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分かりにくさと分かりやすさのコントロール

多摩美術大学統合デザイン学科に在の、やまかずと言います。
大学で学んだ良いことがあったのでシェアします。


個性を作る文化 / 削る文化

僕は、過度な個性はある一定の人にはウケるけど、殆どの人はダサいと感じると思っています。なぜかというと、個性が少ないものと比べて、認知負荷があるからです。脳にとってはそっちの方が処理が楽なので、そういうものを良いとするシステムになってると思ってます。
ただ人間は、ザイオンス効果で同じ物に接すればするほど、それに対して好印象を持つらしく、一定数にはウケるんだと思ってます。
(めっちゃ間違ってるかも。)

なので、過度な個性を作る文化・個性を削る文化。どっちもあっていいと思うんですが、今回は個性を削る文化についての話をします。(切り分けて考えてください。)


分かりやすさ/分かりにくさ

最近、大学のある授業で先生から、「本当にいいデザイナーは、ロゴに小さい個性を入れるだけで、アイデンティティを作る。」というような話を聞きました。

そこで例に出てきたのが、原研哉さんの「無何有」のロゴでした。文字に対して、「要素を削る」という小さな個性を取り入れています。下記のpinterestに載ってるロゴとは大違いです。

これを聞き、「認知負荷をできるだけ削って、伝えたいことをちゃんと伝える。」という技術、つまり、「分かりやすさと分かりにくさのコントロール」が、デザイナーの大切なスキルの一つなんだなと改めて思いました。


また、現在中村勇吾さんのプロジェクトに所属しているんですが第1課題が「任意のN点の動きによって、その背後に見えない「なにか」があることを想像させてください。」というものでした。(こういうのです。)

この課題の講評の際、先生から、「みんなには、分かりやすさと分かりにくさのコントロールをしてほしい。」と(確か)言われました。

例えば、「人が歩いている」ことを表現するとしたら、普通「具体的に人のオブジェクトを置いて、それを歩かせる。」と思うんですが、もしかしたら「手の動きの情報を点のみで見せる。」ということだけで伝わるかもしれないんです。

実は人間ってほんの小さなことであるものを認識してるので、ある情報を伝えたい時、実はほんのちょっとのことで、スーーーッと気持ちよく伝えれるかもしれないんです。その小さなことを見つけるのがデザイナーなんだと思います。


展示告知

既記の課題を発表する展示を現在行っています。
よかったら来てください。



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