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#読書感想文「もりのへなそうる」(児童書)(再読)

「もりのへなそうる」は、私の好きな児童書で、ずっと保管していた一冊だ。

2人兄弟の“てつた“君(5才)と“みつや”君(3才)は、森ででっかい縞模様の卵を見つける。そのたまごから生まれたと思われるのが“へなそうる”だ。幻の恐竜ネッシーのような、首が長くてしっぽがあって、背中に柔らかいとげとげがある生き物。
2人はへなそうると友達のようになり、食べ物をあげたり、遊んだりする。

昔読んだ内容なのに、忘れていることも多く、再読してみると、4章に分かれていて、113ページもあった。
大人の視点で、児童書を読むという感覚で読み返すと、いろいろと気づくこともあった。

例えば、かくれんぼ遊びを使って、数の数え方が出てくる。うまく数えることができないみつる君に、お兄ちゃんのてつた君が教えるのだ。

兄弟2人のお弁当やおやつが、おにぎり3つずつ、チューインガム3つずつ、ドーナッツ3つずつというのも教育的要素があった。
へなそうるが欲しがるので、それぞれひとつずつへなそうるに分けてあげるのだ。すると、1人2つずつで公平に食べられる。等分できるという場面で、割り算の概念をさりげなく登場させている。

他にも、おたまじゃくしはかえるのこ、カニはどんなところにいるか、水面は鏡となることなど、いろいろと教育的な内容が入っている。けれどそれは、さりげなく、おしつけがましくなく、よくできた児童書であることを感じた。

文は、渡辺茂男さん。挿絵は、ぐりとぐらで有名な山脇百合子さん。
渡辺茂男さんの他の作品も読んでみたくなった。

それにしても、いいな、と思う作品はやっぱり福音館書店のものが多い。
母が福音館書店の作品を好んで、子供の頃に与えてくれたおかげで、良い作品に沢山巡り合えた。他にも印象に残っている絵本や児童書がある。年をとってから再読してみるのもまた新たな発見があって良いかもしれない。

<文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手>
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<© 2024 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>

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