い人物が現れると、精神障害者のラベルを貼る事で隠蔽する、あるいは、執拗に尾行や監視、付き纏い、嫌がらせを働いて、相手を精神的に疲弊させて、自殺に追い込もうとする、精神障害を発症させようとするような蛮行を、本当に昔から繰り広げてきていた、という事なのです。

 やりすぎ防犯パトロールでは、警察から防犯協力の要請を受けたとして、嫌がらせとしか思えないような行為をやれと言われたと、多くの人達が証言されているわけですが、それらは現在ではガスライティングと呼ばれている行為であり、明らかに、組織犯罪として精神障害者にでっち上げる際に使用される手口と同じです。

 要するに警察が、付け狙った市民を相手に、組織的なガスライティングを実行し、その市民に精神障害のラベルを貼る事で、都合の悪い何かを隠蔽しようとしている疑いが濃厚である、という事です。

 昔のように、警察による精神障害へのでっち上げに協力してくれる精神科医が減っているので、医者に誤診させない限り、精神障害の診断書を作成してくれなくなった事から、やりすぎ防犯パトロールのような卑劣な手口を使って、特定個人を精神障害者にでっち上げようとしているか、あるいは、やりすぎ防パトを実施する事で被害者に精神障害と誤解されるような被害証言をさせ、警察から依頼された精神科医が、精神障害との診断を下すハードルを下げているのではないか(オリンパスの配置転換訴訟で明らかとなった産業医制度を悪用した精神障害でっち上げ工作と手口としてはほぼ同じ)、という事なのでしょう。

 警察がやりすぎ防犯パトロールを実行している疑いは、こうした過去の実例により非常に濃厚となっているわけですが、御存知の通りで、大手新聞社やテレビの報道局は警察と完全に癒着し、結託している為、警察にとって極めて都合の悪いこれら情報を調査したり、報道したりする事は絶対にありません。

 やりすぎ防犯パトロール問題が、ツカサネットが2009年に報道して以降、どの新聞社も一向に報道しないのは、このような問題が存在しないからでなく、新聞社とテレビ局、雑誌社までもが、警察と癒着しており、あるいは、結託しており、警察組織による組織犯罪としてのガスライティング行為を報道する意思を持っていないからです。

 袴田事件においては、内容の余りの酷さから、関係者の中で叙勲された者があるのであれば褫奪すべきだ、現役時代に遡って降格処分を行うべきだ、現役時代に遡って懲戒免職とし、給与と退職金の返納、年金受給額の削減をすべきだ、氏名を公表すべきだ、刑事罰に処すべきだ、等、様々な意見が飛び交っていますが、悪事を働いた警察官に対する処分と刑罰が軽すぎる事、悪質な冤罪事件を起こした警察官を罰する法律がない事なども、このような問題が起き続ける背景となっている事は、疑いの余地はないでしょう。

 のみならず、マスコミが事件報道時の特ダネ欲しさに警察と癒着し、あるいは結託し、警察の問題について全く触れないというジャーナリズムの機能不全状態に関しても、このような問題を引き起こしている元凶と言えます。

 やりすぎ防犯パトロール問題は、マスコミがきちんと調査して、被害者達の氏名を特定し、被害内容について詳細な報道を行えば、恐らく警察組織そのものが崩壊するレベルのインパクトになるでしょう。

 警察官が組織的なガスライティングを働き、無辜の市民を自殺に追い込んでいた、精神障害にでっち上げて社会的に抹殺していた、精神障害を発症させて人生を破壊させていた、粗暴犯罪を誘発して逮捕するマッチポンプを働いていた、こんな事実が明らかとなったら、警察に対して国民の怒りが大爆発し、警察を解体せよという声が上がるのは自明の理だからです。

 しかし、警察が、実際にかような愚行を行い続けている以上、報道しなければなりませんし、実行犯となった警察官、指示を出していた警察幹部、この問題の責任者にある警察幹部らは、厳罰に処される必要があるのです。

 警察による出鱈目と常軌を逸した人権侵害には目に余るものがあり、また、創価学会をはじめとするカルトと癒着し、カルトの敵対者に対して嫌がらせを働くといった言語道断な蛮行の数々に関しても、断じて許されるべきものでなく、このような行為が野放しにされている現状が、異常すぎるだけの話なのです。

 本日は本当に胸糞の悪い話となりましたが、警察がこういう組織なのだという事は、国民の一人一人が、肝に銘じるべきであると思います。

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